
短納期開発を円滑に進めるための
ケース・スタディを中心にした短納期ソフトウェア開発における品質確保と生産性向上の両立
ケーススタディによりプロジェクトの成功例,失敗例を挙げ
短納期開発における品質確保,生産性向上の現実的対処法について解説する特別セミナー!!
- 講師
東海大学大学院組込み技術研究科 准教授 工学博士 山浦 恒央先生
(日立ソフトエンジニアリング(株)にて29年間の実務経験を経て現職)
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
短納期ソフトウェア開発における品質確保策と生産性向上策
講師の言葉
世界のソフトウェア開発産業で明確なターニング・ポイントになったのが1999年である。いわゆる「西暦2000年 問題(Y2K問題)」が原因で、1998年まで単調増加していたソフトウェアの新規開発量が有史以来初めて減少 した。2000年を迎え、Y2Kの呪縛がなくなったことと、Web系や組込み系の「軽少短薄」製品が爆発的に、かつ 本格的に世界中へ浸透したため、ソフトウェア開発は極端に納期が短くなり(いわゆる、「デスマーチ・プロジェクト」の 頻発)、バージョンアップの頻度が著しく増えた。 一方、ソフトウェアは社会の根幹的基盤としての重要性が年々増加しており、プログラム・サイズの巨大化、 処理の複雑化を余儀なくされ、同時に高品質を要求されることとなった。一方、ソフトウェアの生産性は、過去40年 ほとんど改善されていないのが現実である(1KLOC/人月)。現代のソフトウェア技術者は、大きくて複雑で高品質 ソフトウェアを早く大量に開発するという矛盾した命題に直面している。 エンジニアリングの本質は、「安い、美味い、早い」を製品で実現することである。中でも、「早い」という時間的 要素は、巨大化、複雑化、短納期化した21世紀のソフトウェア開発で圧倒的に重要である。 本講では、ケース・スタディとして15のプロジェクトの成功例、失敗例を挙げ、短納期開発、および、生産性の 向上に対する現実的な対処法を述べる。
プログラム
1.ケース・スタディ1:20世紀型(1999年以前)ソフトウェア開発での品質保証の実例
(1)デバッグ方式の実例(顧客でのバグ発生率0.002%の実現法) (2)テスト方式の実例
2.ケース・スタディ2:短納期化に対応したソフトウェア開発プロセスの実際
(1)デバッグとテストの融合による短納期化の実際
3.ケース・スタディ3:デスマーチ化したプロジェクトへの対策の実際
(1)ダイハード方式(長時間労働)によるケース (2)人員投入による遅延回復のケース (3)トリアージュ(野戦病院方式)によるケース
4.ケース・スタディ4:海外発注の実際
(1)インド発注の場合 (2)中国発注の場合 (3)アメリカへ発注の場合
5.ケース・スタディ5:再利用による生産性向上の実際
(1)骨格型と使い捨て型の実際 (2)再利用時の工数見積もりの実際
6.ケース・スタディ6:品質向上対策の実際
(1)バグ数予測の実際 (2)2チーム制テストによる品質向上対策
7.ケース・スタディ7:見積もり方法の実際
(1)早期の工数見積もりの実際 (2)遅れ検出のメカニズム
講師紹介
1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、 2006年より東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科准教授、 2007年より同大学大学院組込み技術研究科准教授、現在に至る。 博士(工学)。大阪大学基礎工学研究科情報数理系後期博士課程単位取得退学。 1984年から1986年、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員。 2001年から2004年、IEEE Software産業諮問委員会委員。 2001年から、法政大学情報科学部非常勤講師(オペレーティング・システム)、 2006年、東京大学大学院情報理工学系研究科非常勤講師(ソフトウェア工学)。 ソフトウエア工学に興味を持ち、ソフトウエア検証技法、ソフトウエア・メトリクス、設計パラダイム、 要求仕様分析などを主な研究テーマとする。 主な著書、訳書は、"Advances in Computers" (Academic Press社、共著)、 「ピープルウエア第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ」 「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、 「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウェア・メトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。 情報処理学会、IEEE会員。