
ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションの基礎・方法論・計算手順から、従来法と比較した特徴、活用の成功例、うまく計算できなかった場合の対処方法および今後の活用方法や将来戦略について,分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
東北大学 金属材料研究所 計算材料学センター センター長・教授 久保 百司 先生
博士(工学)
- 日時
- 2025/7/24(木) 10:30〜16:30
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
- テキスト
- 製本資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
※Live配信のみ(録画視聴はありません)
- 受講対象
企業において、
① 最近大きな注目が集まっているニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションをこれから活用してみたいと思っている方
②ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションに対して興味があり、従来の分子動力学シミュレーションと比較してどのような特徴・長所があるかを勉強したい方
➂現在、ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションを活用しているが、うまく計算できなかった時に対応ができないので、その基礎を最初から勉強してみたいと思っておられる方
④ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションが得意な計算対象や課題は何か、さらには不得意な計算対象や課題は何かについて勉強したい方
⑤企業において、今後、ニューラルネット分子動力学シミュレーションをどのように活用していけば良いのかの方向性と将来戦略について知見を得たい方などを特に対象としていますが、ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションに少しでも興味がある方には、是非ご参加を頂ければと思っています。
- 予備知識
特に予備知識は必要ありません。基礎から解説いたします。
- 習得知識
1) ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションを活用したこれまでの成功例
2)従来の分子動力学シミュレーションと比較して、ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションの特徴・長所
3) ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションの基礎・方法論・計算手順
4)ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションでうまく計算できなかった場合の対処方法
5) ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションが得意な計算対象や課題に加えて、不得意な計算対象や課題
6)ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションを、企業においてどのように活用していけば良いのかの方向性と将来戦略
などの知見を得ることができます。
- 講師の言葉
ここ数年、データ科学と計算科学を組み合わせた「ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーション」が、大学などの研究機関のみならず、企業においても大きな注目を浴びています。
特に、
①第一原理計算と同等の計算精度で大規模計算が可能
②パラメータ開発の困難さからの脱却が可能
➂8元素種を越えるような多元素系への適用が可能
④複雑な化学反応への対応が可能
⑤二次元材料への応用が可能 など
ニューラルネットワーク分子動力学法はこれまでの分子動力学法に比較して多くの長所を有することから、その産業応用が加速度的に広がっています。しかし、その進展が非常に速すぎるために、ニューラルネットワーク分子動力学法を基礎から学ぶ機会が十分に提供されていない現状があります。
そこで本講演では、ニューラルネットワーク分子動力学法の基礎から応用までの講義を中心に行うとともに、ニューラルネットワーク分子動力学法の特徴・長所、さらにはニューラルネットワーク分子動力学法が得意な計算対象や課題、うまく計算できなかった場合の対処方法についても説明をさせて頂き、今後、ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションを行う時に、どのようなことに気をつけて行けば良いのかなど実践的な内容についてお話をさせて頂きます。
受講者の方には、ニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションをいかに実際の企業における材料開発に応用可能であるか、どうすればニューラルネットワーク分子動力学シミュレーションを企業で有効に活用できるのかの基礎と将来戦略を理解して頂けるものと考えています。なお、各聴講者の質問についても、可能な範囲で回答します。
プログラム
[1] 計算科学の企業における意義と活用方法
1.計算科学シミュレーションの企業における意義
2.計算科学シミュレーションの応用例
3.計算科学を活用した高速スクリーニング
4.計算科学シミュレーションによる特許戦略
5.計算科学シミュレーションを活用した産学連携
[2] ニューラルネットワーク分子動力学(NNMD)法の特徴
1.従来の分子動力学法との違い
2.第一原理分子動力学法との比較
3.Tight-Binding量子分子動力学法との比較
4.ReaxFF反応力場分子動力学法との比較
5.NNMD法の特徴①:第一原理計算に相当する精度で大規模計算が可能
6.NNMD法の特徴②:パラメータ開発の困難さからの脱却
7.NNMD法の特徴➂:多元素系への応用が可能
8.NNMD法の特徴④:複雑な化学反応への応用が可能
9.NNMD法の特徴⑤:ReaxFFでは困難な二次元材料への応用が可能
[3] ニューラルネットワーク分子動力学法の基礎
1.分子動力学法の基礎理論
2.ニューラルネットワークの材料設計への応用例
3.ニューラルネットワーク分子動力学法の概要
4.ニューラルネットワークの基礎理論
5.ニューラルネットワーク分子動力学法の歴史
6.ニューラルネットワーク分子動力学法の基礎理論
7.ニューラルネットワーク分子動力学法の計算手順
[4] ニューラルネットワーク分子動力学(NNMD)法の応用例
1.ニューラルネットワーク分子動力学(NNMD)シミュレータの開発
2.NNMD法のマルチフィジックス現象への応用
3.NNMD法の多元素系への応用
4.NNMD法の複雑な化学反応への応用
[5] 計算科学シミュレーションの今後の発展
1.マルチフィジックス計算科学
2.マルチスケール計算科学
3.スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム
[6] 質疑応答・個別相談
略歴
平成2年3月 京都大学工学部石油化学科卒業
平成4年3月 京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修士課程修了
平成4年7月 東北大学工学部分子化学工学科助手
平成13年4月 東北大学大学院工学研究科材料化学専攻助教授
平成15年10月 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ研究員を兼任
平成18年4月 科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)
平成20年1月 東北大学大学院工学研究科教授
平成25年3月 日本化学会 学術賞 受賞
平成27年3月 東北大学金属材料研究所教授
平成27年5月 日本コンピュータ化学会 学会賞 受賞
平成28年8月 文部科学省ポスト「京」萌芽的課題「基礎科学の挑戦」課題責任者
平成29年4月 東北大学金属材料研究所計算材料学センター センター長
令和2年4月 文部科学省科学技術人材育成費補助事業「計算物質科学人材育成コンソーシアム」
コンソーシアム長
令和5年4月 文部科学省スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムDDCoMS
課題責任者
令和7年4月 計算物質科学協議会 代表