
目的に合った造粒を適切に行うための
造粒の基礎と装置選定のポイント、適正操作とトラブル対策、および最近の造粒技術
造粒原理,目的に合った造粒装置の選定ポイント,適正な造粒操作,運転パラメータ,
造粒システムおよびトラブル対策・最近の造粒技術について解説する特別セミナー!!
- 講師
吉原伊知郎技術士事務所 所長 吉原 伊知郎 先生
(株)奈良機械 技術担当役員を歴任後 現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
・実際の装置をお持ちの方は、その運転パラメーターを把握しておいてください。
習得知識
・造粒の目的をしっかり把握し、それに見合った造粒原理を理解し、その原理を有効に利用している装置を選定することが理解出来るようになる。
・造粒装置を上手に使うための運転パラメーターや、上流側・下流側の周辺機器を「システムで利用する」実例を、講師の体験談を持って疑似体験することができる。
・実演模型で、「さらさらの粉」がバインダー投入後「粒々になってゆく様子」を、目の前で体験・体感することができ、ご自分の会社が処理している粉の「装置内物性変化」をイメージすることができる様になる。
・粉粒を扱うプロセスが「起こしうるトラブル」を体系的に把握し、それぞれの対策をあらかじめ装置に仕込んでおくことを「思いつく」事の、出発点にたつことができる。
事前質問
・もしあらかじめ質問や、造粒に関する聞きたい項目があれば、事前にメールでTH企画に伝えて頂ければ当日説明いたします。
服装
「アクリル製現象が見える実演模型」を用意しますので、実際に粉に触れられる用意をしてきて頂きたい。(通常の服装で腕まくり程度でも可)
講師の言葉
「技術が人間の社会を豊かにする」と言うことは、歴史を振り返るまでもなく多くの事例が証明している。 時代の要求に対応した技術が、その時代の課題を解決し、次のステップに進む足がかりになってゆく。 粉・粒は直接最終製品として一般大衆の前に姿を現すことは少ないが、例えば、優秀なトナーは写真を 凌駕する画像を媒体に転写する事ができるし、優秀な3D粉体積層原料は現在ではCADから直接イメージの 立体を作り上げることができる。我々の先達は「粉体は、世に出るまでの仮姿」と称し、基本材料としての 粉・粒の機能を評価していた。その中でも「造粒操作」は、「機能性粒子を手に入れる」事に他ならず、 それによって、対象の病態部位にデリバリーされた薬物が目的地で分散して有効活性を発揮するという 「インテリジェンス粒子を設計」する事ができる。造粒は「サイズと形態」を目的仕様に合致させることであるが、 粉体処理としては、操作中にその物性が大きく変化する「乾燥操作や粉砕操作」と並んで、問題・課題が 多い操作である。 この分野で39年間システムの開発と、トラブル対策に当たってきた講師が、実際に体感して得たノウハウを、 参加者にわかりやすく、かつ腑に落ちる感動を持ってお伝えする事を試みる。
プログラム
1,始めに 粉・粒の処理プロセスを俯瞰する。 化学工学的単位操作と、各量移動論。 2,機能性粒子を造り出す処理:造粒操作。「目的」はなにか。 ①粉体物性・物理特性と、それを利用する造粒現象。 ②造粒原理と、それを利用している装置。 ③装置選定の要因と、要求事項のポイント。 3,造粒原理と目的機能のマッチング ①目的機能を付与できる造粒原理を選ぶ。 ②選んだ造粒原理を利用している装置を選ぶ。 ③造粒原理の基礎。 「装置寸法を大きくする」のでは無く「現象をスケールアップ」する。 ④造粒操作の例、それぞれの運転パラメーター。適正操作要因。 1.転動造粒 2.押し出し造粒 3.圧縮・破壊造粒 4.攪拌造粒 5.溶融造粒 6.噴霧造粒(スプレー乾燥粒) 7.流動層造粒 8.気相・液相反応利用造粒 9.その他 4,造粒システム・プロセス ①精密混合・分散 ②精密供給・原料処理 ③結合材(バインダー)の特徴と利用方法 ④造粒終点の探索。整粒操作。 5,トラブルとその対策 ①季節変動と運転パラメーターの吟味 ②正しく現象を理解して、造粒現象に応じてパラメーターを決定。 ③つまる、くっつく、摩耗する。 ④もれる、流れる、飛んでゆく。 ⑤蓄熱、発火、粉塵爆発、 ⑥静電気現象、偏析、 ⑦システムのネックと、「粉体システムのエスケ-プ・ルート」 ⑧造粒操作の「デザインスペース」 6,最近の造粒技術 ①「自然に学ぶ工学」における造粒操作。 ②「精密混合とその状態固定」手法としての回分造粒。 ③「回分式造粒方法」から「連続式造粒方法」へ ④精製造粒品の評価。 7,まとめ 生き残るための技術;造粒操作
講師紹介
東京農工大学工学部、化学工学科卒業 (株)奈良機械製作所、技術本部、開発部、計画設計部、海外営業部 ドイツ支店の立ち上げ担当・支店長、技術担当役員を経てフェロー 日本粉体工業技術協会・造粒分科会、代表幹事2001年より2015年まで 造粒ハンドブック、編著、オーム社 微粒子技術、章担当著 難局打開の造粒技術、章担当著 粉体ナノ粒子の創製と製造処理技術、章担当著 2015年1月より、吉原伊知郎技術士事務所所長 日本粉体工業技術協会会友、造粒分科会名誉幹事