
注射剤異物問題解決のための
注射剤の不溶性異物低減の実際の改善事例
~海外製造所の注射剤異物対応 & 異物低減のための評価方法~
注射剤の異物検査方法,異物評価方法,異物低減方法,改善事例,海外製造所の異物低減について解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生
エーザイ(株)にて品質管理/品質保証に30年勤務を経て、現在に至る。他2社の顧問を兼務。
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
GMPの概要
習得知識
1)注射剤異物低減のポイント
2)注射剤の異物検査
3)限度見本と判定基準
4)検査者の評価・訓練・認定
5)実際の改善事例
6)海外注射剤製造所の異物低減方法
7)注射剤異物苦情を受けた時の対応
講師の言葉
注射剤の異物は製品回収の多い原因の一つである。注射剤の異物改善が難しいのは、異物は確率的発生することと 異物試験が官能検査のためである。異物の発生原因を知り、官能検査に客観性をもたせることで正しく評価が可能になり、 改善が進む。 セミナーでは異物の発生原因と対策、評価方法について紹介する。そして実際の改善事例(海外製造所含む)を 紹介することで、異物の改善方法を知っていただく。特に海外製造所の場合は現地の製造/品質の責任者に日本の異物に 対する認識が低いため、海外製造注射剤の異物低減において現地とのコミュニケーション方法について事例を元に紹介する。
プログラム
1.注射剤の異物対策の難しさ 1)評価が適切でなく改善を試みた事例 2)日本で注射剤の異物による製品回収が多い理由 3)海外での注射剤異物が問題にならないのか 4)異物の発生は確率 5)官能検査として評価方法の難しさ
2.注射剤異物低減で理解しておきたいポイント 1) 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い 2) たやすく/明らかに検出できる異物の大きさとは 3) 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価 4) 異物検出の確率と母不良率との関係 5) 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係
3.注射剤の異物検査 1) 不溶性異物 ・非破壊による異物のサイズ/形状測定 ・限度見本の設定 ・標準見本/限度内見本/限度外見本の違い ・標準粒子と実際の異物を用いる場合の違い ・官能検査の手法による標準見本の設定 ・検査者の評価/訓練/認定 ・QC試験方法 ・目視による方法(観察方法と観察時間) ・観察機を用いる方法 ・判定基準(n数と欠点数Cの設定) ・凍結乾燥製品(ゴム栓)の溶解 ・凍結乾燥製品(アンプル)の溶解(ホールバーニング) ・製造の目視による全数選別 ・凍結乾燥製剤 ・溶液 2) 不溶性微粒子 ・ろ過試験方法 ・光遮蔽(HIAC)測定方法 ・観察機を用いる方法 3) 異物の同定方法 ・異物の取り出す時の注意事項 ・顕微鏡FTIRによる測定 ・電子顕微鏡X線マイクロアナライザーによる同定 4) 日局不溶性異物試験の考え方 ・ロットを保証するものではない ・判定ではなくモニタリングとして位置づけ ・ロット保証はトータルで行い、試験は形式的なものとする 4.改善事例 1) 繊維低減(輸液剤など) 2) アンプル成形時の異物対策 3) グラスファイバー混入改善 4) フレークス発生原因とその改善 5) 処方成分によるフレークスの発生(リン酸塩) 6) 不溶性微粒子の改善Ⅰ(シリコン塗布ゴム栓、シリンジ) 7) 不溶性微粒子の改善Ⅱ(輸液の経年での増加) 8) 導入品の異物低減(プラスチックアンプル) 9) 不溶性異物の経年での増加(原薬の出発物質の変更) 10) 資材からの影響(ポリ袋) 11) 高額な製品の異物対策(ガラス溶着している異物の除去) 12)開発段階の取組みⅠ(海外製造品 イタリア編) 13)開発段階の取組みⅡ(海外製造品 米国編) 14)開発段階の取組みⅢ(海外製造品 ベルギー編) 5.海外製造所の異物低減への方法 1) 開発段階品の評価(製造品と安定性試験品) 2) 海外製造所の理解と協同に向けて 3) 自ら改善する力を身に付ける 6.注射剤の異物の変更管理時の注意事項 1) 原薬の製造方法変更 2) 直接容器の変更 3) 製造方法の変更
7.注射剤の異物苦情を受けた時の対応 1) どの段階で異物を認めたか 2) コアリング 3) 異物の同定 4) 広がりの調査 5) 製品回収の有無の判断 8.まとめ 1) 注射剤の異物に対する正しい知識の重要性 2) 正しく評価すれば、必ず異物は低減可能
講師紹介
エーザイ株式会社にて品質管理/品質保証に30年勤務 1978年 大阪大学院化学系有機化学修士卒 1978年(財)大阪大学産業科学研究所 1979年 エーザイ 川島工場/品質管理 ⇒留学(ユニオンカレッジMBA) ⇒研修関係⇒生産企画⇒品質保証⇒美里工場/品質保証⇒品質保証⇒2013年9月末退職