受講形式 会場・WEB 受講対象 凍結乾燥食品、医薬品を扱う企業のR&D部門、技術部門、保全部門、製造部門、品質部門の初心者から既修者まで 予備知識 特に必要ありません。 習得知識 1)最新GMPの要請するPQS、QMS、CCSについて 2)凍結条件/乾燥条件設定時に知っておくべき基礎知識 3)凍結乾燥のスケールアップ時の留意点 4)洗瓶、滅菌、充填、巻締工程の留意点 5)凍結乾燥品の汚染防止対策 6)凍結乾燥工程のプロセスシミュレーションテストの手順 など 講師の言葉 同一仕様の凍結乾燥機に同一凍結温度/到達温度、乾燥温度/真空度を付与しても、微妙に乾燥所要時間や不良発生率に差が出る。その現象は設備規模を拡大したときに顕著に現れ、ラボスケールで設定した凍結乾燥条件では全く乾燥所要時間の再現性が得られないことがある。その他、商業生産施設では、実験室で考慮されることのない異物対策、交叉汚染対策への配慮も必要になる。 当講座は、演者が世界最大級の棚面積40㎡の超大型凍結乾燥機の開発、バリデーション、商業生産で経験したトラブル、対応策などの具体例を紹介するもので、他では聞くことのできない凍結乾燥担当者必修の内容である。
プログラム
1 PQS(医薬品品質システム)、QRM(品質リスクマネジメント)とは
1.1 21世紀に入り、GMPはルールベースからリスクベースへ
1.2 PQSは医薬関連事業者等の責務を達成するための活動
1.3 QRMはPQSを達成する手段
2 CCS(汚染管理戦略)とは
2.1 CCSでの検討例
2.2 時間経過によるリスク増という視点が必要
3 無菌手薬品に係る用語と要請される環境清浄度
3.1 無菌、無菌製剤、滅菌、消毒、除染、無菌操作、無菌区域などの定義
3.2 作業内容と要請される環境清浄度
4 凍結乾燥のおさらい
4.1 凍結乾燥の歴史
4.2 装置の概要
5 凍結乾燥条件の設定
5.1 予備凍結工程
5.2 過冷却現象
5.3 氷晶核形成の均質化策
5.4 凍結(完全固化)温度を知る
5.5 一次乾燥工程の留意点
5.6 熱伝達の3タイプ
5.7 外部輻射入熱対策
5.8 マイクロ波による乾燥例
5.9 二次乾燥工程の留意点
5.10 残留水分の測定
5.11 乾燥終点の確認法
6 演者の凍結乾燥事例
6.1 抗生物質の凍結乾燥事例
6.2 凍結膨張で瓶破損する薬物の凍結乾燥事例
6.3 -40℃程度で凍結しない薬液の凍結乾燥事例
6.4 蛋白製剤の凍結乾燥事例
7 凍結乾燥時間の短縮法
7.1 濃度の適正化
7.2 容器・栓デザインの影響
7.3 その他の凍結乾燥時間の短縮実験例
8 大型凍乾機で生じる問題
8.1 瓶間で凍結開始がばらつく
8.2 大型機では庫内打栓で問題が生じる
8.3 扉開閉による乱流発生と庫内結露
8.4 汚染空気の庫内流入(リーク)リスク
8.5 設備構造に由来する汚染リスクと故障リスクへの対応
8.6 庫内滅菌方法
9 関連工程での留意点
9.1 容器の洗浄・滅菌工程の留意点
9.2 充てん工程の留意点
9.3 巻締工程の留意点
10 凍結乾燥のプロセスシミュレーションテスト(PST)と事前の留意点
10.1 ヒトがいれば発塵する
10.2 環境モニタリングデータの問題点
10.3 PSTでの留意点
10.4 PSTの実施要領
質疑・応答
講師紹介
略歴
元塩野義製薬株式会社製造本部次長
経口剤および注射剤の工業化検討、バイアル凍結乾燥製剤製造棟の構築、アンプル剤および点眼剤製剤包装棟の構築と製造責任者、国内外関連会社への技術支援業務に従事。
バリデーション関連書籍など多数執筆。