受講形式 WEB・会場 受講対象 1.ゾル‐ゲル法を応用した開発研究している方 2.ゾル‐ゲル法で有機-無機ナノハイブリッド材料開発をしている方 3.ゾル‐ゲル法の基礎と応用を包括的に習得したい方 予備知識 特に専門的な知識は必要りませんが、化学の基礎知識があればより理解しやすいと思います。 習得知識 1)ゾル-ゲル法の基礎知識 2)反応メカニズム 3)実務での活用法 4)機能性セラミックス、ナノ粒子、メソポーラスシリカ、有機‐無機ハイブリッド材料などの高機能材料や新規材料開発への応用技術 講師の言葉 ゾル‐ゲル法は、金属塩や金属アルコキシドを比較的温和な条件で加水分解・重縮合反応し、金属酸化物を合成するセラミックスの低温合成法として注目され発展してきた。合成プロセスが多彩で、バルク体、薄膜(コーティング膜)、ファイバー、粒子などいろいろな製品をつくることができるため、新規な材料開発などに応用されてきた。 特に近年、有機-無機ハイブリッド材料の合成にこのゾル-ゲル法が使用されるに至って、光機能、電子機能、熱機能、力学機能、化学機能や生体機能などを有する高機能材料が盛んに開発され、光学・エレクトロニクス、塗料・コーティング、環境、エネルギーやバイオ・医療分野へ応用されている。 本セミナーは、材料選択、合成プロセス、反応機構、反応解析、ナノ粒子や機能性材料の開発など、ゾル-ゲル法の基礎から応用までを実務に適応できるよう包括的にやさしく解説する。
プログラム
1.ゾル‐ゲル法の基礎 1.1 ゾル‐ゲル法開発の歴史 1.2 ゾル‐ゲル反応とは 1.3 ゾル‐ゲル法の特徴(長所と短所) 1.4 ゾル‐ゲル法の課題 1.5 ゾル‐ゲル材料の機能と応用 2.ゾル‐ゲル法の概要 2.1 加水分解反応と重縮合反応 2.2 反応メカニズム 2.3 ゾル‐ゲル反応の制御(ゾル‐ゲル反応の支配因子) 2.4 アルキルシリケート-1(シランカップリング剤) 2.5 アルキルシリケート-2(架橋型有機アルコキシシラン化合物) 3.ゾル‐ゲル法の反応解析とゲル構造解析 3.1 加水分解反応の解析 3.2 重縮合反応の解析 3.3 ゲル(ネットワーク)構造の解析 4.ゾル‐ゲル法による材料合成 4.1 ガラスの合成 4.2 ファインセラミックスの合成 4.3 成形プロセス(コーティング膜の作製) (1)デップコーティング、(2)スピンコーティング 4.4 微粒子(ナノ粒子)の合成 4.5 ナノシリカの合成法、種類、構造と粒径制御 (1)気相法、(2)液相法、(3)Stober法 4.6 シルセスキオキサンの合成 4.7 ナノポーラスシリカの合成 (1)分子鋳型(テンプレート)法 (2)コア-シェル法 (3)細孔壁構造の制御(機能化) (4)応用(触媒、吸着材、断熱フィルム、光制御薬剤、DDSなど) 5.ゾル-ゲル法の応用(高機能材料の開発) 5.1 有機‐無機ハイブリッド材料の合成 (1)合成法、(2)ハイブリッド化による界面・分散性の制御、(3)特性、(4)構造解析 (5)応用(ハードコート剤) 5.2 種々な有機-無機ハイブリッド材料の調製と特性 (1)汎用(熱可塑性)樹脂(PMMA、PC、PLAなど) (2)耐熱性・熱硬化性樹脂(PI、エポキシ樹脂など) 5.3 高機能材料への応用 (1)プロトン伝導性材料と燃料電池 (2)高活性触媒・光触媒 (3)無機(セラミック)分離膜 (4)表面機能制御(撥水コート剤) (5)生体(適合性)材料 6.参考図書 <質疑応答> 講師紹介 略歴 1973年 住友化学工業株式会社 中央研究所 1982年 新日鐵化学株式会社 技術研究所 2000年 名古屋工業大学教授 2007年 京都工芸繊維大学教授 2012年 京都工芸繊維大学特任教授、神奈川大学客員教授、岩手大学客員教授 名古屋産業科学研究所中部TLO技術アドバイザー 2015年 高分子学会フェロー 2017年 神奈川大学客員研究員 2018年 エフエイエムテクノリサーチ(FAM TechnoResearch)代表 この間Ziegler-Natta系重合触媒、ポリオレフィン(PE、PP)、生体適合性材料、高機能高分子材料(ポリイミドなど)、複合材料(ナノハイブリッド)、バイオベースポリマー(ポリ乳酸)、気体分離膜などの研究開発に従事。 機能性高分子材料(ポリイミドなど)、複合材料(ナノハイブリッド)、気体分離膜などの執筆・講演、企業への技術指導やコンサルティング活動を行っている。 著作 シランカップリング剤、有機-無機複合(ハイブリッド)材料、ハイブリッドハードコート剤、ポリイミド、 気体分離膜関係書籍(技術情報協会、情報機構、シーエムシー出版、サイエンス&テクノロジーなど)多数 所属学会 高分子学会