
効果や評価を統一的に理解するための
ゲル化剤・増粘剤の特性と効果および評価方法~基礎的事項を含めて~
ゲル化剤・増粘剤の種類特性、効果、評価法について基礎的事項を含めてわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
京都大学名誉教授 工学博士 松本 孝芳 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
高等学校卒業程度の基礎学力
習得知識
1) ゲル化・増粘効果に対する現象的・分子的理解。 2) 高分子、多糖類等に関する基礎的事項。 3) 粘性、弾性、粘弾性に関する基礎的事項。 4) 基礎に戻って考えることの重要性への認識等。
講師の言葉
ゲル化剤や増粘剤は多くの産業分野で広く利用されている。両者ともに主にゲル化や粘度を調整するために使用される。 ゲル化剤・増粘剤の多くは高分子物質であり、その種類も多様である。また安全性の観点から自然物由来の多糖類及び その誘導体が多く利用されている。またゲル化・増粘効果を効果的に発揮する方法も、種類、分子量、濃度、温度、 更にはその取り扱う条件で多様に異なる。これらの点がゲル化増粘剤の効果や評価を統一的に理解することを困難に している。 当講演では、ゲル化剤、増粘剤の種類について述べるとともに、多くのゲル化・増粘剤の効果を統一的に理解するための 機構を、現象論的にさらには分子的観点から解説する。またそれらを統一的に理解する評価法について講述する。 これらを通して、表面に現れている複雑な現象の奥に潜む普遍的原理を理解するための基礎的事項についても解り易く 解説する。
プログラム
1.ゲル化剤、増粘剤の分類 1.1 高分子系、天然高分子とその誘導体、合成高分子 1.2 無機微粒子系 2.代表的なゲル化・増粘剤の分子構造と特性 2.1 多糖類、単純多糖、複合多糖 2.2 セルロース誘導体 2.3 デンプン誘導体 2.4 キチン・キトサン誘導体 2.5 合成高分子 2.6 無機系微粒子 3.分子量および分子量分布について 4.多糖類の立体異性について 5.ゲル化、増粘機構とその原動力 5.1 ゲルとは何か 5.2 効果的なゲル化・増粘機構 5.3 分子間相互作用の基礎―分子間に働くいろいろな力― 6.粘性の発現機構を基礎的に理解する 6.1 ニュートン流動、非ニュートン流動 6.2 粘度の濃度依存性、球形粒子系、非球形粒子系 7.弾性の発現機構を基礎的に理解する 7.1 理想弾性変形、非理想弾性変形 7.2 エネルギー弾性とエントロピー弾性の違い 8.ゲル化剤・増粘剤の効果と評価 8.1 レオロジーの共通語を理解しよう 8.2 緩和時間とは何か 8.3 緩和時間の分布とレオロジー関数 8.4 ゲル化・増粘効果と長時間緩和 9.実際のデータの解釈、セルロース系、アルギン酸溶液系、カードラン溶液系、キトサン・キチン誘導体系、その他の系 10.ゲル化・増粘効果を評価する便利な測定法 その他、ゲル化・増粘効果を理解するための基礎的事項についての解説
講師紹介
京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻修了 京都大学工学部・工学研究科助手、助教授、京都大学大学院農学研究科教授を経て現在に至る。