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ステンレス鋼をトラブルなく使うための

ステンレス鋼の上手な使い方と腐食・トラブル対策

ステンレス鋼の特性,選択方法,腐食損傷事例と対策および上手な使い方について解説する特別セミナー!!

講師

日本冶金工業(株) 顧問 工学博士 腐食防食専門士 根本 力男先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

 ○自分で使用した事のあるステンレス鋼の成分、JIS規格を勉強しておくこと
 ○ステンレス鋼、Fe, AlおよびCuの違いは何か(各金属の長所と短所を自分なりに整理しておく)
 ○日常生活で遭遇する腐食性の強い物質にはどんなものがあるか、日頃目にする金属製品はどんな時に
 さびた(赤錆等発生)かに好奇心を持つようにする。

習得知識

 1)ステンレス鋼の腐食にはなぜ局部腐食が多いか
 2)なぜこんなに多くのステンレス鋼が開発されたか(JIS規格鋼種の多いこと)
 3)ステンレス鋼の特性を把握すれば選択は容易である(コストと耐久性を考慮)
 4)ステンレス鋼を永久に美しく保つための方法はあるか

講師の言葉

 なぜ金属だけがさびるのか、金属をさびから防ぐにはどんな手段があるかを理解させる。 腐食は純粋な電気
化学反応によって生じるので導電体でなければならないことをしっかりと理解してもらう。 ステンレス鋼はなぜ
さび難いか、その本質である不働態皮膜は何から構成されどのような性質を有するか、どうすればその特性を
強化できるのかを理論的に説明する。金属をさびから守るためには、多種多様な腐食現象を理解しなければ
ならない。各腐食形態の特徴と腐食に及ぼす要因(特に合金元素の効果)を理解してもらう。
 ステンレス鋼は100年前に18Cr-8Ni-Feを基本成分として誕生したが、現在JIS規格鋼種だけでも100鋼種
以上もある。なぜこんなに多く誕生したかを理解できるように講義する。ステンレス鋼の発展は各種各濃度の
塩化物を含む環境に耐えられ合金の開発に尽きると言っても過言ではない事を理解させたい。
 現在羽田空港D滑走路の鋼管杭の被覆材に使用されているスーパーステンレス鋼はまさに究極のステン
レス鋼であることを強調したい。どうすればステンレス鋼は永遠に輝き続けさせられるかを講義する。

プログラム

1.ステンレス鋼の基礎
 1・1 日本におけるステンレス鋼発展の歴史
 1・2 ステンレス鋼はなぜさび難いのか
    a 金属はなぜさびる
    b ステンレス鋼はなぜさび難い
 1・3 金属の腐食形態
  1・3・1 腐食形態の大分
  1・3・2 湿食形態の小分類
    a 割れを伴わない局部腐食
    b 割れを伴う局部腐食
  1・3・3 乾食の小分類
    a 高温酸化
         b 高温腐食
 1・4 ステンレス鋼の種類と特徴
  1・4・1 合金元素の役割
  1・4・2 ステンレス鋼の分類
   a Cr系ステンレス鋼(マルテンサイト系、フェライト系)
    b Cr-Ni系ステンレス鋼(オーステナイト系、2相系、析出型)
    c 最近開発された新しいステンレス鋼
2.ステンレス鋼の性質
 2・1 耐食性(金属の腐食形態で説明)
 2・2 機械的性質
 2・3 物理的性質
3.ステンレス鋼の用途と選択法
 3・1 耐酸性
 3・2 耐局部腐食性ステンレス鋼と選び方
 3・3 特殊環境でのステンレス鋼の選び方
 3・4 高温腐食の観点から見たステンレ鋼の選択
4.腐食損傷事例と解決法
 4・1 ステンレス鋼の腐食に及ぼす金属学的因子
 4・2 マイルドな環境(大気、水)での腐食事例
 4・3 過酷な環境(化学プラント)での腐食事例
5.ステンレス鋼の耐食性を中心にした上手な使い方
 5・1 マイルドな環境での使い方
 5・2 過酷な環境での使い方

講師紹介

 ■略歴
   1961年3月東北大学理学部卒業
   1961年4月日本冶金工業(株)入社、以来ステンレス鋼、耐食鋼、耐熱鋼、Ni基超合金、電子材料等
           新合金の開発と市場開発に従事、取締役商品開発部長、常任顧問を経て現在に至る。
   1972年~1974年米国ノースウエスタン大学留学
   1986年 東京工業大学より工学博士取得
   1989年 (社)日本鉄鋼協会 西山記念賞受賞
   2004年 (社)腐食防食協会 功績賞受賞
   2008年 (社)腐食防食協会認定「腐食防食専門士」取得
 ■日本鉄鋼協会正会員、日本金属学会正会員、腐食防食協会正会員、腐食センター運営委員、
 ■著作:「ステンレス鋼の基礎と上手な使い方」、日本工業出版社(2009年)、その他ステンレス鋼の選び方、
  ステンレス鋼便覧、腐食防食便覧、熱交換器ハンドブック、防錆・防食技術総覧、材料利用ハンドブック、
  新素材/新金属製造・加工技術等の一部を執筆。