接着トラブルの未然防止と解決のための
接着不良未然防ぎ信頼性高い接着行うための必須知識強度耐久性評価設計法(2日間講座)【WEB受講可能】
1日目(10:00-17:20):接着の必須知識と勘どころおよびトラブル対策≪基本編≫ 
2日目(10:00-17:20):劣化のメカニズムと評価のポイント・寿命予測法、強度設計法、安全率の定量化法およびトラブル事例≪実践編≫ 
講師の名刺提供有り・個別質問対応可能(WEB受講者含)

講師
(株)原賀接着技術コンサルタント 専務取締役 首席コンサルタント 工学博士 原賀 康介 先生
元  三菱電機(株)研究所。接着接合技術の研究・開発に従事,主管技師長、技術顧問等を経て現在に至る
49年間にわたって機器組立に接着剤を活用し高信頼性接着技術を構築してきた接着の耐久・信頼性の第一人者
日時
2022/9/27(火)10:00〜 2022/9/28(水)17:20
会場
TH企画セミナールームA
会場案内
受講料 (消費税率10%込)1名:77,000円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:71,500円            ★1日のみ受講の場合:受講料(消費税率10%込)1名:49,500円 同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト
講師
(株)原賀接着技術コンサルタント 専務取締役 首席コンサルタント 工学博士 原賀 康介 先生
元  三菱電機(株)研究所。接着接合技術の研究・開発に従事,主管技師長、技術顧問等を経て現在に至る
49年間にわたって機器組立に接着剤を活用し高信頼性接着技術を構築してきた接着の耐久・信頼性の第一人者
日時
2022/9/27(火)10:00 〜 2022/9/28(水)17:20
会場
TH企画セミナールームA
会場案内
受講料 (消費税率10%込)1名:77,000円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:71,500円            ★1日のみ受講の場合:受講料(消費税率10%込)1名:49,500円 同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト
受講形式
会場・WEB(Zoomセミナー)
会場受講の場合でも、講師はサテライト会場よりリモートにて登壇します。
※本講座は2日間受講を原則としますが、1日目のみ、2日目のみの受講も可能です。

受講対象 
1日目受講対象者 
・部品や機器の組み立てに接着を用いる設計・生産・品質関係技術者
・接着不良の対策や未然防止、現状の改善、最適化のために、接着の基本的な知識、ノウハウ、押さえるべきポイント、設計指針などの習得を必要としている技術者
・接着の基礎固め、知識の再確認、知識の深掘りなどをしたい技術者
・化学面や接着の知識に詳しくない技術者 
2日目受講対象者 
・業務上で接着に関するトラブルを抱えている技術者
・強度面での信頼性で困っている技術者
・接着に関する知識の再確認や深掘りをしたい技術者など


予備知識 
特に必要ありません  


習得知識 
1日目習得知識 
1)高信頼性・高品質接着の目標値と考え方     
2)接着のメカニズムと接着特性・信頼性の向上策  
3)内部応力の発生メカニズムと影響因子、低減法  
4)接着の設計・施工におけるポイント、トラブル防止策 
5)接着剤の種類と特徴、使用上の注意点、選び方
 
2日目習得知識 
1)劣化のメカニズムと耐久性評価試験のポイント 
2)長期耐久性の寿命予測法 
3)高信頼性・高品質接着の設計基準(設計法) 
4)耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法
5)接合の特性・信頼性の向上とコスト低減を両立する複合接着接合法
6)信頼性、耐久性、寿命、安全率に関係するトラブル事例
 
1日目・2日目共通
※17:30頃から1時間程度個別質問をお受けいたします。WEB受講の方もブレイクアウトルームを利用し受付可能です。個別相談のお一人当たりの時間は相談者の人数により変わります。また、質問の順番は事務局にて決めさせていただきます。
※セミナーに関するメールでの技術質問は、無料・無期限で受け付けます。
※会場受講の方には当日講師の名刺を配布します。WEB受講者の方にはテキスト送付時に講師の名刺を同封します。


