
毒性試験業務遂行上の悩みや迷いを解決するための
毒性試験の基本と無毒性量の求め方・開発・申請のための戦略
医薬品における毒性の基礎,毒性試験,無毒性量の求め方,毒性試験における治験薬概要書とCTD作成の戦略,
毒性試験業務遂行上の悩み,迷いに対する解決策について解説する特別セミナー!!
- 講師
医薬品非臨床安全性コンサルタント 海野 隆 先生
日本毒性学会 名誉トキシコロジスト 獣医師
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
医薬品開発に関する概括的知識
習得知識
毒性試験遂行の基本的戦略、申請のための対応
1)毒性の基礎
2)医薬品開発のための毒性試験
3)無毒性量
4)毒性試験における治験薬概要書とCTD作成
講師の言葉
医薬品開発における毒性試験担当者は、「毒性」に関する適確な思想を持ち、これに基づき開発の戦略を立てる 必要がある。このためにはガイドラインに関する十分な知識と現実の開発におけるフレキシブルな対応能力が 求められる。医薬品の毒性の問題は、臨床試験の被験者並びに市販後の患者の安全性を担保する意味で 非常に重要である。 とくに毒性試験は開発のgo/no go decisionや安全な臨床試験へのサポート、スムーズな承認取得を想定し、 適確に、必要にして十分な対応をしなければならない。 行政当局としても毒性の問題は重要な関心事で、臨床試験の各段階、さらには申請時における照会事項として 投げかけられ、極端にいえば、毒性に関する思想と判断があいまいであれば、開発企業としての資格はないと判断される。 しかし慎重になりすぎて不必要な試験まで行うことは、実験動物の貴重な生命を無駄にし、研究コストの増加に つながり、最終的には薬価にも反映され、患者の負担を強いることになる。このような不必要な動物実験は 「不倫の動物実験」と呼んでいる。 すなわち必要にして十分な試験を行うことは、重要であり、その判断ができることが、医薬品開発担当者の 醍醐味といえる。 本講座では、毒性試験担当者の業務遂行上の悩み、迷いに対する適確な解決策を提示し、優れたクスリを 速やかに患者のもとに送り届ける方法を提案したい。
プログラム
1.毒性とは何か(生物活性としての毒性) 1)On targetとしての毒性 薬効の延長上の所見は毒性か? 健康人と患者における毒性 パラケルススの考えた毒性 2)Off targetとしての毒性 モルヒネに学ぶ毒性 荻生徂徠の考えた毒性 3)選択毒性 抗生物質に学ぶ毒性 4)薬効と毒性のはざま ドラッグリポジショニング ドラッグ・リプロファイリング 2.医薬品開発のための毒性試験とガイドライン 3.無毒性量 ・栫E無作用量 ・栫E無影響量 ・栫E最大安全量 ・栫E無毒性量 ・栫EMABEL 4.数値としての無毒性量 ・栫E開発時期によって変化する無毒性量 ・栫ETargetによって変化する無毒性量 ・栫E無毒性量とgo/no-go decision 5.臨床投与量と無毒性量 ・栫E臨床試験の用量設定 ・栫E臨床投与量より無毒性量が下回るときどうするか 6.毒性試験における治験薬概要書とCTD作成の戦略 ・栫E海外データの利用 ・栫E共同開発における留意点 ・栫E評価資料と参考資料 ・栫E申請資料を補完する文献 ・栫EGLP非適用試験は申請に使えないか? ・栫E生データにアクセスできない毒性試験報告書は申請に使えないか?7 ・栫Eガイドラインに適合しない毒性試験は申請に使えないか? 7.薬物相互作用 ・栫Eソリブジン ・栫Eセントジョージワート 8.毒性試験と生命倫理 ・栫E不倫の動物実験 ・栫ERussellとBurchの3Rs ・栫E動物福祉、動物愛護、動物保護、アニマルライツ ・栫E反動物実験運動から生命科学研究を守るために ・栫E動物実験の説明責任と第三者認証制度 9.PMDAの相談制度の活用 ・栫E医薬品安全性相談 ・栫E医薬品第Ⅰ相試験開始前相談 ・栫E医薬品事前評価相談(非臨床:薬理) 10.受託研究機関(CRO)の活用 ・栫E受託研究機関の選定 ・栫E受託研究機関とのコミュニケーション ・栫E毒性試験を外注する場合の留意点 11.医療環境と毒性 ・栫E医薬品の対象疾患と毒性 ・栫E医薬品の使用環境と毒性 ・栫E同種同効品の有無と毒性 12.事例研究 13.まとめ 14.<質疑応答>
講師紹介
略歴: 鐘紡株式会社 薬品第一開発研究所安全性研究部長 ~1997 日本シエーリング株 前臨床研究部安全性研究室長 ~2000 日本オルガノン株式会社 薬事薬制本部開発薬事部主幹 ~2007 シンバイオ製薬株式会社 前臨床/探索評価部毒性担当部長 ~2011 京都大学大学院医学研究科非常勤講師 2008~2011 株式会社JCLバイオアッセイ 研究本部 西脇ラボ所長 2012~2014 医薬品非臨床安全性コンサルタント 2011~ 著作(共著): 「CTD-Sの作成と留意点」<国内外[日本・FDA・EU]に対応した>医薬品申請資料の作成とノウハウ全集 pp203-227 技術情報協会 2005 「CTD-S」<薬事・申請における各種ドキュメント作成に向けた>メディカルライティング実務活用集 pp163-175 情報機構 2008 「新医薬品の承認審査に必要な毒性試験」<改正省令をふまえた>GLP試験/非GLP試験の具体的実施ポイント pp107-120 情報機構 2009 「非臨床試験関連の申請資料作成と論理性のある文章の示し方(CTD-S)」PMDA(医薬品医療機器総合機構)への承認申請対策集 技術情報協会 2012 「海外からの導入品の薬事申請のポイント 毒性」~欧・米・中、日本を中心とした~世界の薬事申請書の書き方 成功へのバイブル p759-767 技術情報協会 2012 所属学会: 日本毒性学会(評議員、元理事、監事) 日本動物実験代替法学会(評議員、元理事) 関西実験動物研究会(評議員、元幹事) 協会および役職・活動状況 元日本製薬工業協会基礎研究部会副部会長