
設計業務に役立てるための
金属疲労の基礎とFEMによる疲労解析
金属疲労の基礎,耐疲労設計の基礎およびFEMを用いた疲労解析・寿命予測について解説する特別セミナー!!
- 講師
東京理科大学 工学部第一部 機械工学科 教授 工学博士 中曽根 祐司先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
力学、初等材料力学
習得知識
1)金属疲労の基礎知識 2)耐疲労設計の基礎 3)CAEの初等的な知識(FEMによる疲労解析と寿命予測)
講師の言葉
疲労は、現実に起こる事故の原因の大半を占める重要な問題ですが、その原因は未だによく分かっていないのが 現状です。 ドイツの技術者ヴェーラーが、車軸の疲労試験機を作製し、S-N線図を考案したのは1800年代半ばの ことですが、その試験機やS-N線図は現在に至るまで最も有力な疲労強度評価法の一つとして活用されています。 このように疲労は古くて新しい重要な技術的問題ですが、大学や高専等では、他の新しい科目に対応するのに 追われ十分に教授できていないのが現状です。 そこで、本講義では、金属疲労の基礎から説き、金属材料の疲労強度評価法、疲労寿命予測法、疲労き裂の 破戒力学的取扱い等について実例を使って説明します。また、近年、設計ツールとして注目されているFEMを用いた 疲労解析について解説するとともに、各種の技術分野における耐疲労設計事例を紹介します。 さらに、本講義では、設計業務等に直接役立つよう、疲労関連の規格・基準および疲労に関する内外の代表的な 教科書・参考書を紹介し、疲労に関して多面的な理解が得られるよう配慮しました。
プログラム
Ⅰ 金属疲労の基礎
1.金属疲労の基礎知識 1.1 静的破壊と疲労破壊の違い 1.2 疲労破壊の事例 1.3 疲労強度評価と寿命予測(S-N線図) 1.4 S-N線図に及ぼす諸因子の影響 1.5 平均応力の効果(ガーバー線図等) 2.実働荷重下の疲労の取扱い 2.1 変動応力振幅疲労 2.2 線形累積被害側(マイナー則) 2.3 ランダム疲労 2.4 ランダム疲労評価法 2.5 組合せ負荷 3.疲労き裂の取扱い 3.1 き裂発生寿命と進展寿命 3.2 き裂の停留 3.3 破壊力学的取扱い 3.3.1 応力拡大係数 3.3.2 疲労き裂進展特性(パリス則) 3.3.3 疲労き裂閉口現象 3.3.4 微小き裂問題 3.4 クラック・アレスト
Ⅱ 疲労設計の基礎
1.疲労設計とは? 2.許容応力と安全係数 3.FEMを用いた疲労設計 4.各種機械・構造物における疲労設計 4.1 溶接構造物 4.2 車両 4.3 電子機器
Ⅲ FEMによる疲労解析と寿命予側
1.一定応力振幅疲労解析 1.1 応力解析 1.2 S-Nデータ 1.3 疲労寿命のコンター図 1.4 安全係数値のコンター図 2.ランダム疲労(変動応力振幅疲労)解析のデモ 2.1 レインフロー法による応力波の計数 2.2 Goodman線図による平均応力の影響の評価 2.3 レインフロー・マトリックス 2.4 損傷度マトリックス 2.5 疲労寿命のコンター図 2.6 安全係数値のコンター図 3.解析例の紹介
Ⅳ 疲労に関する情報源の紹介
1.疲労試験に関する主な規格・基準 2.疲労に関する主な参考書
講師紹介
略歴: 東京大学大学院工学系研究科機械工学専門課程博士課程修了(工学博士) 科学技術庁金属材料技術研究所を経て、 現在、東京理科大学工学部第一部機械工学科教授 この間、米国 Northwestern University 客員研究員、 独国 Forschungszentrum Julich GmbH 客員研究員、 科学技術庁金属材料技術研究所客員研究官を歴任。 所属学会・協会 日本機械学会、日本材料学会、、日本ばね学会、日本計算工学会、 日本AEM学会、日本金属学会、日本原子力学会、日本口腔インプラント学会 ほか