
固体NMR法を理解し、解析実務に活用するための
固体NMR法の基礎:測定法と解析法のポイント
固体NMR法を用いた基本的な測定技術、解析技術、有機高分子系の相溶性や相分離過程・相互作用・分子運動等の情報を
取得する技術および解析法について解説する特別セミナー!!
- 講師
防衛大学校 応用科学群 応用化学科 教授 博士(理学) 浅野 敦志先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
NMRの基礎的な事柄、大学1年生程度の数学の知識
習得知識
1) 固体NMR法を用いた基本的な測定技術および解析技術についての知識を習得できます。 2) 特に固体NMRスペクトルを測定するときの 溶液NMR法とは異なる注意点について学べます。 3) 複合材料から得られる緩和時間の解析法についての知識が身につきます。
講師の言葉
溶液NMR法は自動測定も発達しており、すでに汎用測定装置と化していますが、固体NMR法はまだそこまでに至っていません。 なぜできないのか?それは溶液NMR法とは異なり、ラジオ波のパワーが大きいこと、またハード的に精緻な調整がどうしても 必要だからです。その設定は、慣れると大変ではありませんが、なぜそのようなことをしなくてはいけないのか? どうやって やるのか?ということを知っておくと、きれいな固体NMRスペクトルを取得することができるようになります。 また、得られたスペクトルをどのように解析すればいいのか、固体NMR法も溶液NMR法に負けず、いろいろな測定手法が あります。その中で、緩和曲線解析を中心に、有機高分子系の相溶性や相分離過程、相互作用、分子運動といった情報を できるだけ容易に取得する、いい意味で“枯れた”技術および解析法を紹介します。
プログラム
第1部:基礎編 1. NMRの基礎(溶液) 1.1 化学シフトとスピン結合 1.2 FT法とパルス 1.3 緩和
2.固体高分解能NMR法の基礎と特徴 2.1 溶液NMR法との違い 2.2. MAS法とCP法とは 2.3. きちんと測定するためのトラブル回避1 (チューニング) 2.4. きちんと測定するためのトラブル回避2 (90°パルスの調整とMAS角調整) 2.5. きちんと測定するためのトラブル回避3 (CPの調整) 2.6. きちんと測定するためのトラブル回避4 (CPの長さとMASの速さ) 2.7. きちんと測定するためのトラブル回避5 (化学シフト値と観測幅) 2.8. きちんと測定するためのトラブル回避6 (温度校正) 2.9. 緩和時間と1Hスピン拡散 (測定法と注意点) 2.10. CPMASとDPMAS 2.11. スペクトルならびに緩和曲線の解析法 (波形解析ならびに1Hスピン拡散)
第2部: 応用編 3.ポリマーアロイ・ブレンド 3.1. 相溶性解析 3.2. 相溶性と相分離過程 3.3. 相溶性と分子運動、熱安定性、相互作用 3.4. 結晶相の構造変化と非晶相の吸湿効果:衝撃力との関連性 3.5. 結晶多形
4.有機/無機複合体 4.1. 常磁性緩和の利用 4.2. 高分子/粘土鉱物複合体のモルフォロジー解析 4.3. 結晶相の大きさと高分子の融解温度
5.ゴム・エポキシ樹脂 5.1. パルスNMR法 5.2. 1H MAS NMR解析 5.3. 静止状態とMAS状態の13C NMR解析
講師紹介
2004年~ : 高分子学会・NMR研究会 運営委員(2012年~運営副委員長) 2011年~ : 固体NMR・材料フォーラム運営委員 2012年~ : 日本核磁気共鳴学会 学会誌編集委員(2014年~副編集委員長) 2013年~:日本核磁気共鳴学会 評議員 2005年~ : 日本ゴム協会・新世代エラストマ-技術研究分科会 コアリーダー 2007年~2009年 : 高分子学会・高分子論文集 編集委員 2012年1月~2012年6月 : 高分子学会・Polymer Journal, Guest Editor