
幾何公差を理解し実務に役立てるための
機械設計:わかりやすい幾何公差の使い方と寸法公差設計(演習付き)
~機械の開発・設計・生産・品質保証に携わる技術者に必要な幾何公差知識~
幾何公差の基礎と概要,公差値の理論的計算方法(公差設計・公差解析の基礎),
累積寸法公差の扱い方について演習を交えてわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
小山工業高等専門学校 機械工学科 准教授 博士(工学) 北條 恵司 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
大学工学部または高校で,機械製図法を履修していること.製図法の説明はなく,およその内容は聞いたことがあることを前提に構成しています。ただし受講生の様子を見ながら内容は調整いたします。
習得知識
(1)なぜ幾何公差がそんなに大切で今後勉強をしなければならないかが理解でき,今後の図面作成における重要指針が理解できる.
(2)幾何公差特性(平面度、直角度etc)をひとつずつ勉強し、今までわかったようでわからなかったことを正確に理解する。
(3)便利でコストダウンが可能な「包絡の条件」と「最大実態方式」の基礎を理解できる。
(4)公差域(値)の決定の仕方が公差解析により理論的に理解できる。
持参品
関数電卓
講師の言葉
機械設計の業務において「この寸法公差が使われている根拠はなんだろうか?」「どうしてこの幾何公差が 使われているのだろうか?」「会社の中にも幾何公差を正確に教えてくれる人がいない」「いまさら聞けない」と 感じることはないでしょうか。 若い技術者はもちろん,検図を担当する方にも幾何公差のチェックポイントを習得いただけると思います。 さらに欧米の製造現場では,図面に幾何公差を指示することが一般的です。一方,日本の場合,設計者は ほとんど幾何公差を指示せずに作成してきました。 近年のものづくりのグローバル化が進む中,「幾何公差を 指示せず海外発注をしたために予期せぬ品質トラブルに見舞われた」ということ事例が増えています。 国際的な取引においての失敗をなくし,安定した品質を確保するためには,幾何公差を理解し図面に 指示するスキルが必要です。 さらにそこからコストダウンにつなげることもできます。 そこで,本講座では,幾何公差の必要性と基本理論をわかりやすく解説し,今後の図面作成における 重要な考え方が習得していただきます。 対話型の説明に心がけ「わかりやすい」を第一に内容を構成しています。
プログラム
Ⅰ.ISOのGPS規格に準拠した幾何公差の基礎 1.幾何公差はなぜ必要なのか (1)世界との取引きに必要な図面の信頼性. (2)コスト削減と品質向上のためにできること. 2.幾何公差の概要 (1)寸法公差と幾何公差の「独立の原則」,および便利な例外規定 (2)かくれた普通幾何公差を知る. 3.幾何公差の定義と解釈(JIS,ISOの解説)および検査方法 (1)データム,記入枠,公差域,形態への指示方法,理論的に正しい寸法など (2)形状公差(真直度,平面度,真円度など)の解説と演習問題 (3)姿勢公差(平行度,直角度,傾斜度など)の解説と演習問題 (4)位置公差(一度,同心度,同軸度,対称度など)の解説と演習問題 (5)振れ公差(演習振れ,全振れ)の解説と演習問題 4.寸法と幾何公差の特別な関係 (1)包絡の条件「マルE」,対米図面での注意 (2)コストダウンに効いてくる最大実態公差方式「マルM」の解説と演習問題 5.機械設計で,いつ・どんな時に幾何公差を使うのか-チェックのポイント Ⅱ.公差値の理論的計算方法(公差設計,公差解析)の基礎 1.製品組み立て時に発生する累積寸法公差の扱い方と考え方 2.公差解析演習問題 3.機械加工を知ること.~加工基準と設計基準~ Ⅲ.質疑応答 機械設計または機械図面でお困りのことがあればご質問ください.
講師紹介
1986年 群馬大学 工学部 機械工学科卒業 1986年 いすゞ自動車入社,セラミックエンジンの研究開発等に従事 1993年 神奈川県庁入庁,機械系職業訓練指導員として勤務 2007年 小山工業高等専門学校 機械工学科 准教授 (著作) 「教科書では教えない機械設計製図」コロナ社 (2011,7) 「機械設計 体系的アプローチ」森北出版(2015,3) (所属学会・協会および役職・活動状況) (1)ISO/TC10「ものづくり基盤技術に関する国際標準化(機械製図)」副委員長(H22~) (2)TC213(GPS幾何公差規格)国内委員会幹事(H24~) (3) JIS 3次元CADの幾何公差規格作成委員会副委員長(H26~) (4)日本ばね学会:評議員(H20),研究担当理事(H21~) (5)日本機械学会:関東支部商議員(H21~22) (6)日本工学教育協会(H23~) (7)日本材料学会 破壊力学部門委員(H23~)