
樹脂と金属との接着を解明し、各自が抱える接着問題の解決の指針を得るための
接着のメカニズムー樹脂/金属接着界面の解析と制御―
―構造接着から電子デバイスまで-
樹脂と金属との接着のメカニズムと接着耐久性を解説する特別セミナー!!
- 講師
(株)日鉄技術情報センター 調査研究事業部 客員研究員 工学博士 前田 重義先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
大学「一般化学」程度
習得知識
1)各種材料の表面構造と表面物性 2)表面分析法の活用による樹脂と金属による接着のメカニズム 3)電子デバイスの接着接合と界面解析 4)固体表面と接着耐久性
講師の言葉
樹脂(高分子)と金属との接着のメカニズムを最近の表面分析法の活用によって解明し、化学結合が存在し 得ることを明らかにする。この事実に基づき接着を酸塩基理論とフロンティア軌道論によって統一的に説明し、 分子軌道法の適用によって接着解析を解説する。また材料表面のキャラクタライズによって結合と劣化の支配因子を 構造材料と電子材料について実例を基に解説する。これらによって受講者は接着の最新理論を学習し、各自が 抱える接着や塗装の問題点の解決の指針が得られるものと考える。
プログラム
Ⅰ.結合界面について何がどこまで分ったか?
1.シランカップリング剤/金属界面の質量分析(静的SIMS)による解析と化学結合の実証 2.金属蒸着(メタライズ)高分子膜(Al,Cu,Cr,Ni, Ti/ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、 ポリイミド、PET)系における電荷移動結合 3.金属表面への樹脂薄膜コーティング(ポリアクリル酸、ポリイミド、エポキシほか)の結合構造解析 4.市販エポキシ接着剤/金属接着界面解析とアミン硬化剤の役割(プロトン化)
Ⅱ.界面の化学結合(酸塩基反応)に視点を置いた接着理論の新展開
1.分子間力とは何か、表面力顕微鏡(SFA)による直接測定 2.ルイスの酸塩基とFowkesの理論とその実証例 3.ブレンステッド酸塩基とBolgerの理論とその実証例
Ⅲ.酸塩基相互作用の電子論と分子軌道法による接着解析
1.酸塩基反応の量子化学 2.化学結合におけるイオン結合と共有結合成分の定量化(Dragoの式)と硬い・軟らかい酸塩基(Pearsonの関係)の フロンティア軌道論(LUMOとHOMO) 3.電子線硬化アクリル塗膜の密着性の分子軌道法による解析(MNDO法) 4.蒸着Crとポリイミド樹脂の電荷移動結合の分子軌道法による解析 (a)Hartree-Fock ab initio法 (b)局所密度汎関数(LDF)
Ⅳ.固体表面のキャラクタリゼーションと接着耐久性
1.純金属の表面構造と大気中のオキシ水酸化物膜(MOOH)の生成 2.自動車鋼板のC、Mnおよび Siの表面濃化と表面特性 3.Al合金のMg、Liの表面偏析と接着強度に及ぼす表面偏析成分 4.自動車ボディ用溶融亜鉛めっき鋼板の表面組成と接着耐久性 5.スーパーエンプラ(PPS,PEEK)と鉄系材料の接着界面解析と接着性
Ⅴ.電子デバイスの接着接合と界面解析
1.ダイ接着用導電性樹脂におけるエポキシとポリイミド 2.ポリアミック酸の重縮合膜(ポリイミド)形成におけるCuの界面反応 (酸化銅微粒子析出のメカニズムとその防止) 3.Cu多層配線におけるCu拡散のバリア膜(Ti,TiN,TaN)の界面解析 4.Si(100)表面のエポキシ修飾による含フッ素ポリイミドの接着改善 5.ポリイミド表面のプラズマ活性化並びにシランカップリング剤による接着改善 6.ポリイミドシロキサン/Alloy42(Fe-Ni合金)リードフレームの結合解析と接着耐久性 7.PPS(ポリフェニレンスルフィド)/Cu接着系におけるCuの表面改質 8.Cuリードフレーム接着系(エポキシ樹脂とポリイミド)におけるCuの表面改質 A.アルカリ酸化、B.プラズマ処理及びC.アゾール化合物
講師紹介
<著者略歴> 1960年東京都立大学理学部化学科卒業。同年八幡製鐵株式会社(現新日本製鐵)入社。 以後一貫して表面処理研究開発に従事。新日本製鐵先端技術研究所主幹研究員(1988年)、日本パーカ ライジング(株)総合技術研究所取締役所長(1995年)、パーカー興産(株)常務取締役(1997年)を経て2003年より現職。 この間、東京大学(1985年),名古屋大学(1990年)および九州工業大学(1994年)各工学部大学院非常勤講師兼務。 業績「鋼板の表面制御に関する研究」で科学技術庁長官賞「研究功績者」受賞(1990年) この他、日本鉄鋼協会「鉄と鋼:俵論文賞」、表面技術協会「技術賞」、日本金属学会「技術開発賞」 現在,表面技術学会会員。 九州経済産業局「若手人材育成講座」講師