
腐食と水質の関係を理解し,腐食トラブルを解決するための
腐食・水質の基礎と各種金属腐食と防食技術の実際
~防食のための新しい水質管理手法の解説を含めて~
腐食の基礎,各種腐食の材料別メカニズム,腐食と水質の関係および
防食対策について解説する特別セミナー!!
- 講師
鹿島建設㈱ エンジニアリング本部 施設計画G 専任部長 中島 博志先生
工学博士 技術士(衛生工学部門) 設備設計1級建築士
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
高校卒業程度の知識
習得知識
1)淡水中における金属材料の腐食についてその原因の解明と防食対策を立案できる。 a.腐食の基礎 b.各種腐食の材料別メカニズム c.腐食と水質の関係 d.防食対策 2)従来無かった新しい水質管理手法を習得できる。
講師の言葉
講師の4半世紀にわたる経験により、 腐食と水質の基礎について誰にでも判るように解説する。 設備の機器および配管は、鋼、鋳鉄、亜鉛メッキ、銅、銅合金、ステンレス等の金属材料で構成されている。 設備の腐食は様々の損害を社会に与える。ガス管の腐食による漏洩は生命の安全に係わり、油配管の漏洩は 環境の汚染を引き起こし、消火配管の漏洩は緊急時の防災を妨げ、給水配管の赤水、青水、白水、黒水は 人々の快適な生活を妨げ、屋内配管からの漏洩は貴重な財産やIT機器等に多大の損害を与えるものである。 淡水中での腐食は結果が出るまでに時間がかかり、研究対象として不向きである。このような背景で、 建設後1年から数年の短期間に過去に事例のある腐食トラブルが繰り返されている。 設備に使用される水源には水道水が用いられ、地域により水道水の水質が異なることはよく知られた事実で ある。しかし、設備における水質の差は、同じ水道水を水源としている一つの建物における各設備用途に よっても生じ、結果として腐食に差を生じる。設備に使用される配管材料等は汎用材料なので、腐食の原因を 環境すなわち水質に求めざるを得ない。 設備の腐食・防食に関する技術に関して各設備用途における水環境の違いと、使用される材料の建築設備に おける耐食性の振る舞いを明らかにし、腐食のメカニズムと防食方法を体系化することを試みた。水質差によって 腐食に与える影響は定性的にどのようなものかについて、水質要因に注目して論じた。また、建築設備の水系に おいて水質が変化するメカニズムについて過去の事故事例調査を基に示した。さらに、各設備用途について 期待される寿命を損なう腐食のメカニズムを材料別に示すことにより、設備の腐食に関して未経験の人でも どのような事が起こるのか、発生した腐食は頻度の高い現象なのか、珍しい現象なのか等について一応の 判断ができる事を目標にした。 又講師が2009-2010に発表した、水質の腐食性を表現できるNakajimaDiagram と水質変化ベクトルを示す ⊿NakajimaDiagramにより、新しい水質管理ができる事を解説する。
プログラム
A.「腐食の基礎 Ⅰ 」 電気化学反応としての腐食
B.「腐食の基礎 Ⅱ 」 腐食の種類と形態
1.孔食 ①ステンレス鋼管 ②銅管 ③亜鉛めっき鋼管 2.応力腐食割れ ステンレス 3.局部腐食では無い割れ ・ステンレス ・銅 4.すきま腐食 ステンレス ・ステンレス局部腐食起点の原因 5.潰食 銅の潰食(Errosion-Corrosion) 6その他 ①脱成分腐食 ②電縫鋼管の溝状腐食 ③銅管の蟻の巣状腐食
C.「腐食の基礎 Ⅲ 」 腐食と水質
1.腐食は材料と環境の組み合わせ 2.炭素鋼の淡水中での腐食 3.濃縮と水質変化のメカニズム 4.銅 5.亜鉛メッキ鋼管の局部腐食と水質
D.「淡水中の銅の腐食」
1.水中での耐食皮膜形成と破壊 2.銅の潰食 3.銅のⅡ型孔食 給湯に発生する孔食 4.銅Ⅰ型孔食 ①空調銅コイル ②給水銅管 ③氷蓄熱銅コイル ④材料側の要因 5.変わった腐食 ・アリの巣状腐食
E.「銅の腐食事例と水質・腐食確率」
1.腐食事例の水質とNakajima Diagram 2.Nakajima Diagramによる水質と銅の腐食確率 3.日本の水道水水質とNakajima Diagram
「Nakajima Diagramと水質変化
1.⊿Nakajima Diagram とは 2.Nakajima Diagram による水質管理
F.「地中埋設管の腐食」
G.淡水中における微生物腐食
講師紹介
1975年九州大学大学院終了後 鹿島建設㈱に入社 著書 配管防食マニュアル他 腐食防食協会 物理水処理分科会主査 建築設備技術小委員会委員長 腐食センター 運営委員 (財)日本科学技術連盟 品質管理ベーシックコース 主任講師 文部科学省 統計数理研究所 共同研究員