
実践的な制御工学,パワーエレクトロニクス回路に用いられる制御技術,試行錯誤によらない具体的なコントローラの設計法の習得,アナログ/ディジタル制御による設計法,ディジタル制御特有の問題・対応策について,体系的にわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
公立大学法人大阪 大阪公立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科 エレクトロニクスコース 博士(工学) 川上 太知 先生
- 日時
- 2025/3/27(木) 10:00〜16:00
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
・スイッチング電源の研究開発・設計部門の初級者
・パワエレ回路と制御の連携を勉強したい方
- 予備知識
電気・電子回路の基本的な知識,基本的なパワーエレクトロニクス回路(降圧/昇圧型DC-DCコンバータ等)の動作及び制御工学(古典制御)の知識があるとより理解が深まります。
- 習得知識
1)より実践的な制御工学の理解
2)パワーエレクトロニクス回路に用いられる制御技術
3)試行錯誤によらない具体的な制御器(コントローラ)の設計法の習得
4)アナログ/ディジタル制御による設計法
5)ディジタル制御特有の問題とその対応 など
- 講師の言葉
近年、地球環境を取り巻く問題の解決手段の一つとしてパワーエレクトロニクス技術の重要性が高まっております。パワーエレクトロニクスは電力工学・半導体工学・制御工学の3つの分野の複合分野として誕生した技術であり、産業応用分野おいても非常に重要です。しかしながら、「パワエレの講義は受けたけど制御の部分は教わっていない」、「制御工学の講義は受けたけど実際の現場ではコントローラを実際にどのように設計したらいいかわからない」といった声をよく聞きます。
しかし、パワエレ回路には制御技術が必要不可欠であり、両者の知識を持っていないと回路は正常に動作せず、正常に動作するまで試行錯誤を繰り返して開発期間が長引いてしまいます。更には、ディジタル電源開発となってくると、ハードだけでなくソフトの知識も必要となります。
本セミナーでは、パワエレと制御の連携,具体的な設計法、さらにはディジタル制御についても網羅的に習得することを目指します。また、制御系設計だけでなく、実際にスイッチング電源を動かす際の問題点からディジタル制御特有の問題点などの紹介ならびにその対策についても解説していきます。
本セミナーを通して、パワエレ技術に更に興味を持っていただければ幸いです。
プログラム
1.パワーエレクトロニクス技術及び電力変換回路の紹介
(1)パワーエレクトロニクス技術
(2)電力変換回路
a.DC-DCコンバータ
b.AC-DCコンバータ(整流回路)
c.DC-ACインバータ
d.AC-ACコンバータ
2.パワーエレクトロニクスにおける制御系の基本的な考え方
(1)伝達関数と状態方程式
(2)制御系の安定性
(3)ボード線図
(4)ループ整形法
3.状態平均化法の基礎と各種伝達関数
(1)状態平均化法
(2)スイッチング電源の伝達関数の導出
(3)各種伝達関数の紹介
a.デューティ比の微小変動に対する伝達関数
b.出力電流の微小変動に対する伝達関数
c.入力電圧の微小変動に対する伝達関数
d.各種ゲイン(センサゲイン,PWM変調ゲイン)
4.スイッチング電源制御系設計
(1)電圧モード制御
a.電圧モード制御の紹介
b.補償器の選定:3pole-2zero補償器
c.電圧モード制御系設計法
(2)電流モード制御
a.電流モード制御の紹介
b.補償器の選定:2pole-1zero補償器
c.電流モード制御系設計法
(3)ソフトスタート
5.ディジタル電源への応用
(1)ディジタル制御における要素
a.A/D変換
b.コンペアマッチ
c.割り込み処理
(2)差分方程式による離散化
(3)ディジタル制御特有の問題とその対応
a.演算コスト
b.ワインドアップ
c.量子化誤差
質疑・応答
略歴
2011年3月 米子工業高等専門学校 電気情報工学科 卒業/準学士(工学)
2013年3月 島根大学 総合理工学部 電子制御システム工学科 卒業/学士(総合理工学)
2015年3月 島根大学 総合理工学研究科 博士前期課程
総合理工学専攻 機械・電気電子工学コース 卒業/修士(工学)
2017年4月 大阪府立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科
電子情報コース 助教
2022年3月 大阪府立大学 工学研究科 博士後期過程
電気・情報系専攻 電気情報システム工学分野 卒業/博士(工学)
2022年4月 大阪公立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科
エレクトロニクスコース 助教
2023年4月 大阪公立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科
エレクトロニクスコース 講師
著作
・Control Theory in Engineering, Intech Open, Chapter 11. Power Balance Mode Control for Boost-
Type DC-DC Converter担当
・CLILで学ぶ工学と社会 – CLIL in English -Technology and the Society-,南雲堂,Unit 3. Power
electronics supporting our life及びUnit 11. Shifting to renewable energy担当
・最新の高周波スイッチング電力変換回路と応用電源技術,電気学会 電子図書館
所属学会等
電気学会
・調査専門委員会 (2019-2023)
最新の高周波スイッチング電力変換回路と応用電源技術調査専門委員会 委員
・協同研究委員会 (2022-2024)
デジタル技術を活用したパワーエレクトロニクス教育に関する協同研究委員会 幹事
・D部門編集委員 (2023-2025)
IEEE
・IEEE IES Japan Joint Chapter Treasurer (2020-2021)
・IEEE IES Japan Joint Chapter Secretary (2022-2023)
・IEEE IES Japan Joint Chapter Vice Chair (2024-)
計測自動制御学会
・調査研究会
実学界で踊る現場制御理論調査研究会 幹事 (2024-)