
漏れ現象を理解し,シールを正しく使うための
漏れのメカニズムとシールの基礎およびシールトラブル対策
漏れのメカニズム,シールの基礎,各種シールの特性,シールの正しい選定・使い方および
シール損傷対策について解説する特別セミナー!!
- 講師
トライボロジーアドバイザー 工学博士 似内 昭夫先生
玉川大学工学部長等歴任後退職,現在に至る
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
特にありません
習得知識
1)漏れのメカニズム 2)各種シールの特性と使用に当っての留意点 3)漏れ対策とシール損傷対策
講師の言葉
1986年スペースシャトルチャレンジャーの爆発炎上のニュースはご記憶の方も多いと思います。この事故は 固体燃料補助ロケットと外部燃料タンクとの接合部のOリングが損傷したことによる漏れの発生が原因で, 恐らくシールの漏れに関する事例として最も有名な事例でしょう。これほど大事故でなくても漏れと言う問題は, 昔から多くの技術者達を悩ましてきた問題であり,現在でもやっかいな問題として多くの技術者達を悩まし続けています。 では漏れの問題をクリヤするためにはどのようにしたらよいのでしょうか。 万能の対策法はありませんが, 何故漏れるのかを理解し,適材適所でシールを選定する事で,かなりの漏れの問題は解決できるものと思われます。 本講座では,漏れと密封についてトライボロジーの立場から考えてみることを勧め,色々なシールについてその基本特性や, 使用にあたっての基本的な考え方を紹介することで,シールの正しい選定及び使い方が習得出来るようにする事を 目的にします。
プログラム
1. はじめに 漏れの実態
1)現場における漏れに実態 2)漏れが機器の及ぼす影響 3)漏れ管理(H.F.I)
2. シールに関連したトライボロジーの基礎
1)トライボロジーとは 2)トライボロジーから見た表面 3)摩擦・摩耗のメカニズム 4)しゅう動面の摩擦とストライベック曲線
3. 漏れの基礎知識と漏れのメカニズム
1)シール面の考え方 2)漏れはどうして発生するか 3)漏れ防止の考え方
4. シールの種類とシール用ゴム材料
1)色々なシール 2)シール用材料に求められる材料特性 3)シール用ゴム材料の特性
5. 静的シール(Gasket)の考え方と使い方
1)非金属ガスケット 2)セミメタリックガスケット 3)金属ガスケット 4)ガスケットにおける密封の考え方 5)ガスケットの使い方
6. 動的シール(Packing)の考え方と使い方(1)Oリングなどスクィーズパッキン
1)スクィーズパッキンの密封 2)はみ出し現象 3)Oリングの使い方
7. 動的シール(Packing)の考え方と使い方(2)オイルシールなどリップパッキンとグランドパッキン
1)オイルシールとその基本特性 2)オイルシールの使い方 3)リップパッキンの種類と密封 4)グランドパッキン
8. 動的シール(Packing)の考え方と使い方(3)メカニカルシール
1)メカニカルシールの構造と分類 2)メカニカルシールの密封性能に影響を及ぼす要因 3)メカニカルシールのしゅう動材料
9. 動的シールにおける密封理論
1)往復動シールの密封メカニズム 2)オイルシールの密封メカニズム 3)メカニカルシールの密封メカニズム
10. シールシステムの実際例
1)ガスケット使用事例 2)油圧システムにおけるシールシステム
11.シールの選定
1)シール選定の条件 2)ガスケットの選定 3)パッキンの選定
12.漏れ対策・・・・シールの損傷と対策事例
1)ガスケットに発生した不具合 2)パッキンンに発生した不具合
13.シール試験法
1)ガスケット試験法 2)Oリング試験法 3)往復動シール試験法 4)オイルシール試験法 参考1.シールに関する規格 参考2.シールに関わる最近の話題
講師紹介
1943年 生 1969.3 玉川大学大学院工学研究科終了, 1969.4 同 大学助手 1974.4 同 講師 1981.4 同 助教授 1997.4 同 教授 2003.4~2008.3 同 工学部長 2009.3 同 定年退職 トライボロジーアドバイザー自称 ●学位 博士(工学)(東京大学) ●研究テーマ: 転がりつかれ、 固体潤滑、 シール, しゅう動材料 最近はメンテナンスの活性化を中心に活動を展開している ● 学会等社会活動 所属学会 日本機械学会、日本トライボロジー学会、日本設備管理学会 *日本機械学会 機械状態監視資格認証専門委員会委員 同 トライボロジー技術委員会委員長 *日本トライボロジー学会 第48期,49期 (2004,2005)理事(出版委員長など) ISO検討委員会(機械様態監視資格認証委員会委員)委員長(~2010) 第一種研究会 メンテナンスアクションプラン研究会主査、 第二種研究会 軸受鋼における非金属介在物の評価法研究会主査 固体潤滑研究会運営委員 第三種研究会 メンテナンストライボロジー研究会主査,シール研究会主査,転がり疲れ研究会主査(代) 現在 トライボロジー相談室 Tribology Supervisor(TS) 2011~ *学術振興会転がり軸受寿命第126委員会委員 *日本プラントメンテナンス協会(JIPM) 潤滑技術委員会委員長 同 設備管理士講座「トライボロジー」を担当 *日本油空圧工業会「耐環境性油空圧シール気候に関する調査研究委員会」委員長 *潤滑油協会 「高温トライボロジー懇談会」座長 *日本産業機械工業会「メカニカルシールJIS改正原案作成委員会」委員 *自動車部品工業会「JIS B 2402オイルシール原案作成委員会」委員長 2010~ その他 ●著書 共著 日本トライボロジー学会編「改定 潤滑ハンドブック」養賢堂(1987) 共著(編集委員長)「潤滑設計マニュアル」日本規格協会刊(1988) 共著 「トライボマテリアル」工業調査会(1994) 共著(編集委員長)「わかりやすい潤滑技術」JIPM(1995) 共著(編集委員)日本トライボロジー学会編「トライボロジーハンドブック」養賢堂(2001) 共著(編集委員)日本トライボロジー学会編「トライボロジー故障と対策」養賢堂(2003) 共著(編集委員長)「メンテナンストライボロジー」養賢堂(2006) 単著 「入門トライボロジー 現場で役立つ潤滑技術」JIPMソリューション(2007) 監修 改定新版「機械の潤滑なんでもQ & A」科学図書出版(2008) 監修・共著「シ-リングテクノロジー―密封・漏れの解明とトラブル対策」テクノシステム(2010) 共著(編集委員)日本トライボロジー学会編「新版固体潤滑ハンドブック」養賢堂(2010) 共著 日本機械学会編「機械実用便覧」改定7版丸善出版(2011) 単著 「図解はじめての機械の潤滑」科学図書出版(2011) 監修 日本トライボロジー学会編「産業用車両の潤滑」養賢堂(2012)