
転がり接触による損傷防止のための
転がり疲れのメカニズムと寿命予測、面圧強さの評価およびトラブル防止
転がり疲れの損傷メカニズム,転がり疲れ寿命,面圧強さの評価,面圧強さ設計法,強度向上対策について解説する特別セミナー!!
- 講師
岡山大学 名誉教授 工学博士 吉田 彰 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
機械要素,機械材料,材料力学などに関する簡単な基礎知識
習得知識
1) 転がり疲れ損傷とそのメカニズム.
2) 一般熱処理(焼なまし,焼ならし,調質,ずぶ焼入れ)鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さに及ぼす種々の要因の影響と面圧強さ推定法
3) 表面熱処理(高周波焼入れ,浸炭焼入れ,窒化)鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さに及ぼす種々の要因の影響と寿命・面圧強さ推定法
4) 面圧強さに対する最適硬化層深さ
5) 面圧強さ向上法
6) 粉末焼結鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さに及ぼす種々の要因の影響および寿命予測法と面圧強さ推定法
講師の言葉
歯車,トラクションドライブ,ローラ,車輪・レール,転がり軸受,カム・フォロアーなど転がり接触対偶をなす伝動機械要素の 損傷に対するトラブル対策に関して,多くの場合において最優先課題となるのは寿命と面圧強さである。 本講においては,転がり疲れ損傷を対象として接触応力,D値,膜厚比などの転がり疲れに関する基礎事項,転がり疲れ過程中の 表面層の変化およびピッチングやスポーリング損傷メカニズムを解説し,これらに基づき転がり疲れ寿命,面圧強さ(転がり疲れ 強さ)に及ぼす種々の要因の影響について明らかにするとともに,損傷形態ごとに面圧強さ設計法,強度向上対策を解説し, 浸炭焼入れなどの表面硬化鋼に関してはその面圧強さに対する最適硬化層深さ算定法を示す。 また,ショットピーニングやハードコーティングによる付加的表面強さ向上法の効果についても紹介する。 さらに,優れたコストパーフォーマンスの故に最近需要が増大している粉末焼結鋼の寿命や面圧強に関しても各種要因の影響を 明らかにするとともにその強化法および寿命予測法を解説する。
プログラム
1.転がり疲れの基礎 1.1 転がり疲れ損傷 1.2 接触応力〈含 計算例題〉 1.3 ヘルツ接触荷重と接線力が働く場合の接触ローラ表面下の各種応力とその変化 1.4 弾性流体潤滑膜〈含 油膜厚さ計算例題〉 1.5 転がり疲れ過程 1.6 転がり疲れ損傷の発生メカニズム 1.7 ピットとスポールのマイクロフラクトグラフィ 2.転がり疲れ寿命と面圧強さの評価,推定と影響因子 2.1 寿命と面圧強さの評価法 2.2 面圧強さの推定 2.3 寿命と面圧強さに及ぼす影響要因 3.一般熱処理鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さ 3.1 寿命と面圧強さに及ぼす種々の要因(滑りと滑り率,回転速度,回転方向の反転と荷重重複,ローラ直径と接触幅, クラウニング,表面圧延(転造),加工法,表面粗さ,加工目方向,硬さ,硬さ差,潤滑油)の影響 3.2 面圧強さ(ピッチング強さ)の推定 4.表面熱処理鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さ 4.1 高周波焼入れ鋼の寿命と面圧強さ 4.2 浸炭焼入れ鋼の寿命と面圧強さ 4.3 窒化鋼の寿命と面圧強さ 4.4 その他ショットピーニング等による表面改質鋼の寿命と面圧強さ 4.5 最適硬化層深さ〈含 適用例題〉 4.6 寿命および面圧強さ(スポーリング強さ)の推定 5.粉末焼結鋼の転がり疲れ寿命と面圧強さ 5.1 粉末焼結鋼の特性 5.2 高周波焼入れ焼結鋼の寿命と面圧強さ 5.3 プラズマ浸炭焼入れ焼結鋼の寿命と面圧強さ 5.4 イオン窒化焼結鋼の寿命と面圧強さ 5.5 表面硬化粉末焼結鋼の寿命予測および面圧強さの推定
講師紹介
略歴: 1942年 生まれ 1969年 大阪大学大学院工学研究科精密工学専攻博士課程単位取得 京都大学工学部機械工学科助手 1970年 工学博士(大阪大学大学院博士課程修了) 岡山大学工学部機械工学科部助教授 1979年 英国・ノッチンガム大学 University Research Fellow(1年間) 1986年 岡山大学工学部機械工学科教授 2007年 岡山大学定年退官,岡山大学名誉教授 広島国際大学工学部機械ロボティクス学科教授 2012年 広島国際大学定年退職 1997年 日本機械学会部門賞 功績賞 (機素潤滑設計部門) 2002年 日本機械学会 フェロー 2002年 日本マリンエンジニアリング学会 論文賞 2004年 豪州・クイーンズランド工科大学 Visiting Fellowship Award 2009年 日本設計工学会 平成20年度 功労賞 2012年 日本設計工学会 名誉会員 2013年 日本設計工学会 2012年度Valuable Publishing賞 著作: 1) 機械加工された低炭素鋼の疲労挙動に関する研究,大阪大学博士論文 1969年,昭和44年3月,単著(吉田 彰),全151頁 2) 機械力学,朝倉書店 1987年,昭和62年5月,共著(日高照晃,石田武,小田哲,川辺尚志, 都築正之,吉田彰,芳村敏夫),全217頁 3) トライボロジ-辞典,日本トライボロジ-学会編 養賢堂 1995年,平成7年3月, 共著(木村好次編集委員長,吉田彰を含め102名),全338頁 4) トライボロジ-ハンドブック, 日本トライボロジ-学会編 養賢堂 2001年,平成13年3月, 共著(木村好次編集委員長,吉田彰を含め234名),全908頁 5) 機械工学便覧 β4編機械要素・トライボロジー,日本機械学会 丸善 2005年,平成17年10月, 共著(吉田 彰を含め99名),全232頁 6) 歯車損傷図鑑,日本機械学会 丸善 2006年,平成18年6月, 共著(有浦泰常, 久保愛三, 滝 晨彦, 永村和照, 森脇一郎, 吉田 彰),全298頁 7) 機械要素設計, 日本理工出版会 2011年,平成23年11月,吉田彰編著, 共著(吉田彰, 藤井正浩,小西大二, 大上祐司, 原野智哉, 關正憲),全242頁 8) トライボ設計のための 転がり疲れ寿命と面圧強さ, 日本理工出版会 2012年,平成24年11月, 単著(吉田 彰),全229頁 所属学会・協会および役職・活動状況: 日本機械学会(フェロー,評議員,研究会主査などの経験),日本設計工学会(理事,評議員,支部長などの経験),日本トライボロジー学会(評議員などの経験),アメリカ機械学会,英国機械学会ジャーナル編集委員 (1998~2009)など.