
ろ過の関連現象・操作の基礎を理解しトラブルを防止するための
各種ろ過方法の特性およびろ材・装置の選定方法
ろ過の関連現象・技術の基礎,各種ろ過方法の特性および
ろ材・装置の選定方法について解説する特別セミナー!!
- 講師
横浜国立大学大学院 工学研究院 教授 工学博士 松本 幹治先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
ろ過について関心のある方なら特になし
習得知識
1)ろ過・膜ろ過の関連現象・操作の基礎 2)膜ろ過,深層ろ過,ケークろ過のろ過特性 3)フィルターおよびろ過装置の選定方法
講師の言葉
ろ過法には膜ろ過、砂ろ過、不織布ろ過、高速繊維ろ材ろ過、ケーク(脱水)ろ過などいろいろあるが、ろ過の 機構と問題点は類型化でき、基本的に共通している事項が多い。 本講義では、「ろ過およびそれに関連する諸現象およびろ過技術とは何か?」ということを、できるだけわかり 易く説明する。ろ過特性は個々の原液の性状と凝集などの前処理条件、使用するろ材とろ過装置の特性および その運転条件に依存する。そのため、ろ過はろ過操作のノウハウだけではなく、それを理解するためにはろ過 操作に伴う諸現象(ろ材や分散粒子の性状、界面動電現象、凝集・造粒現象と操作など)の本質とそれらの 測定法およびろ過結果の適否を決めるろ過精度とは何か?を同時に理解する必要がある。 本講義では各種ろ過方法および装置におけるろ過特性に影響を及ぼす諸現象や諸因子を説明し、併せて 実施例を通してろ過装置・ろ材選定法の考え方を紹介する。
プログラム
1.ろ過・膜ろ過および関連現象・操作の基礎
1.1ろ過装置およびろ材・フィルターの種類 1.2各種ろ過機構とろ過特性の評価法およびその応用 (1)ろ材閉塞ろ過 (2)深層ろ過 (3)ケークろ過 (4)圧搾 (5)膜ろ過(NF、RO) 1.3ろ材における界面動電現象(表面電荷、流動電位、ゼーター電位)の基礎と測定法 1.4 凝集・造粒機構の種類と凝集・造粒操作の基礎 (1)凝集剤の種類と特性および凝集機構 (2) 凝集・分散性特性に影響を及ぼす諸因子 (3)凝集・造粒操作とその留意点 1.5 各種フィルター・ろ材のろ過精度・細孔径の定義と測定法 (1)分離粒子径、細孔径の種類とろ過精度の定義 (2)膜の細孔径(分布)の測定法 (3)不織布の細孔径(分布)の測定法
2. 膜ろ過特性
2.1 膜の種類と特徴 2.2ろ過式と濃度分極・物質移動係数 2.3 膜ファリングの因子と機構と各種防止法 2.4懸濁粒子の膜ろ過特性および膜透過(分級)特性に及ぼす諸因子 2.5油・エマルションの膜ろ過特性 2.6生物粒子・活性汚泥(MBR)の膜ろ過特性に及ぼす諸因子 2.7酵素・たんぱく質などの可溶性生体物質の膜(MF,UF)ろ過特性 2.8逆洗を伴う連続膜ろ過におけるろ過特性と逆洗効果の評価法 2.9 RO,NF膜による塩類濃縮に伴うファウリング特性と防止法
3. 深層ろ過(不織布フィルター・高速繊維ろ材ろ過・砂ろ過)のろ過特性
3.1 不織布フィルターのろ過特性 3.2攪拌洗浄型上向流ろ過装置のろ過特性 3.3 逆洗洗浄型下向流ろ過装置のろ過特性 3.4 シミュレーションによるろ過特性(出口濃度、層内分布など)の予測
4. ケークろ過と圧搾のろ過特性
4.1 ケーク比抵抗の意味とその求め方 4.2 ケーク比抵抗に及ぼす諸因子と低減法 (1)ろ過助剤を用いたろ過 (2)凝集剤を用いたろ過 4.3 圧搾における修正圧密係数の求め方
5. フィルターおよびろ過装置の選定法
5.1固液分離におけるろ過装置の位置付けと選定基準 5.2 ろ過装置の更新・選定事例(コスト計算例) 5.3 ろ過エネルギーの考え方 5.4最適ろ過システムの選定の考え方とフローチャート
講師紹介
・1974年4月 東京大学工学部化学工学科 助手 1984年5月 横浜国立大学工学部 化学工学科(現、物質工学科) 助教授 1991年4月 同 教授 ・日本液体清澄化技術工業会(LFPI) 会長 ・著書:(1) 凝集工学(日本粉体工業技術協会編)、5章、6章、日刊工業新聞社 (1982) (2)生物化学工学(東稔節治編)、5章、朝倉書店(1996) (3)ユーザーのための実用膜分離技術(松本幹治編著)、1章、3章、日刊工業新聞社 (1996) (4) ユーザーのための実用固液分離技術(日本液体清澄化技術工業会編)、1章、2章、分離技術会(2010) ほか多数。