有効に活用するための
エマルションの調製と安定性の評価と解析
各種エマルションの調製法、安定性を評価するモデル、他成分の影響および
ナノエマルションの特性について演習を交え解説する特別セミナー!!
- 講師
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京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 教授 農学博士 安達 修二先生
- 日時
- 会場
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- 受講料
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1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
大学初年度程度の物理化学
修得知識
1)界面科学の基礎事項 2)分散安定性に関する基礎理論 3)脂質酸化の速度解析 4)分散系に関係する工学的事項
持参品
関数電卓
講師の言葉
エマルションは,食品,医薬品,化粧品などの多くの分野で汎用されている。 水中に微小な油滴が分散した O/W型エマルション,逆に油中に水滴が分散したW/O型エマルション,さらに複雑な形態の多相エマルションは いずれも本質的には不安定であり,油相と水相に分離しようとする。 それを抑制するために界面活性剤(乳化剤)が 使用される。 また,高分子などが添加されることもあり,安定性に影響を及ぼす。 本講では,まず界面科分野の基礎的な事項を概説したのち,各種エマルションの調製法と安定性を評価する ためのモデルについて説明する。 そのモデルに基づいて,エマルションの安定性に及ぼす諸因子の影響を 解説する。 さらに,最近注目されているナノエマルションやエマルションに関連するトピックスについても紹介する。 なお,理解を深めるため,次元解析などの関連する事項についても言及し,かつ演習を織り交ぜながら講義を 進める予定であるので,関数電卓を持参いただきたい。
プログラム
1. 界面科学の基礎
1.1. 界面科学の用語 1.2. エマルションの分類 1.3. 界面活性剤(乳化剤)とその特性
2. エマルションの調製
2.1. 各種調製法 2.2. 乳化のエネルギー 2.3. 膜およびマイクロチャネル乳化の特徴
3. 安定性を評価するモデル
3.1. 粒子の浮上または沈降速度 3.2. DLVO理論 3.3. 粒子に作用する力の収支 3.4. 表面電位とその測定
4. 他成分の共存が安定性に及ぼす影響
4.1. 塩の添加 4.2. 粒子に吸着しない高分子の添加 4.3. 粒子に吸着する高分子の添加 4.4. 酸化安定性に及ぼす添加物の影響
5. ナノエマルションの特性
5.1. 脂質の酸化に及ぼす分散粒子径の影響 5.2. ミセル系での脂質の酸化 5.3. 分散安定性
6. エマルションに関連するトピックス
6.1. 亜臨界水を用いたナノエマルションの調製 6.2. 多相エマルションによる乳酸菌の輸送 6.3. 粉末化脂質の酸化過程
講師紹介
【略歴】 [学 歴] 昭和49年3月 京都大学農学部食品工学科卒業 昭和51年3月 京都大学大学院農学研究科修士課程食品工学専攻修了 昭和53年3月 京都大学大学院農学研究科博士課程食品工学専攻中途退学 昭和57年9月 京都大学農学博士 [職 歴] 昭和53年4月 京都大学工学部化学工学科助手 昭和59年4月 新居浜工業高等専門学校工業化学科助教授 昭和63年4月 静岡県立大学食品栄養科学部食品学科助教授 平成 2年4月 京都大学農学部食品工学科助教授 平成 9年4月 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻助教授 平成13年4月 京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻助教授 平成15年4月 京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻教授 現在に至る 【業績】 2003年度日本食品工学会研究賞「脂質の高度利用を指向した食品工学的基礎研究」 1991年度日本農芸化学会奨励賞「カラム液体クロマトグラフィーの連続化に関する基礎的研究とそのバイオリアクターへの応用」 【所属学会・協会等】 日本農芸化学会(英文誌編集委員),日本食品科学工学会(評議員,英文誌編集委員),化学工学会,日本食品工学会(理事), 日本油化学会 ほか