
金属の材料特性を理解し実務に役立てるための
自動車用金属材料の特性と部品の生産技術
~各種生産技術におけるコスト、強度、精度等の比較を含めて~
自動車用金属部品の材料特性と鍛造,熱処理,鋳造,焼結,成形等の生産技術の基礎から応用および
同じ部品を各種生産技術で製造した場合のコスト・精度・強度の比較について解説する特別セミナー!!
- 講師
NPO法人:テクノプロス 理事 今橋 邦彦 先生
トヨタ自動車(株)にて金属材料,鍛造・焼結等の研究・開発を担当,愛知製鋼(株)にて鍛造技術開発を担当,その後現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
高校の物理・化学の知識程度
習得知識
1.自動車に利用されている鉄、アルミ、マグネ合金の基礎的な物理・機械的特性
2.機械構造用鋼の種類、熱処理の基礎と応用(浸炭焼入れ等の表面硬化処理法)
3.鉄、アルミ、マグネ合金部品の生産技術(鍛造、鋳造、焼結、鋼板成形)の概要と特徴、適用部品事例
4.経済性からみた各種生産技術のコストと強度、精度の比較、トレンド、最適生産技術の考え方
5.部品製造方法を加味した設計・工程計画・品質保証・生産管理・調達の技術的なポイント
講師の言葉
自動車の約73%は鉄、6%のアルミ等の金属材料で構成されています。金属の基礎特性や生産技術を 知ることは部品の設計・生産技術者のみならず、技術企画・品質保証・生産管理技術者にも必要不可欠です。 本セミナーでは鉄・アルミ等の物理的特性を説明した後、自動車用金属部品の材料特性と生産技術 (鍛造、熱処理、鋳造、焼結、成形等)について、基礎から応用までを具体的な部品事例で解説します。 最近、適用部品が増加している鉄系焼結金属部品については材料・強度・工程・精度等を詳しく紹介します。 また、ハイブリッド車等にも採用されている焼結磁性材料について言及します。 同じ部品を各種生産技術で 製造した時のコスト、精度、強度について比較し、経済的、品質的に最適な生産技術や製造方法について述べます。
プログラム
1.自動車と金属材料 (1)自動車の構成材料:重量別では“鉄”が自動車の70%を占める (2)鉄の物理的特性:密度、結晶構造、弾性率等を各種金属(アルミ等)と比較 (3)鉄の分類(鋼、鋳鉄、鋳鋼)と機械的特性(硬さ、引張り特性、疲労特性)
2.自動車用機械構造用鋼 (1)種類と機械的特性(炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼) (2)鍛造工法と適用部品事例 (3)熱処理の基本(結晶構造、組織、状態図、熱処理の種類と方法、機械的特性) (4)表面硬化処理(浸炭焼入れ、浸炭窒化焼き入れ、高周波焼入れ、ショットピーニング)
3.自動車用鋳鉄 (1)鋳鉄の種類と特性(ねずみ鋳鉄、合金鋳鉄、組織、機械的特性) (2)自動車に利用される鋳鉄(部品に利用される鋳鉄の種類)
4.自動車用鉄系焼結金属(近年、増加しているので詳しく紹介) (1)原材料の鉄粉の種類と焼結金属部品の製造工程 (2)焼結金属の密度と機械的特性 (3)自動車に利用されている鉄系焼結金属の種類(ハイブリッド車用磁性材料を含む)と 部品適用事例、動向 (4)他の生産技術との比較(コスト、精度、強度)
5.自動車用鋼板 (1)鋼板の種類(冷延鋼板、高張力鋼板等)と特性(機械的特性、成形性等) (2)鋼板の使用部位(ボデー、シャシー部品等)
6.自動車用非鉄材料(アルミ、マグネシウム) (1)合金の種類と部品の製造方法(鍛造、鋳物、ダイキャスト)と機械的特性 (2)熱処理の種類と機械的特性、適用部品事例
7.経済性から見た各種生産技術(鍛造、鋳造、焼結、鋼板成形)の比較 (1)各種生産技術のコスト、精度、強度の概要・考え方 (2)工程別、費目別のコスト内訳(具体的な部品事例で説明) (3)各種生産技術の比較(具体的な部品でコスト、精度、強度を比較)とトレンド (4)今後の生産技術開発に於ける留意事項と進め方、最適生産技術の考え方
講師紹介
略歴 東北大学工学部を卒業後、トヨタ自動車(株)に入社。 自動車用金属材料と鍛造・焼結等の生産技術の研究開発を担当。 2002年:愛知製鋼に転籍、鍛造技術開発・海外工場を担当。 2009年:NPO法人テクノプロス、金属材料と生産技術のコンサルタント 2014年:(公益財団法人)あいち産業振興機構、中小企業の物造りコンサルタント 著作・受賞歴等 米国自動車技術会(SAE)で発表:1975年&1984年 日本塑性加工学会で発表:1985年 米国材料技術会(ASME)で発表:1991年 自動車技術会で発表:1997年&1999年 中日産業技術賞(通産大臣賞)を受賞、2000年(中日新聞主催) 財団法人:機械振興協会で受賞、2000年