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薄膜の摩擦問題解決のための

薄膜の摩擦・摩耗のメカニズムと超低摩擦・耐摩耗の実現

摩擦・摩耗の基礎から薄膜の耐摩耗設計指針,薄膜の機械的特性評価,超低摩擦実現について解説する特別セミナー!!

講師

名古屋大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 教授 工学博士 梅原 徳次先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

 材料力学や材料強度の知識を有している方が好ましいが,無くても良い。

習得知識

 薄膜による耐摩耗性・低摩擦発現のための指針が得られる。
 1)摩擦・摩耗の基礎知識
 2)薄膜の耐摩耗設計指針
 3)薄膜の機械的特性の評価方法
 4)薄膜の摩擦

講師の言葉

 近年,プラズマなどの利用が容易になり薄膜による表面改質が行われ,摩擦摩耗の制御が行われている。
 材料の付与加工であり,あらさを含めて幅広く材料設計を行うことが可能である。 しかし,摩擦・摩耗特性は
複雑であり,期待する特性を得ることは容易ではない。 これは, 摩擦や摩耗が表面の微小突起の変形と破壊に
依存する事に起因する。 この摩擦摩耗現象は,材料の表面とバルクの機械的・化学的特性,表面あらさや
摩擦係数の差異に基づく接触応力に依存し,初期のそれらの値は摩擦と共に変化する。 このため同じ破壊現象で
ありながら,バルク材の塑性変形や破壊とは異なる。 このような特異性のために,摩耗の設計指針は特異である。
 本講義では,摩擦・摩耗理論の基礎から,最近提案されている理論まで,実用を踏まえながら平易に解説する。

プログラム

Ⅰ.摩擦と摩耗を扱う工学分野 トライボロジー
1.表面の特殊性とバルクとの差異
2.摩擦の法則
 a. 凹凸説,b.凝着説,c.掘り起こし説
3.摩耗の法則
 a. アブレシブ摩耗,b.凝着摩耗,c.疲労摩耗,d.腐食摩耗
II. 薄膜の耐摩耗のための設計指針
1.微視的摩耗機構
 a, Flake formation, b.Powder formation, c.Ploughing
2. 硬質膜の脆性破壊の抑制
3. 膜の塑性変形の抑制
4. 膜の剥離の抑制
III.薄膜の機械的特性の評価方法
1. 硬さ
2. ヤング率
3. 膜の破壊じん性値
4. 膜と基板の界面の破壊じん性値
IV. 薄膜の摩擦
1. 固体潤滑機構
 a.薄膜潤滑理論 b.超潤滑理論
2. 超低摩擦現象
 a. ダイヤモンド b.ダイヤモンドライクカーボン c.窒化炭素

講師紹介

  1960年札幌生まれ.東北大学工学部機械工学科卒業,同大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)後,
 東北大学工学部助手,講師及び助教授を務め,2000年4月より東京都立科学技術大学機械システム工学科助教授,
 2002年4月より名古屋工業大学機械システム工学科教授,2004年4月より名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻 
 先端材料・創製工学科教授.工学部附属創造工学センター長も2008年4月より務める。研究内容は,エコ加工,磁性流体研磨,
 MAGIC加工,ナノ加工,トライボロジー,コーティング及び超低摩擦軸受であり,日本機械学会,精密工学会,
 日本設計工学会に所属している。先端的な研磨とトライボロジーに関する研究で,1991年に日本機械学会研究奨励賞,
 1995年に米国生産技術者学会よりLaRoux K. Gillespie Outstanding Young Manufacturing Engineer Award,
 1995年にCIRP(国際生産加工会議)より,Tayler Medal,2010年日本機械学会賞(論文)を受賞している。 
 また、科学技術の振興発展への貢献で、2013年に科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)を受賞している。