
ラボでは順調、でもプラントで失敗…を防ぐ!
温度制御・結晶化・ろ過・乾燥――化学反応以外の“物理プロセス”がスケールアップで変わる。
化学工学の基本理論をもとに、バッチ合成の実践力とトラブル回避力を高める現場密着型セミナー!
- 講師
アンリ・コンサルティング 代表 森川 安理 先生
薬学博士, 元 旭化成
医薬原薬製造工場の工場長を10年経験
- 日時
- 2025/9/2(火) 10:00〜16:30
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
• 業種は電子材料等ファインケミカル製品製造業(無機製品も可)、医薬原薬および中間体製造業。
• バッチプロセスのスケールアップにより製品あるいは試験品を製造しようとしている技術者。
• 専門は有機化学、プロセス化学、QA/QC、化学工学等。
- 予備知識
これからスケールアップを行う化合物の合成プロセスについて理解していること、スケールアップに対して問題意識を持っていることが望ましい。
化学工学の知識があると理解しやすいですが、化学工学を全く知らない方でも理解できるように易しく解説します。
- 習得知識
1)スケールアップに関する初歩の化学工学理論(熱伝導、ろ過、撹拌、抽出、結晶化、乾燥)
2)化学工学理論を利用したスケールアップ製造条件および設備の設計
3)溶媒回収を考慮した溶媒の選択方法
4)再結晶プロセス設計技術
- 講師の言葉
このセミナーは、バッチ合成プロセスのスケールアップに従事している技術者の為のものです。5L程度までのラボの化学合成を、100L、5KL、10KL等の釜までスケールアップする場合、私たちは様々なトラブルに見舞われます。本来有機化学、無機化学反応自身は、スケールアップをしても本質的に変わるところはありません。
しかし温度コントロールや結晶化、結晶のろ過や乾燥など化学反応を伴わない物理プロセスについては、スケールが変わると本質的に異なったものになってきます。これらの生産スケールによる物理変化プロセスは、化学工学理論で説明されます。
このセミナーでは、初歩の化学工学知識を習得することで、ラボでどのようなデータを準備してスケールアップに臨むべきかを理解していただきます。具体的には、スケールアップによる温度制御・結晶化・結晶ろ過・結晶乾燥のトラブル発生原因とその防止方法、溶媒回収の原理と選択について、特に再結晶プロセスのスケールアップ設計について詳しく解説します。
プログラム
1. スケールアップファクターの理論 S/V(Surface/Volume)
1.1 伝熱
1.1.1 スケールアップするとなぜ
伝熱に時間がかかるのか?
1.1.2 伝熱の基礎化学工学
1.1.3 単純加熱・冷却
1.1.4 再結晶の冷却
1.1.5 反応熱除去考察
1.2 ろ過
1.2.1 スケールアップでなぜ
ろ過不良が発生するのか?
1.2.2 ろ過の基礎化学工学
1.2.3 加圧ろ過
1.2.4 遠心ろ過
2. 溶媒回収と溶媒の選択
2.1 なぜ溶媒回収が必要か
2.2 溶媒回収トラブル
2.3 溶媒回収の基礎
2.4 溶媒回収、水との分離
2.5 溶媒の選択について
3. 撹拌のスケールアップ
3.1 撹拌のスケールアップは
どう考えたらよいのか?
3.2 理論:先端速度、体積当たりの電力一定の撹拌スケールアップ
3.3 反応、再結晶、などの撹拌を考える
4. 抽出のスケールアップ
4.1 分液時間
4.2 分液不良(エマルジョン発生防止)
4.3 抽出温度
4.4 溶存酸素の影響(Pd(0)除去)
5. 冷却結晶化のスケールアップ
5.1 再結晶の理論
5.2 理論に基づく再結晶
プロセスの設計1 バッチ再結晶
5.3 理論に基づく再結晶
プロセスの設計2 セミバッチ再結晶
6. ろ過と乾燥のスケールアップ
6.1 ろ過器/乾燥機の組み合わせ
6.2 乾燥プロセスの熱収支モデル
7. スケールアップトラブルの例
トラブル例
まとめ
質疑・応答