環境対策を考慮した技術開発のための
海洋プラスチック汚染問題正しい理解を踏まえた,
生分解性プラスチック基礎材料製品設計技術
【WEB受講可能】

海洋プラスチック汚染問題,生分解性プラスチックの分類・基本特性,
高性能・高機能化材料設計,成形加工技術,製品・用途開発の現状と課題について,
汚染問題の本質から製品設計・最新技術について詳しく解説する特別セミナー!!
講師
望月  政嗣 先生
工学博士(京都大学),高分子学会フェロー
元 ユニチカ(株) 理事  テラマック事業開発部長
日時

2020/5/27(水) 10:00 ~ 16:30

会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
講師
望月  政嗣 先生
工学博士(京都大学),高分子学会フェロー
元 ユニチカ(株) 理事  テラマック事業開発部長
日時 2020/5/27(水) 10:00 ~ 16:30
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
受講対象
・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する研究者、開発担当者、技術者(自動車・電気・電子 等)
・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野の経営者、事業企画担当者、マーケティング担当者
・プラスチックに関わる化学工業メーカ(樹脂・化学・化成品・添加剤・食品・化粧品 等)
・その他、プラスチックに関連する業界担当者(紙・繊維・商社 等)


予備知識
特に必要なし。


習得知識
1)海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの存在意義・役割
2)地球環境保全と資源循環型社会に向けての世界の法規制動向と基準認証制度
3)生分解性プラスチックの最新技術(材料設計と成形加工)・用途
4)生分解性プラスチックの製品開発動向


講師の言葉
 素材や製品の環境負荷低減効果に関して明確な根拠を示さずに誇大宣伝(虚偽やミスリード)をする
グリーンウォッシングが問題となっている。現下の海洋プラスチック汚染問題に関しても幾多のミス
リードが流布される一方、プラスチック製ストローから紙製への変換にみられるような科学的論拠に
乏しいすり替え論理も台頭しつつある。
 地球上に生命が誕生して38億年、これまで海洋には大量の流木・草本類が流れ込んでいるが、これら
は相当な時間をかけてマイクロチップ化を経て分解消滅していると考えられる。私達は、海洋プラ汚染
問題を解決する上で、海水中での分解速度の速さを競うような軽薄にして短小な論理から早期に脱却し、
自然界の叡智である天然の生分解性構造材料としての木材・草本類の植物細胞壁成分リグノセルロース
に学ばなくてはならない。
 本講は海洋プラ汚染問題の正しい理解を出発点に、今後期待される生分解性プラの基礎と材料・製品
設計技術について、これまで産学両分野で30年間有余基礎研究から技術・事業開発までの実績を有する
世界的第一人者による渾身のセミナーである。

プログラム

1.海洋プラスチック汚染問題と生分解性プラスチック
   1.1 海洋プラスチック汚染の実態
     1) 海洋中に流入する廃棄プラスチックの多い10河川や地域
     2) 魚、貝や鳥類、そしてプランクトンから無数のマイクロプラスチック
         → 食物連鎖の頂点に位置する人間の体内からも
     3) 犠牲の野生動物…毎年100万羽以上の海鳥と10万頭以上の哺乳動物、海亀
   1.2生分解性プラスチックの存在意義と役割
     1) 国連環境計画「生分解性プラはあまり役に立たない」…軽薄にして短小な論理
     2) 海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線…非生分解性プラスチックと生分解性プラの比較
     3) 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
     4) マイクロチップは太古の昔より存在した?…海洋に流入する流木等の草木類
     5) 紙製ストローもマイクロチップのかたまり!?
     6) 自然生態系が許容し得る生分解速度(ポジティブ・コントロール)
     …律速分子はセルロースではなくて、リグニン!?
  1.3生分解性プラスチックの海水中での分解挙動
     1) 温暖域表層海水中での分解挙動…PLA, PBS, PCL, PHBH
     2) 深層低温海水中での分解挙動…PCL,PHBH, PBS
  1.4海洋プラ汚染を回避するための総合対策
     1) 廃棄プラの分別収集と3Rの推進…ノルウェー、京都市
     2) ポイ捨て禁止の社会的規範や道徳の涵養
     3) 使い捨て製品や生ゴミ袋の生分解性素材への転換
     …北海道富良野市における有機性廃棄物のバイオリサイクル(堆肥化)事業との連携推進
     4) 農林・園芸・土木・水産資材等の生分解性素材への転換