講師の言葉    
 このセミナーは、一貫して「接着不良の未然防止と接着信頼性の向上」を目的としてきた「接着剤を使う立場」からの他に類のないセミナーで、モノづくりに接着を使用する機器製造企業の技術者は勿論、接着剤メーカーの技術者にも好評を博しています。人工衛星、車両・インフラ・産業用機器、精密機器から家電品まで大手電機メーカーで高信頼性接着を実現してきた講師が、単なる「接着の知識」の説明ではなく、「高信頼性接着を実現するための考え方と具体的手法」を、豊富な経験と実績によって構造・機能設計、生産技術、材料面から接着工学的に論理的にわかりやすく説明するものです。    
 本セミナーでは、接着剤を使う立場からの疑問点や課題、解決策を論理的に体系付けてわかりやすく説明するので、「単なる基礎知識の習得」ではなく、「高信頼性接着を達成するための具体的手法と考え方」を習得することができます。これから接着に携わる初心者から、品質・機能を追求されるベテラン技術者まで、それぞれのレベル、目的にマッチした「考え方」を習得できます。    
 なお、必要な知識は、接着材料関係企業と部品・機器組立企業では大きく異なります。本セミナーでは、部品・機器組立てに必要な知識と実践的な技術に焦点を当てて、必要にして十分な講義を行ないます。

【1日目<基本編>概要】
第1章では、信頼性の基礎と開発時に最低限達成しなければならない高信頼性接着の目標値を明確にわかりやすく説明します。第2章では、接着のメカニズムをわかりやすく説明し、その原理がどのように信頼性に結びついているのかの考え方を示すと共に、どうすれば接着特性や信頼性を向上できるかまで説明します。第3章では、さまざまな接着不良を引き起こす内部応力の種類と発生メカニズムと低減策を、第4章では、知らないためにトラブルに至ってしまう設計・生産段階における接着の勘どころとトラブル対策を説明します。第5章では、接着剤の選定に必要な接着剤の分類方法と、カタログに書かれていない各種接着剤の使用上の注意点を説明します。
テキストの他に、解説図書として「高信頼性接着の実務(原賀康介著:日刊工業新聞社刊)」を配布します。









【2日目<実践編>概要】
接着接合は部品組立における重要な要素技術であるが、長期耐久性を正確に予測する方法は確立されておらず、接着接合を製品に適用する際、「何年もつか」ということが常に議論される。「実際に使ってみなければわからない」というあいまいな状態で接着接合を採用するわけにはいかない。接着接合物の安全性、信頼性を保障できるデータ的な「裏付け」としっかりとしたストーリーが必要である。
<実践編>では、接着接合物の長期信頼性保証のために必要な、劣化のメカニズムと評価のポイント、長期接着耐久性の寿命予測法、ばらつきや劣化、内部破壊などを考慮して簡易に必要な初期の平均強度を見積もる設計法(Cv接着設計法)、最適設計を行うための耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法などを、講師がこれまでに行ってきた豊富なデータに基づいてわかりやすく解説するとともに、信頼性、耐久性、寿命、安全率に関連するトラブル事例を説明します。 テキストの他に、解説図書として「高信頼性を引き出す接着設計技術(原賀康介著:日刊工業新聞社刊)」を配布します。
 

プログラム

◆1日目プログラム◆
1.高信頼性・高品質接着の作り込みの必須条件と目標値
 (1)高信頼性・高品質接着とは
 (2)開発段階での作り込みの目標値
  ①凝集破壊率をどのくらいにすべきか
  ②ばらつき(変動係数)をどの程度に抑えるべきか
  ③接着強度を破断強度で考えず内部破壊で考える
  ④接着強度の分布の最適な形は何か

2.接着のメカニズムと目標値達成のための方法
 (1)接着の過程
 (2)接着のメカニズム
  ①分子間力
  ②必要な分子間の距離をどう確保するか
 (3)分子間力を左右する表面張力
  ①各種材料の接着のし易さと表面張力
  ②必要な表面張力はどのくらいか、測定法は
 (4)表面張力を高くする表面改質
  ①目的
  ②表面改質法
  ③改質メカニズム
  ④改質事例
  ⑤改質時の湿度の影響
  ⑥改質後の接着可能時間
 (5)プライマー、カップリング剤処理の効果と注意点
 (6)表面粗面化の効果とマイナス効果
 (7)接着の脆弱箇所(アキレス腱)はどこか

