1.塗膜形成の基礎(濡れの不確定要素を見極める)
・コーティング技術と産業
(5G対応、IoT,エレクトロニクス、自動車、電池、化成品等)
・表面張力、動粘性、溶解性パラメータ、相分離、共沸点、混合溶媒
(塗工液の最適化)
・濡れのピンニング性とは(濡れトラブルの主要因)
・基板材質の差による濡れ(Cassieの式を使いこなす)
・基板の凹凸による濡れ(Wenzelの式を使いこなす)
・時間変化による濡れ(Newmanの式を使いこなす)
・疎水化と親水化(シランカップリング処理と酸素プラズマ処理)
・表面エネルギーと濡れ性(エネルギーで塗布現象を表す)
・ドライ中の濡れ・付着を解析する(Young-Dupreの式を使いこなす)
・ウェット中の付着/浸透性を解析する (拡張係数S, 洗浄、気泡除去)
2.各種コーティング法の原理とコントロールポイント
・ダイ・コンマ・マイクログラビアコーティング(高精度化のポイント)
・スピン、スリット、ディップ、バーコート、スプレー、インクジェット
・シミュレーション技術(ノズル塗布、スピンコート、平坦性、ピンホール応力)
3.塗膜の乾燥メカニズムと高品質化(乾燥のツボを抑える)
・濃度差拡散(塗膜内の溶剤移動を支配する)
・蒸気圧(乾燥を促進する環境設定)
・ラプラス力制御 (塗膜の凝集性の発現)
・乾燥装置の最適化の要因 (乾燥曲線とは)
・加熱乾燥、赤外線乾燥(比熱、熱容量、熱伝導)
4.塗膜の膜質評価法(表面・内部・基板界面の解析)
・塗膜の応力歪み(S-S曲線、降伏点、結晶化、熱歪み)
・乾燥・凝集性の膜内深さ分布(DPAT法、表面硬化層)
・誘電特性解析(低誘電率・低誘電正接、5G/beyond-5G)
・機能性付与とは(防曇、防汚、防錆、ワイピング、帯電防止)
5.ナノ粒子コーティング
・産業応用(二次電池、電極ペースト、アンダーフィル、フィラー)
・ナノ粒子ペーストの性質(濡れ性、ゼータ電位、粘性)
・ナノ粒子間の相互作用(Derjaguin近似、Herz理論、凝集配列)
6.トラブル対策(発生原因を特定し解決・防止策を見極める)
・ピンホールの抑制方法(はじき、拡張濡れ法)
・乾燥ムラの発生メカニズム (色むら/端面盛り上がり)
・膜剥離の防止法 (膨れ・ガス発生)
・クラックの抑制 (多層膜の応力ミスマッチ)
・環境応力亀裂 (ソルダーレジストの白化)
・フラクタル粘性指状(VF)変形(ギャップ内の塗工不良)
・テープの粘着性と剥離機構(応力集中と緩和機構)
7.参考資料
・塗膜トラブルQ&A事例集(トラブルの最短解決ノウハウ)
・表面エネルギーによる濡れ・付着性解析(測定方法)
8.質疑・応答
日頃の開発・トラブル相談に個別に応じます。
講師紹介
略歴
三菱電機(株)ULSI研究所にて10年間勤務し、電子デバイス開発・試作・量産移管・歩留り・工場管理の業務に従事し、高精度なコーティングおよび表面処理技術開発に従事した。
その後、長岡技術科学大学にて勤務し、機能性薄膜、表面界面制御、ナノデバイスなどの先端分野の研究を実施してきた。(現在、名誉教授)
各種論文査読委員、NEDO技術委員、国および公的プロジェクト審査員などを歴任。
現在、アドヒージョン(株)代表取締役社長を務める。
著書33件、受賞多数、原著論文166報、国際学会124件、特許多数、講演会200回以上、日本接着学会評議員、応用物理学会会員、産学連携・技術コンサルティング実績150社以上