2.地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
  2.1 自然生態系の摂理
     1) 地球上に生命が生まれて38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
     2) 自然界の高分子化合物は全て生分解性(土に、海に還る!)
     3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
  2.2 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
   1)“グリーンプラ”マーク…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
   2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
  2.3 持続的な資源循環型社会の建設のために
     1) 欧米グリーンガイド指針…biodegradableではなくcompostable
     2) バイオリサイクルによる再資源化…堆肥化又はバイオガス化
     3) Compostable(堆肥化可能)認証基準…EN13432, ASTM D6400他
  2.4 プラスチックや有機廃棄物に関する法規制や業界動向
     1) 法規制動向…欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の
    50%を生分解性に切り替える法規制を
     2) 世界ラーメンサミット「大阪宣言」…ラーメン容器を生分解性プラに変換

3.生分解性プラスチックの分類と基本特性
  3.1 生分解性プラスチックの分類,。メーカー、生産能力
     1) 硬質タイプ…ポリ乳酸(PLA)
     2) 軟質タイプ
       (1)ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)系
       (2)ポリブチレンサクシネート系(PBS, PBSA)
     3) その他…微生物ポリエステル(PHBV, PHBH)、PGA、デンプン系
  3.2生分解特性
     1) 生分解機構
      (1) 酵素分解型…surface erosion(表面から溶かされて行く)
      (2) 非酵素分解型(加水分解型)…bulk degradation(全体的に壊れて行く)
         ・PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する!
     2) 生分解挙動
      (1) 自然環境下(土中、海水中など)
      (2) バイオリサイクル条件下…好気性下(堆肥化)又は嫌気性下(バイオガス化)
  3.3 安全性/食品衛生性の認証基準…食品衛生法370号、ポリ衛恊、FCN、EU

4.生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計と成形加工技術
  4.1 基幹素材第二世代PLA…高L組成ポリ乳酸(high %L PLA)%D<0.5%
     1) D体共重合比(%D)が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
     2) 高L組成ポリ乳酸の改良効果…耐熱性、寸法安定性、強度、成形加工性
 4.2 PLAの高性能・高機能化材料設計技術
     1) 耐衝撃性…可塑剤、耐衝撃性改良剤、マルチ機能改質剤
     2) 耐熱性…造核剤、結晶化促進剤
     3) 透明耐熱性…溶解型核剤、結晶化促進剤 
     4) 耐久性(耐湿熱性)…加水分解抑制剤
     5) 寸法安定性(低熱収縮率)…結晶化促進剤
4.3 生分解性プラスチックの成形加工と製品設計指針
     1) 成形加工性とは?
     2) 成形加工分野…繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空・
        圧空成形、射出成形、発泡成形、ブロー成形
     3) 目的・用途別の材料・製品設計指針…数多くの製品写真を紹介
      (1) 自然環境下で短期間(1年前後)使用の農林・園芸資材
      (2) 自然環境下で長期間(3~5年)使用の農林・園芸・土木・水産資材
      (3) 使い捨て食器具、食品容器・包装材、生活雑貨・衛生資材
      (4) 通常環境下で長期間(3~5年)使用の生活雑貨、産業資材
      (5) 通常環境下で超長期間(5~10年)使用の耐久性構造材料

5.質疑応答(名刺交換)



講師紹介
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。
    この間,山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、
    京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務、
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。
    この間、日経BP技術賞その他受賞、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、
    (社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。

著書に「生分解性プラスチックの素材・技術開発」「バイオプラスチックの素材・技術最前線」、
      「生分解性ポリマーのはなし」、その他多数