3.接着の機能・特性を損なう「内部応力」の発生メカニズムと影響諸因子、低減法  
 (1)内部応力で生じる不具合
 (2)内部応力の種類
  ①硬化収縮応力(接着剤の硬化時に発生)
  ②熱収縮応力(加熱硬化後の冷却時に発生)
  ③熱応力(使用中の温度変化により発生)
  ④吸水膨潤応力
 1)接着剤の吸水膨潤応力
 2)被着材の吸水膨潤応力
  ⑤被着材の変形による応力
   1)被着材料内部の温度むらによる変形応力
   2)接着時の加圧によるスプリングバック力
 (3)接着剤の粘弾性特性と応力緩和
 (4)異種材接着における内部応力による不具合
  ①各種の変形のモード
  ②勘合接着における不具合
 (5)内部応力に影響するその他の因子
  ①接着部の構造
  ②接着剤の塗布量、塗布位置
  ③接着剤の物性、部品の厚さ(剛性)
  ④接着剤の短時間硬化、後硬化
 (6)内部応力の評価法
 (7)接着層の内部応力の低減策

4.接着剤の選定、最適な設計・施工に必要なポイントとトラブル防止策
 (1)必要な接着強度の種類
 (2)接着剤、粘着剤の硬さ、伸びと各種強度の関係
 (3)カタログの落とし穴
 (4)粘弾性特性
 (5)ガラス転移温度Tgと接着強度
 (6)接着剤の粘度と揺変性
 (7)接着層の厚さと各種強度の関係
 (8)接着層の厚さ基準での設計・施工
 (9)接着剤の硬さと応力集中
 (10)クリープを防止する構造
 (11)接着剤のはみ出しの影響
 (12)塗装に適した材料が接着にも適するとは限らない
 (13)気泡を巻込まない接着剤の塗布方法
 (14)最適な加圧力とやってはいけない加圧の注意点

5.接着剤の種類と特徴、使用上の注意点と選定方法
 (1)接着剤の分類法
 (2)構造用接着剤の種類と特徴、使用上の注意点
  ①エポキシ系接着剤 ②ウレタン系接着剤 ③アクリル系接着剤(SGA)
 (3)エンジニアリング接着剤の種類と特徴、使用上の注意点
  ①嫌気性接着剤 ②光硬化型接着剤 ③瞬間接着剤
 (4)柔軟性接着剤の種類と特徴、使用上の注意点
  ①シリコーン系接着剤 ②変成シリコーン系接着剤 ③両面テープ
 (5)接着剤の選び方
  ①欠点からの消去法による選定方法
  ②作業・管理のポイントからの絞り込み

6.個別質問 17:30頃から1時間程度
 
 
◆2日目プログラム◆
1.接着劣化のメカニズムと評価のポイント 
 (1)接着接合部における劣化箇所
 (2)代表的劣化要因
 (3)接着劣化のメカニズム
  ①熱劣化における3つの劣化モード
  ②水分劣化における4つの劣化モード
  ③継続荷重によるクリープ劣化、粘弾性特性
  ④ヒートサイクル、ヒートショック劣化の要因
 (4)耐久性評価における注意点(試験片と製品での差異)
  ①水分劣化における接着部の形状・寸法の影響
   1)S/Lパラメーターの影響
   2)Fickの拡散の法則と接着部の水分濃度の変化
   3)細長い接着部の幅と劣化速度の関係(幅の比の二乗則)
   4)水分濃度と接着強度の関係
  ②吸水後の乾燥による接着強度の回復性
   1)劣化モードによる致命的損傷と非致命的損傷
   2)致命的損傷だけの評価方法
  ③応力と水分による複合劣化
 (5)冷熱サイクル試験における注意点
 (6)耐久性評価試験の種類と加速試験条件の決め方

