研究開発に役立てるための
可食から非可食バイオマス原料への転換次世代バイオプラスチック最新開発動向【WEB受講(Zoomセミナー)

セミナー
リーフレット
印刷はこちら
環境・資源・廃棄物の課題,資源循環型社会に向けた業界・法規制動向,非可食バイオベース・モノマー,化学品の最新開発動向・技術的課題,新規バイオプラスチックの開発動向・基本特性,用途・製品・市場開発動向について,豊富な経験に基づき詳しく解説する特別セミナー!
講師
高分子学会フェロー 工学博士 望月 政嗣 先生
元 ユニチカ(株)事業開発部長, 京都工芸繊維大学特任教授
日時
2024/6/12(水)10:00〜16:00
会場

※本セミナーはWEB受講のみとなります。

会場案内
受講料 (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円      ※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
テキスト
製本資料(受講料に含む)
講師
高分子学会フェロー 工学博士 望月 政嗣 先生
元 ユニチカ(株)事業開発部長, 京都工芸繊維大学特任教授
日時
2024/6/12(水)10:00〜16:00
会場

※本セミナーはWEB受講のみとなります。

会場案内
受講料 (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円      ※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。
テキスト
製本資料(受講料に含む)
受講形式
WEB受講のみ
 ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。


受講対象
・生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
 自動車・電気・電子分野・スポーツ分野 など
・生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、
 事業企画担当者、経営者 など


予備知識
特に必要ありません。


習得知識
1)環境・資源・廃棄物の課題
2)地球環境保全・持続的な資源循環型社会に向けた業界・法規制動向
3)非可食バイオベース・モノマーや化学品の最新開発動向・技術的課題
4)新規バイオプラスチックの開発動向と基本特性、用途・製品・市場開発動向 など


講師の言葉
 昨今の地球環境・資源・廃棄物問題の背景下、再生可能なバイオマスを原料とするバイオプラスチックの開発が進められる中で、これまで原料としてはコーン等の食料資源が用いられてきたが、近年は食料問題と競合しない非可食バイオマスを原料とするバイオプラの開発が活発化している。例えば、次世代バイオプラと世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸(PLA)に関しても、最近日本で木材パルプから酵素法によるセルロース系糖質の乳酸発酵によるPLAの画期的な製造法が報道されている。また、世界的には木質・草本系バイオマスからパラキシレンを経て100%バイオベースPETの開発と実用化が進展しつつある。
 本講では、これら非可食バイオマスを原料とする新しいバイオリファイナリーの現状と将来展望を交えながら、次世代バイオプラスチックとして期待される有力素材・技術・市場開発の最前線を踏査する。

プログラム

1.地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
1-1. 石油由来合成高分子化合物が内包する地球環境・資源・廃棄物問題とは
 1)原料枯渇問題…50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係から価格高騰必至
 2)地球温暖化問題…焼却に伴う温暖化ガスの増大
 3)廃棄物問題…海洋プラスチック汚染問題等
1-2. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
 1)海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
 2)海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
 3)海洋自然生態系が許容し得る分解速度、ポジティブ・コントロールとは?
 ・地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
1-3.バイオプラスチックの識別表示制度と環境負荷低減効果
 1)日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度(2021年9月改定)
  ①生分解性プラ ②生分解性バイオマスプラ ③バイオマスプラ
 2)カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
1-4.世界の法規制、グリーンガイド指針、業界動向

2.バイオベース・プラットホームケミカルとバイオリファイナリー最前線
2-1.バイオマス資源
 1)可食バイオマス…デンプン(トウモロコシ)や廃糖蜜(サトウキビ)
 2)非可食バイオマス…リグノセルロース(茎や葉、雑草、稲わら、廃木材)、ヒマシ油、廃植物油、その他
2-2.非可食バイオマスファイナリーとプラットフォームケミカル
 1)シュガープラットフォーム…セルロース系糖質から微生物発酵又は触媒化学的手法により化学品を得る
  ①分解酵素(セルラーゼ)法…酵母や乳酸菌による発酵生産(エタノール、乳酸)
 ・酵素生産、糖化、発酵の生化学的過程をすべて統合化したCBP(Consolidated 
Bioprocessing)とは?
 ②超臨界加水分解法…Plantrose®/Renmatix社の触媒化学的バイオリフォーミング(パラキシレン)
 2)合成ガス(CO, H2)プラットフォーム…低酸素下の熱分解ガスから化学品を得る
 ・微生物触媒によるエタノール生産、微生物による排ガス発酵技術とは?
 3)バイオマスナフサ調製法と誘導化学品…廃植物油の高温熱分解から得るバイオマスナフサのクラッキング(エチレン等)
2-3.バイオベースモノマー又は中間体
 1) C2…エチレングリコール(EG)
 2) C3…グリセリン、乳酸、1.3-プロパンジオール(PDO)、3-ヒドロキシプロピオン酸(3-HP)、アクリル酸
 3) C4…コハク酸、1,4-ブタンジオール(BDO)、γ-アミノ酪酸(GABA)
 4) C6…ソルビトール、イソソルバイド、フランジカルボン酸(FDCA)、アジピン酸
 ・北海道大学が従来法の限界を突破する画期的な高効率FDCA新規化学合成法を開発
 5) C8…p-キシレン(PX)
 6) C10…セバシン酸
 7) C18…リシノール酸

3.バイオプラスチックの最新動向
3-1.バイオポリエチレン(bio-PE)
3-2.バイオポリプロピレン(bio-PP)
3-3.バイオポリエステル(bio-PES)
 1)生分解性バイオポリエステル
 ①ポリ乳酸(PLA)
 ・生分解性(堆肥化またはバイオマス発電可能)と長期使用耐久性(構造材料)の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
 ・非可食木材パルプからのセルロース系糖質を原料にPLA生産技術開発(王子HD)
 ・世界的にPLA生産設備の新設・増産計画が相次ぐ(約50万トン/年)
 ②ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)
 ③ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)
 ④微生物産生ポリエステル系(PHBV, PHBH)
 ⑤その他(デンプン系, PGA, PEST)
 2)非生分解性バイオポリエステル
 ①バイオポリエチレンテレフタレート(bio-PET)
 ・RenmatixのPlantrose®を用いたVirentのBioReforming プロセスによるバイオパラキシレンの生産が主流に!?
 ②ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)
 ③ポリエチレンフラノエート(PEF)
 ・化学構造…植物由来フランジカルボン酸(FDCA)から成るバイオポリエステル
 ・基本特性…PET対比で優れたガスバリア性と耐熱性
3-4.バイオポリアミド(bio-PA)
 ①ポリアミド11…最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
 ②ポリアミド10T
 ・化学構造…1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
 ・基本特性…超高耐熱性…Tg/Tm:160/314(℃), DTUL(1.8MPa)>300℃、低吸水率
  耐薬品性、耐摩耗性、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ
3-5.バイオポリカーボネート(bio-PC)
 ・化学構造…植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
 ・基本特性…光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック

4.質疑・応答



講師紹介
略歴
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
[専門]
高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
著書
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数