
機械製品の信頼性保証技術を確立するための
金属疲労の基礎と機械製品の疲労強度評価および長期信頼性保証技術
金属疲労の基礎,機械・部品の疲労設計法と信頼性保証技術の具体的手法および
最先端の研究趨勢,各種材料強度データの利用法について解説する特別セミナー!!
- 講師
立命館大学 理工学部 機械工学科 教授 工学博士 酒井 達雄先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
機械工学の基礎と初歩の数学があれば十分である。
習得知識
1)機械や構造物の疲労設計法と信頼性保証技術の基礎事項と具体的手法が習得できる。 2)一般公開されている材料強度データベースの現状と有効利用法が分る。 3)金属疲労に関する最先端の研究課題とその到達段階が把握できる。
講師の言葉
近年、科学技術の急速な進歩と相俟って、機械・構造物の使用環境はますます苛酷になる傾向にある。 他方、製品の安全性や信頼性に対する社会的要請は一段と高まっており、社会の基盤技術として機械・構造 物の信頼性保証技術の確立が強く望まれている。 本講では、金属疲労の基礎を解説した上で、機器・部品の疲労設計法と信頼性保証のための具体的手法を 紹介する。 また、最近、国内外ともに厳しい経済環境の中で、点検・保守技術と組み合わせて既設機械構造 物を設計寿命以上に使用せざるを得ない状況があり、部材の超長寿命域における疲労特性の解明が緊急課題に なっている。 したがって、金属材料の超高サイクル疲労特性に関する国内外の研究の趨勢について、最先端の 話題を盛り込むこととする。 さらに、疲労設計や信頼性保証のための基礎データとなる各種材料強度データ ベースの構築状況とその有効利用例や、疲労試験機・試験技術に関する最近の動向についても紹介する。
プログラム
Ⅰ.疲労破壊のメカニズムと統計的様相
1.機械製品の疲労破壊 2.疲労き裂発生と進展挙動 3.疲労き裂進展則と疲労寿命解析 (1)疲労き裂進展則 (2)疲労寿命解析と寿命分布特性 (3)損傷許容設計
Ⅱ.金属材料の確率疲労特性
1.S-N曲線と耐久限度線図 (1)材料のS-N曲線 (2)疲労限度の求め方(演習含む) (3)耐久限度線図 2.P-S-N特性 (1)鉄鋼材料 (2)非鉄金属材料 3.S-N曲線回帰法 (1)S-N曲線回帰法に関する日本材料学会標準 (2)S-N曲線回帰法のデモンストレーション 4.ワイブル統計学の基礎 (1)ワイブル分布 (2)混合分布と複合分布 (3)母数推定法
Ⅲ.金属材料の超高サイクル疲労特性
1.国内における長寿命疲労特性研究の趨勢 2.海外における長寿命疲労研究の趨勢 3.超長寿命域での疲労破壊メカニズム (1)回転曲げ荷重下の疲労特性 (2)回転曲げ疲労破面解析 (3)引張圧縮軸荷重疲労特性 4.超長寿命疲労研究の到達段階と今後の課題 5.疲労試験機・試験技術に関する最近の動向
Ⅳ.金属材料に関する各種強度データベースの整備状況
1.材料強度データベース構築の現状 2.設計現場におけるデータベースの有効利用
Ⅴ.機械・部品の疲労設計と信頼性保証技術
1.材料強度と安全率 2.有限寿命設計と耐久設計 3.疲労信頼性設計の具体的手法
講師紹介
講師のプロフィール 略 歴:1970年 立命館大学大学院理工学研究科修了 1971年 立命館大学理工学部助手 1986年 立命館大学理工学部助教授 1988年-1989年 米国・ワシントン大学客員研究員 1992年 立命館大学理工学部教授 2004年 日本機械学会フェロー (現在に至る) 専 門:材料力学、材料強度学、信頼性工学 所属学会名:(社)日本機械学会、(社)日本材料学会、(社)日本航空宇宙学会、(社)日本設計工学会 現在の研究テーマ: ①金属材料の疲労き裂発生・進展メカニズムの解明 ②金属材料の超高サイクル疲労特性の解明 ③軽量航空機の疲労設計と信頼性解析 ④材料強度データベースの構築と有効利用 ⑤新素材の強度特性評価に関する研究 ⑥各種材料試験機の開発・改良に関する研究 ⑦クリーン・エネルギー創出技術の開発 賞罰: 日本機械学会賞(論文賞)、日本材料学会(論文賞・技術賞・部門功績賞)日本設計工学会(功績賞)等を受賞 書籍名: 1)Databook on Fatigue Strength of Metallic Materials, Elsevier & JSMS 2)材料力学の学び方・解き方、共立出版 3)機械設計法 日本材料学会 4)材料強度学 日本材料学会 過去の講演: 種々のテーマで多数の講演を行った。