2.接着耐久性の長期寿命予測法
 (1)寿命予測を行う時の鉄則
 (2)長期熱劣化の予測法
  ①アレニウス法による予測法
  ②ガラス転移温度と予測結果の尤度の関係
 (3)長期水分劣化の予測法
  ①アレニウス法による予測法と結果の尤度
  ②Fickの拡散の法則を用いた水分濃度分布からの推定法
 (4)長期屋外暴露劣化の予測法
  ①アレニウス法と乾燥可逆性からの推定法、実験値との比較
 (5)クリープ耐久性の予測法
  ①応力負荷の簡易治具
  ②温度/時間換算による推定法
  ③Larson-Millerのマスターカーブ法による推定法
 (6)疲労耐久性の予測法

3.接着の特性・信頼性の向上とコストダウンを両立させる『複合接着接合法 』
 (1)複合接着接合法とは
 (2)代表的な複合接着接合法
  ①ウェルドボンディング
  ②リベットボンディング
  ③メカニカルクリンチングとの併用
  ④セルフピアスリベットとの併用
  ⑤その他
 (3)接着剤と他の接合法の役割の分担
 (4)複合接着接合法の諸特性
  ①静的せん断強度
  ②接着強度のばらつきの低減
  ③薄板での剥離強度の改善
  ④破断に対する冗長性(破壊エネルギー)の向上
  ⑤高温における接着強度の向上
  ⑥疲労耐久性の向上
  ⑦クリープ耐久性の向上
  ⑧応力負荷状態での接着部の耐水性の向上

4.設計許容強度と接着部の必要強度、必要Cv値を簡易に見積もる『Cv接着設計法』
 (1)『Cv接着設計法』とは
 (2)『Cv接着設計法』の構成要素と考え方
  ①接着部に加わる力と発生不良率
  ②許容不良率、工程能力指数、信頼性指数
  ③変動係数Cv と ばらつき係数d
  ④劣化による接着強度の低下とばらつきの増大
  ⑤内部破壊係数
  ⑥接着強度の温度依存性
  ⑦安全率
 (3)設計基準強度と設計許容強度の算出式
 (4)初期に必要な平均接着強度・面積と変動係数の見積り例

5.最適設計のための『耐用年数経過後の安全率の尤度の定量化法』
 (1)この評価法の適用の目的と前提条件
 (2)接着強度の経年変化の概念と実効接着強度、最大負荷力の関係
 (3)耐用年数経過後の安全率の尤度の算出法
  ①評価のプロセス
  ②クリープや疲労などの応力劣化を伴う場合の算出式
  ③一時的な静荷重だけが負荷される場合の算出式
  ④複合劣化係数の求め方
  ⑤耐用年数経過後のばらつき係数の求め方
 (4)耐用年数経過後の安全率の尤度の算出事例
  ①接着部の要求条件と評価条件への落とし込み
  ②加速劣化試験条件の最適化の例
   1)ヒートサイクル
   2)熱劣化
 (5)安全率の尤度の再配分の例
  ①信頼度の向上(許容不良率の低減)
  ②作業性の改善

6.信頼性、耐久性、寿命、安全率に関係するトラブル事例
 (1)ばらつきを考慮せずに平均値で設計した
 (2)トラブル品での発生不良率の見積り
 (3)水分の乾燥による接着強度の回復を考慮しなかった
 (4)クリープが加わっている状態に気がつかなかった 
 (5)その他

7.個別質問 17:30頃から1時間程度


講師紹介
略歴
総合電機メーカーで、49年間にわたって、宇宙用機器、公共用機器、産業用機器、民生用機器などにおいて構造物から電子部品にいたるまで、高信頼性・高品質接着を開発、適用してきた国内でも稀な接着適用技術者で、接着の耐久性・信頼性の第一人者である。

現在の委員等:・接着適用技術者養成講座 講座長(日本接着学会 構造接着・精密接着研究会)
       ・接着技術者スキルアップ講座 講座長(日本接着学会 構造接着・精密接着研究会)
       ・日本接着学会 構造接着・精密接着研究会 役員 ほか

著書:・「わかる!使える!接着入門<基礎知識><段取り><実作業>」
   ・「高信頼性接着の実務-事例と信頼性の考え方-」
   ・「高信頼性を引き出す接着設計技術-基礎から耐久性、寿命、安全率評価まで-」
   ・「自動車軽量化のための接着接合入門」(いずれも日刊工業新聞社刊)
   ・その他、共著書籍多数