
溶接変形問題解決のための
溶接力学の基礎、溶接変形のメカニズムと評価・制御技術
溶接変形の発生メカニズム,溶接変形・残留応力のFEM解析,
溶接変形の予測,問題解決のための指針について解説する特別セミナー!!
- 講師
大阪大学 接合科学研究所 准教授 博士(工学) 芹澤 久 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
力学の基礎となる、応力-ひずみ関係に関する基本的な知識があることが望ましい。
習得知識
溶接変形ならびに残留応力が発生するメカニズムを理解し、実施工において、これらを制御するための基本的手法に関する力学的な知見を修得することを期待しております。
講師の言葉
鋼構造物をはじめとして、様々な金属製構造物の製造において、溶接技術は欠くことのできない技術である。 しかしながら、溶接とは材料を局部的に加熱・溶融することにより、二つの材料を接合する手法である。 そのため、 不均一な熱膨張・収縮により必然的に溶接変形や残留応力が生じる。特に溶接変形は不可避の問題であるが、過度な 変形は、製品の寸法精度や概観を損なうのみならず、施工上のトラブルや、座屈強度などの性能低下の原因ともなる。 したがって、溶接変形や残留応力を予測・制御する必要がある。近年の急速な計算機技術の進歩にともない、 有限要素法(FEM)を活用した、溶接変形ならびに残留応力の推定が積極的に進められている。 そこで本セミナーでは、溶接変形、残留応力、溶接割れなど溶接現場で日常的に遭遇する問題をとりあげ、それらが 発生するメカニズムを、単純な力学モデルを使って解説する。さらに問題解決のための指針と方針について、 CAE的手法(特に有限要素法を用いた手法)について紹介する。
プログラム
Ⅰ.はじめに 1.溶接構造物の製造を取り巻く環境 2.工作精度と溶接変形 Ⅱ.溶接変形の種類 Ⅲ.溶接変形の発生メカニズム 1.拘束されていない棒の熱変形 2.完全拘束された棒の熱変形 3.弾性拘束された棒の熱変形 4.溶接における温度分布と拘束 5.三本の棒の熱変形 Ⅳ.溶接変形の推定式 1.縦収縮力の推定式 2.横収縮および角変形の推定式 3.座屈変形の推定式 Ⅴ.溶接変形・残留応力のFEM解析 Ⅵ.溶接変形の詳細解析および固有変形 1.熱弾塑性解析の高速化 2.固有変形 Ⅶ.溶接組立変形の予測 1.板骨構造物の溶接変形 2.曲面構造物の溶接変形 Ⅷ.溶接割れの予測 Ⅸ.おわりに
講師紹介
略歴:平成 4年3月 東京大学・工学部・材料学科卒 平成 6年3月 東京大学大学院・工学系研究科 材料学専攻修士課程修了 平成 9年3月 東京大学大学院・工学系研究科 材料学専攻博士課程修了 同 博士(工学) 平成 9年4月 大阪大学・接合科学研究所 助手 就任 平成15年4月 大阪大学・接合科学研究所 助教授 昇任 平成19年4月 大阪大学・接合科学研究所 准教授 就任 著書:寺崎俊夫, 芹澤 久 "溶接部の残留応力・変形", 第5版 鉄鋼便覧 第3巻, 16章, 4節, (2014) (一社)日本鉄鋼協会発行 所属学会・協会: (一社)溶接学会 溶接構造研究委員会・幹事 軽構造接合加工研究委員会・副委員長 (一社)日本溶接協会 溶接情報センター運営委員会・委員長 学識会員 (一社)日本金属学会,(一社)日本原子力学会など