
薄膜の剥離トラブル解決のための
薄膜の剥離メカニズムと密着性の評価・解析と改善の手法
薄膜の密着性の基本から評価方法、剥離抑制手法、
密着性改善対策、剥離対処策について解説する特別セミナー!!
- 講師
荒川化学工業株式会社 研究所 機能材料事業部 研究開発第一部
グループリーダー 工学博士 岩村栄治先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし。薄膜作成プロセス(特に気相形成)の経験があればより効果的。 密着力不足等の技術的課題を持たれている方はさらにベター
修得知識
1)薄膜の密着性に関わる界面表面、材料破壊の基礎知識と剥離メカニズム 2)密着力測定技術(特にスクラッチ法)の概要と適用上の限界、具体的な評価手順 3)密着力改善の手法 4)剥離が生じた場合の具体的な対応手順と手法
講師の言葉
本セミナーでは、スパッタリング法により形成した金属・無機系薄膜の例を中心に、薄膜の密着性に関わる 基本的な概念から評価方法、剥離抑制の手法に至るまで、できるだけ平易に解説します。 特に、剥離の 様々な形態に応じてその発生原因をつきとめ、密着性改善対策を考える手法について、表面/界面構造、 成膜によって薄膜に生じる様々な欠陥、膜応力の影響に基づいて詳しく紹介します。 さらに、密着力の評価 方法としてスクラッチ法をその測定原理から測定上の注意点まで、また、実際に剥離が発生した場合にどの ように解決するかについて、それぞれクローズアップし実践的に対処する際に役立つよう具体的な例と手順を 挙げて解説します。 本講座を通じて、密着性に関わる現象の概略を把握していただき、さらに現象の本質を理解して、個々の 技術課題に対応される第一歩となれば幸いです。
プログラム
1.なぜ剥離が発生するのか
1.1 形態観察からみえてくる剥離の発生原因 1.2 剥離に影響を与える材料的要因 1.3 表面/界面エネルギーと薄膜/基材界面の構造の基本 1.4 剥離・破壊を理解する考え方 1.5 膜応力とは何か? 1.6 密着するための条件と剥離を起こさないための条件の違い 1.7 膨れ剥離とクラックの発生メカニズム:剥離が進展するための条件
2.密着性をどのように評価するか
2.1 様々な密着力評価方法の特長と注意点 2.2 密着力の測定値に対する測定条件の影響 2.3 スクラッチ法の原理:剥離を発生させるメカニズム 2.4 スクラッチ法が密着力評価に使える理由・使えない理由 2.5 スクラッチ法の測定と評価の具体的手順 2.6 スクラッチ法の注意点と今後の技術的課題 2.7 密着強度はどこまで当てになるのか?
3.密着性を改善するには
3.1 密着性向上の方法 3.2 異種材料界面と表面/界面の改質手法 3.3 薄膜に生じる欠陥・不良 3.4 成膜プロセスにおける欠陥・不良防止対策 3.5 膜応力を低減するとなぜ密着力は改善するのか 3.6 膜応力低減化の手法 3.7 柔軟・フレキシブル基材に対する密着性改善
4.剥離/密着不良が起こった場合にどのように対処するのか
4.1 対処手順と解析の方法 4.2 ケーススタディ:剥離要因の絞込みと対策の検討方法
5.まとめ
講師紹介
研究分野: 機能性材料設計、ナノ複合構造制御、薄膜形成プロセス、微細構造評価、接合材料設計 略歴:1990年 東京大学工学研究科修士課程修了(金属工学専攻) 2000年 工学博士 (東京大学) 1990年~2001年 (株)神戸製鋼所 技術開発本部 研究員 1994年~1996年 スタンフォード大学材料科学工学科 客員研究員 2002年~2005年 科学技術振興機構 さきがけ研究21 個人研究者 2005年~ 荒川化学工業株式会社研究所 受賞:日本金属学会論文賞、地方発明表彰支部長賞、全国発明表彰発明賞