
めっき加工の要求品質向上に対応するとともに品質トラブルをなくすための
めっき技術の基礎と品質トラブル対策
<海外生産を含め、めっき設計仕様の正しい書き方と要求品質に対応しためっき生産管理>
*職場で抱えている課題についての個別質問コーナーにてアドバイス実施*
めっき設計仕様書,めっき技術の特質,品質ばらつき,海外のめっき加工,発注の仕方と受け入れ時の品質チェックポイント,
めっき品質トラブル対策と未然防止策について事例を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
星野技術士事務所 技術コンサルタント 技術士(金属部門) 星野 芳明 先生
著書:「現場で役立つめっき加工の勘どころ」,「めっき加工のトラブル対策」
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
受講対象
1)めっき実務に経験のある方
2)めっきを必要とする部品用途設計に関連する方
3)めっきを必要とする部品の品質管理、品質保証を担当する方
4)めっき加工を始めようとする方
習得知識
1)製品設計・部品設計におけるめっき設計仕様書の書き方
2)めっき加工技術の特徴と品質のばらつき要因
3)要求品質向上と品質特性を把握した発注の仕方
4)海外でのめっき加工の問題点
5)発注者側のめっき加工品受入れ時の品質チェックポイント
6)めっき品質トラブル対策と生産管理(未然防止策)
事前質問コーナー
現場で抱えている課題について事前メールを戴ければ閉講後個別に相談に応じます。16:30~18:30を予定
講師の言葉
各種材質を用いたあらゆる形状や大きさの成形加工部品には必ず何らかの表面処理(表面改質)が施されています。 このように表面処理はなくてはならない必須の加工技術であり、めっき技術はその一つです。水溶液を用いた湿式で めっき加工するときは、前処理工程、めっき工程、後処理工程、乾燥工程からなる比較的長い処理工程が必要です。 めっき加工技術は各工程で各種化学物質を取り扱い、物理化学的処理や電気化学的処理を組合せて行なう 特殊加工技術であり、次に示す2つの制御技術をそれぞれレベルアップすると共に複合技術として確立することにより 高度化していくものであることを忘れてはなりませんし、それをコントロールする難しさがあります。 ここが海外展開する場合のめっき加工品質管理の泣き所です。 (1) めっき液と被めっき物界面での電気化学反応の制御技術 (2) 物理的要素(設備、治具など)の工夫と制御技術 めっき加工品の要求品質の向上に対して最適な加工を継続するためには、製品設計、部品設計の段階でめっき設計仕様書を 正しく記載し、かつ、めっき加工工程の重要管理ポイントを理解し、さらに維持管理するための水や金属の性質、電気化学の 基礎知識などを再認識して実践しなければなりません。 めっき技術は昔とあまり変わらないと思われていますが、ちょっと 工夫をするだけで最先端の部品に高機能を付与することができる非常にポテンシャルの高い技術であり、グローバル経済の 中でめっき加工技術は欠かせません。 しかし、特殊加工技術であるがゆえに油断をすると品質トラブルに遭遇しやすいのです。 従って、このセミナーの内容を修得することは重要です。また、現場、現物、現象についての基礎知識を身に付け、もの作りに おけるサプライチェーンを強化していくことは重要です。
プログラム
Ⅰ.国際競争下での物作りとめっき設計仕様書の正しい書き方 (1)表面処理技術の種類とめっきによる表面改質の位置付け (2)物作りにおける湿式めっき加工技術の役割 (3)国際競争下での物作りとめっき要求品質の明確化 (4)製品設計、部品設計におけるめっき設計仕様書の正しい書き方 (5)海外における環境規制の違い Ⅱ.湿式めっき加工技術による表面改質 (1)めっき加工技術とめっき皮膜密着性への影響 (2)めっき加工技術と外観(光沢性、耐変色性、)への影響 (3)めっき加工技術と耐食性(防せい、防食)への影響 (4)めっき加工技術と各種特性付加への影響 Ⅲ.めっき加工技術の特質と品質ばらつきの要因 (1)めっき加工技術の基礎(加工プロセスと5Mの維持管理) (2)加工部品(Material)の素材、成形加工方法と表面状態の影響 (3)めっき方法(Method)の変動要因とぞの影響 (4)工程管理計測(Measurement)の精度とその影響 ①液組成や添加成分の計測精度とその影響 ②合金めっき皮膜組成や多層めっきの膜厚計測精度とその影響 (5)加工設備(Machine)の影響 ①主設備の管理ポイント ②付帯設備の管理ポイント (6)加工従事者(Man)の影響 Ⅳ.要求品質の向上と品質特性を把握した発注の仕方 (1)サプライチェーンにおけるめっき加工発注者側の位置付け (2)めっき加工発注者側とめっき加工受注者側のめっき品質認識のずれ (3)めっき加工発注者側における加工品設計とめっき仕様の理解度 (4)めっき加工受注者側における加工品用途とめっき品質の理解度 Ⅴ.海外でのめっき加工における問題点 (1)めっきの特殊工程管理における問題点 (2)Manの役割における問題点 (3)排水処理管理、作業場土壌汚染防止管理における問題点 Ⅵ.発注者側のめっき加工品受け入れ時の品質チェックポイント (1)めっき加工の3大不良モード (2)受け入れ時の品質検査について (3)めっき加工品の大気保管時の経時変化について (4)めっき品質不良の解析について (5)めっき加工品の保管について Ⅶ.めっき品質トラブル対策と生産管理(未然防止策)について (1)めっき品質トラブルはなぜ起こるか? (2)めっき品質トラブルを未然防止するための取り組み (3)ひっかけ治具方式による電解めっきの場合の未然防止策 (4)微小部品のためのバレルめっき方式による電解めっきの場合 (5)微小部品を含む無電解めっきの場合の未然防止策
講師紹介
資 格 ; 技術士(金属部門)、環境計量士、労働安全コンサルタント、 作業環境測定士、第一種公害防止管理者(水質)、その他資格有り、 所属学会、協会; ; (社)表面技術協会会員 日本技術士会 所属