
腐食損傷と腐食疲労の防止のための
金属腐食のメカニズムと機器・装置の腐食損傷解析および余寿命予測
金属腐食のメカニズム,腐食疲労防止対策,寿命・余寿命予測について
事例を交えてやさしく解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社 三造試験センター 技師長 工学博士 三浦 健蔵先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
金属材料に関する初歩的な知識
修得知識
腐食防食技術、金属組織および機器・装置の余寿命評価に関する基礎知識
講師の言葉
各種の機械・装置や機械構造物は高速化、高効率化の傾向にあり、これら部材には高強度・高靭性、耐食性、 耐熱性など厳しい要求が課せられ、さらに、製品寿命の延長が図られている。 長期間使用した機器・装置や 機械構造物の事故は構成部品の劣化によるものであり、特に腐食性環境下では劣化を生じやすく、腐食損傷 あるいは腐食が関与した疲労、摩耗損傷が主要な損傷と考えられる。 講義では、金属腐食のメカニズム、熱処理と金属組織、金属材料の腐食挙動と機器・装置の腐食損傷などに ついて平易に解説する。 腐食環境下の損傷形態についてはボルトや各種製品の損傷事例をもとに紹介する。 また舶用ディーゼル機関部品の腐食損傷事例と損傷防止対策について紹介する。局部腐食の解析では最大 局部深さの評価がポイントであり、回転機動翼に発生した局部腐食の解析と寿命・余寿命診断結果の一例に ついて分かりやすく説明する。 さらに、舶用ディーゼル機関部品に例をとり、腐食疲労による損傷と腐食疲労防止 対策および寿命・余寿命について紹介する。 なお、本講義は、企業の研究・開発・設計・品質保証・試験検査部門の技術スタッフあるいは実務者を対象と したものである。
プログラム
Ⅰ.腐食の基礎
1.腐食の電気化学 1-1 電気化学の基礎 1-2 腐食の熱力学 1-3 腐食の速度論 2.金属材料の不働態化 2-1 不働態と不働態化現象 2-2 不働態化皮膜と局部電池 3.代表的な腐食 3-1 ガルバニック腐食 3-2 流速が関与する腐食 3-3 腐食割れ 3-4 海水中における鉄鋼材料の腐食挙動 3-5 凍結防止剤による腐食 3-6 マイグレーション(マイグレーション現象と評価試験)
Ⅱ.金属材料の基礎と腐食損傷
1.金属材料の基礎 1-1 金属の結晶構造 1-2 鉄、Fe-Cr-Niの平衡状態図 1-3 熱処理と金属組織 2.炭素鋼および低合金鋼の腐食損傷 2-1 伝熱面における腐食 2-2 硫酸露点腐食 2-3 応力腐食割れ 2-4 水素による脆性 3.ステンレス鋼の腐食損傷 3-1 ステンレス鋼の耐食性 3-2 粒界腐食 3-3 孔食・すき間腐食 3-4 塩化物溶液中およびポリチオン酸溶液中の応力腐食割れ 3-5 高温高圧純水中の応力腐食割れ 4.非鉄材料 4-1 銅および銅合金の腐食 4-2 アルミニウムおよびアルミニウム合金の腐食
Ⅲ.腐食損傷解析および余寿命予測
1.腐食損傷事例と損傷解析 1-1 ボルトの損傷事例と破面様相 1-2 機器・装置部品の腐食事例 1-3 舶用ディーゼル機関部品の腐食事例 2.機器・装置の寿命・余寿命診断 2-1 極値統計手法による最大局部腐食深さの推定 2-2 回転機動翼の寿命・余寿命診断 2-3 腐食環境下における疲労強度 2-4 舶用ディーゼル機関シリンダカバーの寿命診断
講師紹介
略歴/ 昭和47年 三井造船株式会社勤務 平成 8年 三井造船株式会社 技術本部玉野研究所 主幹研究員(部長) 平成11年 株式会社 三造試験センター勤務 現在に至る 所属学会・協会 日本材料学会 日本機械学会 マリンエンジニアリング学会 活動状況 佐賀大学客員教授(平成7年)、岡山大学客員教授(平成8年度) 日本材料学会中四国支部評議員(平成9~11年度) 日本機械学会論文校閲委員、 マリンエンジニアリング学会論文校閲委員 日本材料学会・高温強度部門委員会、 同・マイクロマテリアル部門委員会委員 日本機械学会・中四国機素潤滑設計技術研究会委員