寿命を実務的に推定するための

電子部品における寿命の故障モードとその故障の推定法

電子部品の寿命とその故障モード,寿命予測の基本的考え方,個別電子部品ごとの寿命,

故障モードからの寿命予測法について事例・データを交えて実務的に解説する特別セミナー!!

講師

技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任

日時
2019/7/19(金)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト
講師

技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任

日時
2019/7/19(金)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

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受講料 (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト
受講対象

 電子部品に関する中堅の技術者・品質保証担当者

習得知識

 1)電子部品の寿命とその故障モード
 2)寿命予測の基本的考え方
 3)個別電子部品ごとの寿命,故障モードからの寿命予測法


講師の言葉

 電子部品、その中でも特に半導体には寿命がないと考えている人は多いのではないだろうか。 かってこの
日本でトランジスタを生み出し、それを搭載したラジオをトランジスタラジオと呼んだ。
 その頃は、鉱石ラジオなるものはあったが、まだまだ真空管ラジオの時代で、この
トランジスタを生みだした
日本の企業は、このトランジスタラジオに永久保証という概念をつけて世に送り出した。
 その後、この永久保証はこの企業が開発・生産したトランジスタに限定されるものになったが、当時は驚きと
称賛をもって迎えられた。 
 それから50年が過ぎ、全盛を誇った日本の半導体業界も韓国や欧米諸国の企業にその位置を奪われつつある。
 ここで今考えてみよう。 故障とは何か、寿命とは何か。 形あるものはすべていつか壊れる。 
 それが寿命だとすれば、その部品を搭載した商品の寿命先にくるのであればその搭載した部品は寿命が
来たとはいわれないのである。
 専門的にいえば、応力限界を越えない使い方をすれば、物は壊れない。その応力限界の中でつかう、
その考え方と寿命の推定法を考えてみる。
 加速試験の加速係数は絶対値はわからなくても、相対値であるからまだその推定はたやすい。 
 寿命は絶対値で考えないといけないから、ここに難しさがあり、手をかけるのにはちょっと躊躇することが
出てくるのである。
 寿命の故障モードからそれに最も適合する理論モデル式を持ち出して、そこから寿命を求めるには
その定数を求めないといけない。
 これには相当の実験と労力が必要になり、現場ではそんな時間をかけることが難しい昨今の情勢もある。
 そこで、この基本論を解説しながら、もっと実務的なやり方がないのか模索するのがこの講座である。

プログラム

1.寿命とは
2.各種の寿命の定義と寿命のあらわしかた
3.長寿命設計と死にざま設計
4.スペック保証・機能保証・故障モード保証
5.応力限界
6.電子部品の寿命とその故障モード
7.基本構造と寿命に関係する因子
 基板/はんだ、アルミ電解コンデンサ、パワーMOSFET/パワートランジスタ/三端子レギュレタ、
 整流ダイオード、積層セラミックコンデンサ、積層フィルムコンデンサ、発光ダイオード、バリスタ、
 セラミック振動子、皮膜抵抗
8. 寿命予測の基本的な考え方
(1) ワイブルモデル
(2) ワイブルパラメータmの当てはめによる推定法
 ➀寿命規格線
 ②ファーストフェイラーポイント
(3) 理論式の定数を実験で決めてから理論式にしたがって寿命を求める推定法
(4) 市場からの返却品から劣化度を測定して寿命を求める推定法
(5) 構成材料の関連材料のデータから寿命を求める推定法
9. 個別電子部品ごと寿命、故障モードからの寿命予測法
(1) はんだ接続ならびに基板
 ➀熱疲労寿命
 故障モード・メカニズム(膨張収縮作用)
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 はんだ合金S-N曲線からの推定法
 Coffin-Mansonの式からの推定法
 ②リーク劣化寿命
 故障モード・メカニズム(結露作用・呼吸作用・透湿凝縮作用)
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 マイグレーションのモデル式からの推定法
 ③クリープ寿命
 故障モード・メカニズム
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 Larson-Millerの式からの推定法
(2) アルミ電解コンデンサ
 ドライアップ寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  アレニウスの修正式からの推定法
(3) パワーMOSFET・パワートランジスタ・三端子レギュレタ
 パワーサイクル寿命
  故障モード・メカニズム
  パワーサイクル寿命曲線
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  疲労逆n乗則ならびにCoffin―Mansonの式からの推定法
(4) バリスタ
 サージ寿命
  故障モード・メカニズム
  バリスタのサージエネルギーと耐久回数の寿命線
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  累積損傷則からの推定法
(5) LED
 熱疲労断線寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  Coffin-Mansonの式からの推定法
  Ifとひずみの関係式をつかった推定法
(6) 整流ダイオード
 リーク劣化寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  水蒸気圧則からの推定法
(7) セラミック振動子
 温度変化による分極作用劣化寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  アイリングモデルに温度変化ΔTを入れた修正の式による推定法
(8) 炭素皮膜抵抗
 ➀電食寿命
 故障モード・メカニズム
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 マイグレーションの式からの推定法
 ②サージパルス寿命
 故障モード・メカニズム
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 累積損傷則からの推定法
(9) 積層セラミックコンデンサ
 ➀リーク劣化寿命
 故障モード・メカニズム
 ひずみ方向と限界分布
 材質・チップサイズ・静電容量仕様・厚みとの関係
 ワイブルパラメータmならびにγの当てはめで寿命をもとめる推定法
 過去の類似データを重ね合わせて求める推定法
 ②高電界短絡寿命
 故障モード・メカニズム
 寿命予測法
(10)積層フィルムコンデンサ
  ➀耐熱寿命
  故障モード・メカニズム
    フィルム耐熱度
 ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 アレニウスの式を対数尺で直線化する法
  ストレスの厳しい条件の寿命点3点から外挿法でもとめる推定法
 ②リーク寿命
  故障モード・メカニズム
  裂け目
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
   水蒸気圧則からの推定法
(11)トランス・ソレノイド・コイル
 リーク劣化寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
   水蒸気圧則からの推定法
(12)リレー
 ➀接点開閉寿命
  故障モード・メカニズム
  アークの挙動と状態遷移図
  最小アーク電圧・最小アーク電流の関係
  アークと操作速度・真空度などの因子との関係
  故障モードとワイブルパラメータの関係
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  ②リーク劣化寿命
  故障モード・メカニズム
  マグネットワイヤの加水分解
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
   水蒸気圧則からの推定法
(13)スイッチ
 ➀接点開閉寿命
  故障モード・メカニズム
  アークの挙動と状態遷移図
  接点の種類と最小アーク電圧・最小アーク電流の関係
  アークと操作速度・真空度などの因子との関係
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  ②リーク劣化寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
  水蒸気圧則からの推定法
(14)コネクタ
   ➀微少摺動摩耗寿命
  故障モード・メカニズム
  ワイブルパラメータmからの当てはめ推定法
 ②挿抜寿命
  故障モード・メカニズム
  寿命推定法