受講形式 会場受講のみ テキスト 製本資料(受講料に含む) 受講対象 ・企業で機械製品の企画、開発、設計、生産部門に従事する技術者 ・入社2,3年から主任、係長クラスまでの技術者 予備知識 特に必要ありません 習得知識 1)製品企画や開発目標設定の思考法 2)機械設計・試験評価の急所技術 3)製造工程での設計品質確保のポイント 4)論理的な設計思考力 5)設計者に必要な官能力/設計センス など 講師の言葉 いま『ものづくり』の現場では次世代に向けた商品開発が熾烈を極める中、製品の『品質』に関わる市場問題の多発やその対応コストの肥大化など、「メイドインジャパン」のブランドそのものを危ぶむ声が囁かれ出しています。 また、「技術開発」の領域では、急速に普及した技術の「デジタル化」が後進国に導入・展開され、「すりあわせ技術」を核とした我が国の『ものづくり』の優位性が低下しつつあります。 今後、更に市場のグローバル化が進み多様化する技術課題に対応するには、「ものづくり」を原点に戻って再強化することが急務です。そして、製造現場は勿論、開発の現場においても更に魅力ある製品を「適確な設計」により短期間で開発することが求められています。 しかし、90年代から多くの企業で展開された組織のフラット化は、個人の目標管理と成果主義に偏重し過ぎた結果、職場の上下で若手を育成する風土が薄れ、今、中堅技術者の「設計力」や「設計センス」の低下が懸念されています。 特に設計者は日々、打ち合わせや調整業務、職場管理などに追われ、肝心な『設計力』を向上させる機会が少ないのが実情です。 本セミナーでは、長年、製品開発の現場で開発設計を担当した講師が、強い設計者となるための「機械設計の勘所」を事例を含めて解説・指導する。
プログラム
1.はじめに
1)「ものづくり」の源流は『設計』
2)今、「設計力」の強化が急務な理由
3)「強い設計者」になるために
(1)必要な意識と心がけ
(2)論理的に考える癖をもつ
(3)官能力、設計センスを身に付ける
2.製品企画における勘所
1)製品のライフサイクルと対応技術
(1)技術進化の法則
(2)製品の成長と対応する技術
2)マーケティングとベンチマーク
(1)開発の「思い」に即した市場調査
(2)効果的な製品ベンチマーク
3)開発目標値の適確な設定
3.製品設計の勘所
1)図面作成
(1)力学的に合理な形状
(2)適確な仕様/特性/寸法指示
(3)累積公差設計の選択
2)材料選定
(1)金属材料
(2)有機材料
3)金属の熱処理/溶接
(1)焼き入れ描き戻し処理
(2)溶接による材料特性/性能劣化
4)表面処理
(1)電気メッキの原理と現象
(2)陽極酸化被膜処理
5)腐食/防食処理
(1)腐食の基本メカニズム
(2)異種金属接触腐食と防食設計
6)摩擦/摩耗
(1)表面構造と凝着摩擦
(2)表面粗さの選択
(3)摩耗の形態と対応
7)ねじ要素
(1)ねじ締結の理論
(2)緩みとねじ破壊
(3)締結部の内力係数と荷重
8)強度設計
(1)低サイクル疲労と高サイクル疲労
(2)設計寿命の検証
(3)累積被害則(Miner則)
4.設計審査(DR)の勘所
5.試験評価の勘所
6.製造で「設計品質」つくりこみ
7.演習(設計センスの向上)
質疑・応答
講師紹介 略歴 1967年 北海道大学工学部卒業.同年 トヨタ自動車工業(株)入社.以後、主としてシャシ設計部門でシステム及び製品開発に従事. 1999年よりアイシン精機(株)走行系技術部でブレーキ部品の開発に従事.2001年からアドヴィックス(株)で設計監査(DR), 未然防止,社内技術教育に従事.2009年 設計技術コンサルタントを開業.