ヒューマンエラーを起こさないための
ヒューマンエラー防止に必要なSOP/製造指図記録書の記載のポイントと記載事例
~ヒューマンエラーの原因と防止事例~
ヒューマンエラーの原因,医薬品製造所の実例,SOP/製造指図記録書作成の注意点/事例/改定,
GMP基準の上乗せ基準について解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生
エーザイ(株)にて品質管理/品質保証に30年勤務を経て、現在に至る。他2社の顧問を兼務。
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
1)ヒューマンエラーがなぜ起きるか。ヒューマンエラーの管理をどうするか。
2)実際のヒューマンエラーの実例(過去の大事故&製造所のエラー)の紹介。
3)作業者ミスを防ぐためのSOP作成、製造指図記録書の工夫などの紹介により、ヒューマンエラーをコントロールする。
4)多くの失敗からたどり着いた医薬品製造システムの設計思想を知る。
講師の言葉
ヒューマンエラーが何故起きるかを理解することが第一歩です。ヒューマンエラーをゼロにすることは不可能です。 重大なエラーが起きないようにすることは可能です。その方法について説明します。過去の大きなエラーの事例を 紹介するとともに、実際の製造所で起きたエラーを紹介し、どこに問題があったかを説明します。 先ずはエラーを知ることが防ぐための第一歩になります。それを受けて作業者ミスを低減・防止するため、 SOP作成や製造指図書の書き方の注意すべきポイントなどについて紹介します。ヒューマン・エラーを防止するための 製造設備の設計思想(GMP上乗せ基準)も紹介します。
プログラム
1.ヒューマンエラーはどうして起きるか 1)人 2)方法 3)環境/設備 4)マネイジメント 2.エラーの具体例紹介 1)過去の大事故から学ぶ (1)トレーサビリティの不備&知識不足が引き起こした食中毒 (2)ルール無視を放置したことによる船建設中の大火災 (3)人のミスと見えて実は背景にミスを引き起こしやすい背景があった飛行機ニアミス (4)SOPミスによるトンネル内火災事件と反省を次に生かす (5)知識不足とルール違反が引き起こした臨界事故 (6)人に優しくしないことが引き起こした列車脱線事故 (7)津波による原発事故の想定外と片付ける危険 (8)設計段階でリスクをどれだけ低減するか 2)医薬品製造所における実例 (1)ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている(製品苦情) (2)原薬の中に,ガラス異物が何個か見つかった(逸脱) (3)注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に他社製品のフリップキャップが見つかった(逸脱) (4)品質再評価の試験方法が,1/12個アウトにでている(新規試験方法設定) (5)他社製品の自社への販売移管時の品質評価(導入時の品質評価) (6)ドリンク剤(食品)の栄養成分表示ミスが見つかった(問い合わせ) (7)中国査察時に製造販売承認書に記載されていない原薬製造所で異物除去 (製造販売承認書からの逸脱) (8)製造販売承認書からの逸脱(一変事項の個所だが品質には影響しない) (9)処方成分でないものを製造工程で使用していることが判明 (レギュレーション厳格化への対応) (10)ある製品のOOSが何度も発生している(当局査察時のリスクと収去時のリスク)他 3.エラーと違反の違い 1)エラーにはミスと故意がある 2)ミスと故意への対応の違い 4.SOPと記録 1)SOPと製造指図記録書 2)MPR/BPR 5.SOP/製造指図記録書の目的 1)定められた方法でミスなく作業できる(手順)。 2)製造に必要な項目のトレーサビリティが可能である確認を盛り込む(記録)。 6.SOP/製造指図書作成の注意点&事例紹介 ①重要な項目はダブルチェック ②ダブルチェックする項目を明確にしサインをすることにより責任を明確にする。 ③記録は必ずダブルチェックする。 ④記録はその都度記入する。 ⑤計量などの重要な項目はプリントアウトさせる。 かつ記録のすぐ近くに貼付欄を設ける。 ⑥重要な項目はレ点ではなく記入させる。 ⑦表示物の計数管理は引き算をしない。 ⑧ラベルなどは廃棄するものを台紙に貼付して後日問題があった時に トレースできるようにする。 ⑨現場の作業者に計算させるようなSOPにしない。 ⑩現場の計測器の単位とSOPの単位は一致させる。 ⑪現場の作業指示書/作業カードも文書管理を行う。 ⑫作業カード等に写真など視覚情報を掲載する。 等 7.SOP/製造指図記録書の改定の重要性 1)SOP/製造指図記録書は生き物であり、常に改善を繰り返す 2)改定時は作業者に無理を強いない 3)作業者の声を反映させる 4)「なぜかミスをしない人の思考法」 中尾政之著より 8.GMP基準への上乗せ基準(製造で品質を造り込む) 1) ラインで薬機法違反を造らない(フェール・セーフの考え) 2) 表示資材はラインでバーコード管理(異種品の全数保証) 3) 金属は粉と成形で二度検査 4) 直接薬剤に接する資材の異物対策 5) 師過可能な原料は師過/ろ過する 6) 外観のビデオ検査 7) 異種品のラインでの検出
