
試験,解析の実務に役立てるための
電装部品の実務的信頼性加速試験と寿命予測の実際
効率的な加速試験の進め方,加速係数の求め方,市場クレームが発生した時の寿命予測
限界試験の考え方,評価のあり方,市場回収品からの余寿命推定等について解説する特別セミナー!!
- 講師
技術コンサルタント 伊藤 千秋先生
オムロン(株) 品質保証部長,部品技術部長等を経て現在に至る
品質保証一筋に35年,この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長等を歴任
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
特にないが、ワイブル解析、累積ハザード解析の概念は知っているのが望ましい。
習得知識
1)故障モード別の故障モデル式 2)加速係数のもとめかた 3)寿命予測のしかた 4)試験の目的にあわせた正しい試験のやり方 5)設計への展開のしかた(規格、設計法、試験法)
講師の言葉
本講座は、効率的な加速試験の進め方と、そのポイント、解析手法ついてなどについて自動車電装部品からの 事例に基づいて実践的にわかり易く解説する。 自動車部品は世の中で最も過酷な使われ方をする部品のうちのひとつである。材料的に見ると車室内では-40~85℃、 エンジンルームにいたってはー40~120℃でこれはプラスチック、ゴムなどの材料や接合技術から見たらちょうど 物性が切り替わる境界付近で限度いっぱいで使うということであり、電気的には車両の電源電圧は5~13Vまでの 変動に対応しうるものでなければならず、結露、雨水、日光、砂塵、振動といった環境条件の厳しさもある。 自動車部品ではこれを10-15年ほどの期間、その信頼性を確保することが絶対条件になってくる。 そういう中では どういう条件だったら故障するのか、その故障モードは車両としてはどうなるのかといった限界条件の把握をもとに 故障時はどれくらいの市場相当時間になるのか、実用条件から見たらどれくらいの余裕があるのかを判断していくことになる。 そのための加速係数の求め方を故障モードをできるだけ固定して多角面からの加速係数の求め方をデータ、写真、 図を多用してより実践的な解説をする。 また、市場でクレームが発生したときの寿命予測のやり方をはじめ、現在、用いている試験は一体何を想定して何年の 条件に相当するのかといった試験規格、限界試験の考え方やその試験結果からの評価のあり方までを紹介・解説する。 さらに、市場でトラブルが起きた時の市場相当年数(回数)の推定のしかたや、市場回収品から余寿命がどれくらい あるかを推定するやり方などについても解説する。
プログラム
1.加速試験とは
2.加速試験の成り立つ条件と制約条件
3.加速試験のもとになっている故障モデル
4.加速試験の種類と考え方
5.加速試験と寿命予測のやり方
6.加速係数のもとめ方の実施例
(1)ポリエステル被覆銅線の耐湿寿命 (2)はんだ接続熱疲労寿命 (3)プリント基板耐結露寿命 (4)プラスチック樹脂耐熱寿命 (5)ポリエステル被覆銅線の耐熱寿命 (6)ゴム劣化寿命 (7)半導体劣化寿命 (8)コンデンサ劣化寿命 (9)センサ温冷浴寿命
7.実験的検証にもとづく寿命予測
(1)類似比較法 (2)性比較法 (3)回収品ダメージ比較法
8.試験法の生い立ちと加速データの実用試験への展開
(1)高温 (2)低温 (3)温度サイクル (4)湿度 (5)乾湿サイクル (6)振動 (7)ノイズ/サージ (8)電圧変動 (9)動作繰返し
9.故障モード別モデル式
(1)プラスチック樹脂/ゴム材料/金属材料における故障モードに対する故障モデル式 (2)半導体/コンデンサ/パワーデバイス/抵抗/LEDにおける故障モードに対する故障モデル式 (3)モータ/コイル/コネクタ/表示管/電球における故障モードに対する故障モデル式 (4)半田接続/プリント基板における故障モードに対する故障モデル
10.最小値・最大値予測のしかた
(1)振動・衝撃 (2)ノイズ・サージ
11.設計への展開
(1)試験規格 (2)寿命の定義 (3)ボトルネックを把握した設計 ①シングルフェイラーポイント ②車両・ユニットから部品・材料への管理点の展開 (4)余裕度設計 ①限界試験における故障モードと限界条件の評価 ②特性保証・動作保証・故障モード保証 ③Cpk/変動率/安定度 ④回路の実力余裕の技術的評価法 (5)信頼性設計と安全設計 ①長寿命設計と死にざま設計 ②安全設計レベル (6)マイコン暴走予防設計 ①動作限度値 ②ノイズ/サージ ③状態遷移図 (7)熱設計 ①負荷軽減設計 ②放熱設計 (8)結露予防設計 ①結露・融霜・融氷 ②毛細管凝縮・化学凝縮 (9)振動予防設計 ①時系列解析・スペクトラム解析・頻度解析 ②加速度モードによる故障 ③周波数モードによる故障