結晶品質を改善するための
結晶性物質に品質を作り込む晶析操作の基礎から応用まで
～基礎データ取得，結晶化現象解析，過飽和制御，結晶品質制御～
晶析のための基礎データの取得から結晶化現象の解析方法，
結晶品質の作り込みについて，最近の話題や演習を含めて解説する特別セミナー！！
- 講師
東京農工大学 生物システム応用科学府 准教授 工学博士 滝山 博志先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名：47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名：42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
１）結晶品質制御の戦略 ２）結晶成長の推進力の設計方法 ３）DSC、XRD、FT-IRデータの活用法 ４）回分冷却晶析、非(貧)溶媒添加晶析法の理解
講師の言葉
新素材開発の研究現場や化学工業の製造現場では、最終工程で、製品を結晶性物質として取り出すことが 多い。ところが最近この最終工程で、結晶化物質に密接に関わる品質上の問題が多く取りあげられるように なってきている。例えば、製品純度、粒径分布、形状、結晶多形に関わる問題である。 結晶性物質をその 品質を考慮しながら生産することを晶析と呼ぶが、この講習会では、晶析のための基礎データの取得方法から 結晶化現象の解析方法、そして結晶品質の作り込み戦略までを紹介しながら、どうやれば結晶品質を改善 できるのか、そしてその本質は何なのかを演習を含めて講義する。 結晶化の推進力である過飽和度の設計についてはもちろん、結晶品質制御などの最近の話題や、新しい 測定機器を使った晶析現象解析方法についても概説する。普段有機合成を専門に研究している研究技術者には 結晶作りの「コツ」を、そして普段から晶析に携わっている研究技術者には結晶をめぐる現場の「なぜ」に答えたい。
プログラム
（１）結晶化現象と晶析操作
－晶析操作で何ができるのかを理解する－ 1-1．晶析操作の目的と原理 1-2．有機合成との接点 1-3．晶析プロセスの特徴
（２）結晶化現象の解析とその速度論
－現象を整理するための必要データの取得法を理解する－ 2-1．結晶が成長するとはどういうことか 2-2．結晶化の推進力と固液平衡 2-2-1．固液平衡と溶解度 2-2-2．簡便な溶解度決定法 2-3．核発生速度と成長速度論 2-4．結晶純度 2-5．XRDデータから何を読み取るか 2-6．DSCデータから何を読み取るか 2-7．FT-IRデータから何を読み取るか 2-8．事例と演習で理解する結晶化の推進力
（３）結晶化現象のメカニズムとその制御
－結晶品質に関わる具体的問題解決アプローチを理解する－ 3-1. 結晶品質に関するトラブル事例 3-2. 結晶多形変化 3-2-1．結晶多形に及ぼす晶析操作因子とは 3-2-2．結晶多形制御の戦略 3-3. 結晶形態変化に及ぼす操作因子 3-3-1．結晶形態に及ぼす晶析操作因子とは 3-3-2．結晶形態制御の戦略 3-4. 結晶粒径分布変化 3-4-1．粒径分布はいかに決定されるか 3-4-2．粒径分布の数値的取り扱い 3-5. 結晶品質を改善するためには 3-6. 演習で理解する結晶品質の制御
（４）晶析の操作設計と品質のつくり込み
－結晶品質を作り込むための戦略を理解する－ 4-1．晶析操作の基本戦略 4-1-1．種結晶スペックの設計 4-1-2．冷却温度プログラム設計 4-1-3．非（貧）溶媒添加晶析での操作戦略 4-2．過飽和制御方針 4-3．オンラインセンサー利用技術 4-4．スケールアップの留意事項
（５）最新トピックス紹介
－最先端の研究では何が議論されているかを理解する－
（６) まとめ
講師紹介
略歴 平成 ４年３月 東京工業大学 総合理工学研究科 修了 博士（工学） 平成１０年５月 東京農工大学 工学部 応用化学科 講師 平成１４年８月 東京農工大学 工学部 化学システム工学科 助教授 平成１８年４月 東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 准教授 学協会での活動 平成１０年度－１４年度 分離技術会編集委員 平成１５年度－１７年度 化学工学会関東支部幹事 平成１４年度－現在 分離技術会企画委員 平成２１年度－現在 日本海水学会 研究理事 平成２０年度－現在 化学工学会材料界面部会幹事