
実験データを正しく扱うための
実験・分析データの統計処理入門
データの棄却、エラーバーの書き方、再現性・有効桁の見積もり、誤差伝播の計算方法、
重み付き最小二乗法の方法、検定の考え方について、演習を交えながらわかりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
甲南大学 理工学部 機能分子化学科 教授(工学博士) 山本 雅博 先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
高校レベルでの簡単な数学・確率の知識
習得知識
1) データの棄却 2) エラーバーの書き方 3) そこから得られる再現性・有効桁の見積もり 4) 誤差伝播の計算方法 5) 重み付き最小二乗法の方法 6) 検定の考え方のさわり
持参物
ノートパソコン(Excel、フリーソフトの「GNUPLOT」が搭載されているもの)が望ましいですが、関数電卓でも構いません。
講師の言葉
最近Nature誌に掲載された記事によると医学生物系の論文の5竏窒V割が再現性を確認できないという。この状態をうけて, N誌の編集方針には統計的なデータの扱いを取り入れることを要求することになった。 我々の世代もそうであるが,データの正しい扱い方に関しての教育あるいは自学・自習が充分でないために, 研究の最前線に立たされて自分のデータをどのように統計処理していいのか戸惑ってしまうし,他者に丸投げしたり, 正しくない解釈をおこなって,折角苦労して得たデータの解釈を損ねてしまうことが散見される。また,データの再現性も 正しく評価するように言われてもその方法を知らなければ不可能である。 本講座では,実験データの取り扱いに対して“これが正しい”のではということを受講者に理解していただき, その後の御自身での研究開発につないでいただければ幸いである。
プログラム
1)データの棄却:データの棄却をQ-testによって可能かどうかを判断する。
・検定窶ィ・信頼度窶ィ・Dixson法
2)平均値とエラーバー:複数回測定したデータからStudentのt分布を用いて,平均とエラーバーを求め,同時に有効数字・有効桁をユニークに確定する。
・正規分布窶ィ・Studentのt分布窶ィ・平均値:最も確かな値窶ィ・測定回数,自由度窶ィ・不偏分散窶ィ・標準偏差窶ィ・信頼度窶ィ・エラーバー窶ィ・有効数字窶ィ・有効桁
3)誤差をもつデータ同士の演算で誤差がどのように伝播(でんぱ)するのかを求める。
・誤差伝播窶ィ・誤差をもつ測定値同士の和窶ィ・定数と測定値とのかけ算 窶ィ・測定値同士のかけ算窶ィ・希薄溶液調製時にともなう誤差の見積もり
4)重み付き非線形最小二乗法:検量線やあるデータ群を理論曲線にフィットするときに,
エラーバーの重みを考慮して最小二乗法を用いないと間違いをおかす危険性もあることを述べる。
・線形回帰 ・重み付け窶ィ・重み付き平均窶ィ・重み付き最小二乗法:線形窶ィ・重み付き最小二乗法:非線形窶ィ・回帰から得られるエーラーバー窶ィ・非線形回帰の場合の注意点
5)検定や検出限界について簡単に解説する。
・仮説検定 窶ィ・帰無仮説窶ィ・有意差検定窶ィ・t検定窶ィ・Q-test窶ィ・検出限界
<質疑応答>
講師紹介
1983(S58). 3 京都大学工学部工業化学科卒業 1985(S60). 3 京都大学大学院工学研究科工業化学専攻修士課程修了 1991(H3). 3 京都大学工学博士 職歴 1985(S60). 4 京都大学原子エネルギー研究所助手 1993(H5). 10 米国エネルギー省Ames 研究所(Iowa 州立大学)客員研究員(1年間) 1996(H8). 5 京都大学エネルギー理工学研究所助手 1999(H11). 2 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻助教授 2007(H19). 4 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻准教授 2009(H21). 4 甲南大学理工学部機能分子化学科教授~現在に至る 日本ポーラログラフ学会(理事),日本分析化学会,電気化学会