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ゴムの摩擦・摩耗問題解決のための

ゴム独自の構造と表面が生み出すゴムの摩擦と摩耗の特殊性と制御

ゴム独自の網目構造と表面特性,ゴムの粘着性表面が生み出す摩擦の特異性と
  ゴム製品の摩擦現象と対策,ゴム摩耗の理解と対策について解説する特別セミナー!!

講師

ロンドン大学 クイーンメリーカレッジ Visiting Academic 深堀 美英 先生 PhD(工博)
  (株)ブリヂストン,(株)一条工務店を経て現職

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

特になし

習得知識

1.ゴムの摩擦特性
2.ゴムの摩耗特性とゴムの対摩耗性改良
3.ゴム製品の摩擦制御

講師の言葉

 泥沼的な研究や開発に陥りやすいゴムの摩擦と摩耗を正しく理解し、適切な対策を立てるために、
 ①最初に摩擦現象と直結するゴム独自の網目構造とその表面特性について、トライボロジーの基礎を説明する。
 ②次にゴムの粘着性表面が生み出す摩擦の特異性を説明し、各種ゴム製品の摩擦現象と対策をお話しする。
 ③ゴムの摩耗はゴムの摩擦に密接に関係しており、理論を通してのゴム摩耗の理解と対策をお話しする。

プログラム

Ⅰ摩擦問題取扱いの基礎
 1.プレートの滑りと地震の発生
 2.摩擦力発生とアモントン・クーロンの法則
 3.摩擦の凹凸説(クーロン)と凝着説(バウデン、テーラ)
 4.見かけの接触面積と真実接触面積
Ⅱゴムの特殊な構造と表面特性
 1.ゴムの不均一架橋構造の実態
 2.JKR理論から推定される架橋ゴムの表面特性
 3.ゴムの表面粘着性とメニスカス形成
 4.ゴムの摩擦係数と速度依存性
Ⅲゴムの摩擦特性
 1.ゴムの摩擦現象の特殊性
  ①粘着性表面が生み出すゴムの摩擦挙動(スティックスリップ運動)
  ②スティックスリップ運動のメカニズム
  ③スティックスリップ運動に伴って発生する高周波微振動
  ④滑り時に発生するシャルマック波の謎と本質
 2.ゴム製品における摩擦制御の考え方
  ①タイヤの駆動と制動
  ②コンベアベルト、Vベルトの駆動力
  ③ゴムローラの摩擦制御
  ④ワイパーの動きとびびり振動
 3.ゴム材料の摩擦特性の改質
  ①ゴム材料の摩擦係数を支配するtanδ
  ②ゴムの高摩擦化と低摩擦化
  ③スタッドレスタイヤにおける高摩擦化の工夫
  ④ポリマーアロイ化によるプラスティックの摩擦係数制御                                
Ⅳゴムの摩耗特性
 €1.ゴムの摩耗現象の特殊性
  ①ゴム摩耗を特徴づけるアブレージョンパターン形成
  ②高周波微振動によって励起されるミクロクラック
  ③スティックスリップ運動によって成長するマクロクラックとアブレージョンパターン形成
 €2.破壊力学によるゴム摩耗の理論的な取扱い
  ①Thomasらの理論
  ②深堀らの理論
  ③理論に基づく摩耗の正しい評価法
  ④摩耗における酸化劣化の影響
 €3.ゴム製品の摩耗の実態
  ①タイヤの偏摩耗現象
  ②ORタイヤのカッティング摩耗
  ③Oリングの摩耗
 €4.ゴム材料の耐摩耗性改良
  ①各種ゴムの特性を生かす耐摩耗性の考え方
  ②カーボンブラック充填効果
  ③スティックスリップ運動低減による摩耗抑制
Ⅴ納得ゆくまでの質疑応答

講師紹介

 1970~2003・・(株)ブリヂストン &(株)一条工務店
 2003~2010・・ロンドン大学客員教授
 2011~現在・・ロンドン大学Visiting Academic
 所属機関・・日本ゴム協会、エラストマーの補強分科会主査