課題解決、品質向上、技術向上のセミナーならTH企画セミナーセンター

電子機器単体からシステムに至る迄EMC性能を確保するための

パワーデバイスを含めた車載電子機器のEMC対応技術

車載電子機器からシステムに至るまでのEMC性能を確保するのに必要な設計上のポイントについて事例を交えて解説する特別セミナー!!

講師

株式会社クオルテック EMC技術研究室 室長 工学博士 前野 剛 先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

Googlemapでの表示はこちら

受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

その都度説明しますので、現役の技術者の方であれば特に問題ありませんが、
予備知識として大学学部程度の電磁気学と電気回路学があればよりベター。

習得知識

1)車載電磁環境に関する基礎知識
2)電子機器そのものにおけるEMC性能を向上させるための設計のポイント。
3)電子機器の車載化する際にEMC性能向上させるための設計のポイント。
4)車載電子機器のEMC-DRを行なう際にレビュアとして必要な基礎知識。

講師の言葉

 現代の自動車では狭い車体内部に夥しい数の電子機器類が高密度でかつ複雑に分岐したワイヤハーネスを
介して搭載されており、EMC問題の解決は難しくなる一方であります。 また電動車両の普及などによる雑音源の
増加もあり、更に自動運転化に備えてより確実なEMC性能向上が求められていきます。
 また、電子機器単体でのEMC性能を確保することが大前提ではあるものの、車載電子機器は自動車に搭載・
接続されて初めてシステム製品として成立するわけでもあり、このような環境においてEMC性能を確保するためには
システム的な考察をしながら電子機器の設計を行う必要があります。
 ここでは、これらへの対処法について車載システムから回路基板や筐体~その他周辺材に至るまで事例を
おりまぜながら解説いたします。また、事例によってはそこから引き出された事実をもとに実験・シミュレーションなどを
併用し、そこで起きていることに対して極力物理的かつ普遍的な形で解説いたします。
 本講座では、車載電子機器からシステムに至るまでのEMC性能を確保するための設計上のポイントについて
ご理解いただき、同時に、EMCに関するDRの際のレビュアとして必要な知識も習得していただくことを目標としております。

プログラム

1. 車載電気電子システム概要
 €1.1. 車載電気電子システムの現状と将来動向概要
 €1.2. 車載電気電子システムを取り巻くEMC環境概要
 €・自動車の外部環境と内部環境
 €・EMCの目でみた自動車の車体構造の特徴
 €・EMC規制と試験の概要
 €・車載電気電子機器のEMC性能評価と課題
2. 車載化においてEMC性能を確保するためのアプローチ
 €2.1. 車載電子システムから発生する低周波と高周波の雑音およびその特徴
 €2.2. 自動車内での雑音電流の流れ
 €・コモンモード雑音電流とノーマルモード雑音電流の車両内での流れ
 €・電子機器からの放射とワイヤハーネスからの放射の比較
 €2.3. 機器設計のポイントと車載化における設計のポイント
3. EMC性能を確保するための電子機器の設計
 €3.1. ノーマルモード雑音電流の低減
 €・車載電子機器から流出する雑音電流の低減事例と考察
 €3.2. 回路基板の設計
 €・配線における電力伝送の物理的考察 ~回路基板パターンとは何者か~
 €・回路基板への雑音電流流入出に配線間クロストークが及ぼす影響
 €・配線間クロストークの種類とそれぞれの要因の影響の考察
 €~電磁誘導結合、容量結合、およびグラウンドバウンスに対する評価~
 €・グラウンドパターンに設けるスリットの是非
 €・信号配線パターンの引き回しとガードトレースの効果
 €・高周波小信号回路と低周波大電力回路の同居
 €・大型片面基板におけるEMS性能の向上事例
 €3.3. 素子の選定と使用上の注意事項
 €・マイクロコンピュータからの流出雑音電流の低減事例
 €・デカップリング用デバイスの考察
 €3.4. コモンモード雑音電流の低減
 €・放熱を必要とする素子の取り扱い
 €・コモンモード雑音電流の流入出を抑える筐体構造
 €3.5. 金属板による電磁シールド
 €・金属材料によるシールドの原理
 €・金属板の電磁シールドの効果
4. 自動車への搭載状態におけるEMC性能の確保
 €4.1. 自動車内の搭載場所に関わる環境への配慮
 €・高周波システム間でのクロストークの対策事例と考察
 €・電磁誘導による妨害対策事例と考察
 €4.2. コモンモード雑音電流を発生させるシステム構成と対策
 €・コモンモード雑音電流によるEMIとEMSの対策事例と考察
 €・コモンモード雑音電流に対するデカップリング
 €・電動車両のシステム構成例とそのコモンモード雑音経路の考察
 €4.3. 配線材の検討
 €・ワイヤハーネスと電子機器とのインピーダンス整合を避ける設計
 €・対雑音性を考慮した配線材
 €・シールド線の遮蔽原理と原理に応じた取扱い
 €・ワイヤハーネスの配索
5. EMC性能を確保するための設計手順とDR

講師紹介

 略歴:
 1972年3月 東北大学工学部 通信工学科 卒業
 2009年3月 名古屋工業大学大学院工学研究科博士後期課程 修了
 1972年4月 株式会社デンソー入社
 車載電子機器の開発・量産化に従事した後、携帯電話/自動車電話の品質保証部長を務め、その後EMC担当部長として
 EMC全社統括に従事.
 2008年8月 定年退職、その後、再雇用され嘱託社員としてEMCに従事.
 2012年9月 株式会社クオルテックに入社~現在に至る.

 著作:
 EMC用語辞典(共著),中部エレクトロニクス振興会,2010年9月刊行.

 所属学会: 電気学会,電子情報通信学会,自動車技術会,各会員.

 協会活動: 一般社団法人日本能率協会 企画委員会 委員
 (活動)テクノフロンティアにおける自動車EMC分野のセミナーの企画