
基本メカニズムを理解し,防音対策の意義を瞬時に見抜く能力を養うための
機械・構造物の騒音発生機構と騒音防止技術
騒音発生メカニズム,吸音と吸音材料,遮音と遮音材料,制振と制振材料,消音と消音器,
音響概念について事例を基に波動現象をモード解析の立場から解説する特別セミナー!!
- 講師
関西大学 システム理工学部 機械工学科 教授 博士(工学) 宇津野 秀夫 先生
(株)神戸製鋼所 機械研究所で機械の振動低減業務に従事の後,京都大学准教授を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
騒音もしくは振動に関して、基礎的な知識を有していることが望ましい
習得知識
1)基本的な騒音発生メカニズムの理解
2)古典的な騒音防止技術の修得
3)圧縮機を対象とした騒音対策手法の修得
4)吸音材料の吸音メカニズムの理解と高度な使用方法の修得
5)制振材料の制振メカニズムの理解と高度な使用方法の修得
6)遮音材料の遮音メカニズムの理解と高度な使用方法の修得
7)消音器の消音メカニズムの理解と高度な使用方法の修得
8)板振動放射音のメカニズムの理解
講師の言葉
講師が機械メーカで20年間に体験した事例を基に、大学に移って「腑に落ちる」まで整理した 音響メカニズムの解説がポイントになります。 基本的な騒音発生メカニズムと、古典的な騒音対策手法を概説した上で、伝搬経路対策で利用する吸音、 遮音、制振、消音の基本概念を、音響工学における「胡散臭さ」を一切排除して、解説します。 基本メカニズムを理解することで、“防音対策の意義”を瞬時に見抜く能力を養って頂けたら幸いです。 数値解析手法は取り上げないので、詳細設計に役立つ計算手法を紹介する講習ではありません。 また建築音響のように統計的な立場ではなく、波動現象をモード解析の立場から合理的に説明する 講習となります。
プログラム
Ⅰ 騒音の発生機構 1.機械的な加振(衝撃力、荷重変動、摩擦) 2.流体力学的な加振(流量変動、圧力差、渦、乱流) 3.音源対策(機械的な加振力の抑制) 4.音源対策(流体的な加振力の抑制) Ⅱ 容積型圧縮機の音源対策事例 1.容積変動と圧力変動 2.圧力差と圧力変動 3.圧縮機筐体の振動特性 Ⅲ 機械騒音の伝搬経路対策の概説 Ⅳ 音の基本的な性質 1.周波数と波長の関係 2.音速と粒子速度 3.波動方程式の導出 4.音速の定義 5.直方体音場の共鳴周波数の個数 6.古典的な閉空間の騒音予測手法 Ⅴ 吸音と吸音材料 1.粘性抵抗と吸音率 2.多孔板による吸音 3.吸音音場の解析 Ⅶ 遮音と遮音材料 1.透過損失 2.音圧による板振動の励振」 3.板振動による音圧放射 Ⅷ 制振と制振材料 1.減衰を表す指標 2.拘束型制振材料の制振性能予測技術 3.制振材料の使用例 Ⅸ 消音と消音器 1.消音性能の指標 2.リアクティブ形消音器 3.吸音形消音器 Ⅹ 音響概念の腑に落ちる説明 1.音響放射インピーダンス 2.複素密度 3.音響放射効率 4.透過損失
講師紹介
1980年 名古屋大学航空学科卒業 1982年 東京大学大学院航空工学専攻修士課程修了 1982年 ㈱神戸製鋼所機械研究所にて、機械の振動騒音低減業務に従事 2003年 京都大学機械理工学専攻准教授 2011年 関西大学教授 日本機械学会フェロー会員、日本音響学会会員、日本騒音制御工学会会員