レオロジーを工業技術として使うための
分散系ペーストのレオロジー特性とコントロール技術
粘性,粘断性の基礎,レオロジー測定および分散系レオロジーの挙動とコントロールについて
ケーススタディを交えて、工業技術として使う立場に立って解説する特別セミナー!!
- 講師
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千葉大学大学院 工学研究科 教授 工学博士 大坪 泰文先生
- 日時
- 会場
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- 受講料
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1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
レオロジーを初めて学ぶ受講者でも高校の力学を復習しておけば十分理解できるような内容になっていますが、 分散系ペーストの粘度測定や粘弾性測定など実際の経験があればより聞きやすいと思います。 さらに、分散系 調製において具体的な問題を抱えていればそれと対応して考えられますので、いっそう理解しやすいと思います。
習得知識
1)分散系レオロジーについて知りたい事柄があるとき、その要求に基づき測定プログラムを決めるという“こつ”が 理解できます。 2)さらに、そのデータをメカニズムと関連づけて考えることができるようになります。 3)式を極力使わないように説明しますので、やや曖昧さを含む講義となりますが、分散系レオロジーという技術 体系の全貌を俯瞰できるようになるのではないかと思います。
講師の言葉
分散系ペーストの粘度や粘弾性挙動を測定し、材料設計やプロセス制御など実際の工業に役立てるのは 難しいと敬遠されがちですが、この原因は大きく分けて2つあります。 一つは、同じ粘度挙動あるいは粘弾性 挙動でも材料により、そのメカニズムが異なり理解しくいことです。 もう一つは、いざ測定しようというとき、何を どのように測ったらよいかという指針が明瞭でないことです。 分散系レオロジーを技術として使いこなすには、 材料の特性や知りたい事柄に合わせて測定プログラムを選択することが重要です。 このセミナーでは、レオロジーを工業技術として使うという立場に立って、基礎、測定、応用に関して式を使わずに 理解するということを目指します。 粒子の凝集とレオロジー挙動とを関連づけて解釈するための基本について 説明します。さらに、レオロジーの活用を考えたとき、ケーススタディについて理解するのが近道です。 しばしば 工業的にはペーストの流動性を表現するときチクソ性という言葉が使われますが、このような学術用語はありません。 学術的な意味と技術的な意味の違いを明確にして、物性評価としてチクソ性を測定するための考え方について 概説します。
プログラム
(1)粘性の基礎
1.力学の基礎 a. ひずみとひずみ速度 b. 応力 2.非ニュ-トン流動 a. 擬塑性流動 b. ダイラタント流動 3.時間依存性流動 a. チクソトロピ- b. レオペクシ-
(2)粘弾性の基礎
1. 粘弾性の現象論 a. マックスウェルモデルと応力緩和 b. フォークトモデルと遅延弾性 c. 4要素モデル 2. 動的粘弾性の定義と測定法 a. 振動ひずみと振動応力 b. 貯蔵弾性率と損失弾性率 c. 動的粘弾性関数の周波数依存性
(3)レオロジー測定の注意点
1.測定原理に係わる問題と対策 a. せん断速度の補正 b. 壁面スリップの補正 2.試料物性に係わる問題と対策 a. 時間依存性流動 b. 降伏応力の測定
(4)分散系のレオロジー
1.非凝集分散系の粘度挙動 a. アインシュタインの粘度式 b. ホフマンジャンプ 2.コロイド化学の基礎 a. 電気二重層とDLVO理論 b. 高分子に起因する粒子間力 3.凝集分散系の弾性挙動および降伏挙動 a. 三次元網目構造と降伏応力の発現 b. 凝集分散系の擬塑性流動 4.凝集分散系のレオロジーコントロール a. 高分子と界面活性剤によるレオロジーコントロール b. 会合性高分子によるレオロジーコントロール c. ナノ粒子分散系のレオロジー 5.ケーススタディ ~チクソ性の制御~
講師紹介
<略歴> 1978年 東北大学大学院工学研究科博士課程 修了 1978年 東北大学工学部応用化学科 助手 1982年 千葉大学工学部画像工学科 助手 1987年 アメリカ Princeton大学招聘研究員(1988年8月まで) 2000年 千葉大学工学部都市環境システム学科 教授 <受賞>色材協会 論文賞 (1987) 日本機械学会ROBOMEC表彰(2001) 日本レオロジー学会賞(2005)