受講形式 会場・WEB 受講対象 すべてのものづくりの分野(溶接利用分野)、エンジニア、研究者、営業・商社関係者等 ・レーザ溶接に興味がある人、レーザを利用している人 ・レーザ溶接・接合・リモート溶接、異材接合等を勉強・理解したい方 ・レーザ溶接・接合法を利用・応用展開したい方 ・レーザ溶接・接合において問題点・不明な点・わからない疑問点を持っておられる方 ・レーザ溶接・接合をものづくりや設計に生かしたい方 大学卒業レベル(高等学校卒業、高等専門学校卒業レベルでも可) 予備知識 レーザとレーザ溶接に興味がある方なら特に必要なし。 習得知識 1)各種レーザの特徴と動向 2)レーザ溶接現象(プルーム挙動、キーホール挙動、溶融池内湯流れ、スパッタ発生機構) 3)レーザ誘起プラズマ・プルームとレーザビームとの相互作用 4)パルスレーザスポット溶接にける溶融・深溶込み現象 5)レーザ溶接部の溶込み深さに及ぼす各種因子の影響 6)銅溶接のための高パワーレーザ、青色半導体レーザ、緑色ディスクレーザ、 7)高パワー密度レーザおよびビームモードの効果 8)レーザ溶接継手の機械的特性の評価法 9)レーザ溶接欠陥(ポロシティ、凝固割れ、アンダフィルなど)の発生状況、発生条件、 10)発生機構と防止策 11)レーザテーラードブランク溶接 12)レーザリモート溶接現象 13)レーザ溶接におけるインプロセスモニタリングや適応制御 14)レーザ溶接時のOCT法の利用法と使用時の注意事項 15)レーザ異材接合における考え方 16)Al-Fe、Al-Cuなど異種金属材料のレーザ溶接 17)金属とプラスチックのレーザ直接接合法 18)金属とCFRPとのレーザ直接接合法 など 講師の言葉 レーザは高パワー密度・高エネルギー密度の熱源で、各種材料の溶接・接合が高速・高精度・高品質に可能である。 本講演では、溶接用各種レーザの特徴と動向、レーザ高速リモート溶接時やレーザ深溶込み溶接時のレーザ溶接現象、特に、プルーム挙動、キーホール挙動、溶融池内湯流れ、スパッタ発生状況とそれらに関連する溶込み特性、溶接欠陥の発生機構と防止策、レーザ溶接時のインプロセスモニタリングや適応制御法など、動画を使って詳説する。 また、ポロシティや高温割れの発生機構と防止法、最近注目されているスパッタやポロシティの低減に及ぼすレーザビームモードの効果の考え方、キーホール深さ計測法の原理と実際の測定結果と状況についても解説する。 さらに、各種レーザによる銅の溶接結果、レーザによる異種材料接合技術に関しては、鉄鋼材料とアルミニウム合金やマグネシウム合金、銅とアルミニウムなどのレーザ溶接・接合法、レーザによる金属と樹脂またはCFRPとの直接接合法など、最新情報を紹介する。
プログラム
1. レーザの種類・特徴とその溶接性 1-1.溶接用レーザの種類と特徴 1-2.各種レーザによる溶接の特徴 1-3.レーザビーム品質とその影響 2.レーザ溶接現象 2-1.レーザスポット溶接現象 2-1-1.溶込みおよびポロシティの生成に及ぼす溶接条件の影響 2-1-2.スポット溶接性に及ぼすパルス波形の影響 2-1-3.割れ発生機構と防止策 2-2.レーザビード溶接現象 2-2-1.レーザ誘起プルーム挙動と特徴 2-2-2.レーザビームとレーザ誘起プルームとの相互作用 2-2-3.金属材料のレーザ吸収特性 2-2-4.レーザビード溶接現象(溶込み特性と湯流れ) 2-2-5.溶接性(ポロシティ/スパッタ低減)に及ぼすレーザビームモードの影響 3.各種金属材料のレーザ溶接性 3-1.鉄鋼材料のレーザ溶接性 3-2.アルミニウム合金のレーザ溶接性 3-3.マグネシウム合金のレーザ溶接性 3-4.純銅のレーザ溶接性 4.レーザ溶接欠陥の発生機構と防止技術 4-1.各種溶接欠陥の特徴 4-2.ポロシティの発生機構と防止策 4-3.割れの発生機構と防止策 4-4.スパッタの発生機構と防止策 4-5.低真空中レーザ溶接におけるポロシティおよびスパッタの低減 5.レーザ溶接時のセンシング、モニタリングおよび適応制御 5-1.レーザ溶接のためのセンシング 5-2.レーザ溶接時のインプロセスモニタリング 5-3.レーザ溶接時のモニタリングと適応制御 5-4.レーザ溶接時のキーホール深さ計測 6.異種材料に応じた溶接・接合技術動向 6-1.異種金属材料におけるレーザ溶接・接合法 6-1-1.異種鉄鋼材料のレーザ溶接 6-1-2.鉄鋼材料と軽金属とのレーザ異材接合 6-1-3.Al-Cu、Fe-Mgなどのレーザ溶接・接合 6-2.金属とプラスチックのレーザ直接接合 6-2-1.各種金属と各種プラスチックのレーザ直接接合法 6-2-2.各種金属とCFRP(炭素繊維強化プラスチック)のレーザ直接接合 6-3.異種材料でのレーザ接合部の接合機構 6-4.実用化に向けての溶接・接合部の評価結果 質疑・応答 講師紹介 略歴 昭和50年 大阪大学大学院工学研究科溶接工学専攻修士課程修了 昭和55年 大阪大学大学院工学研究科接工学専攻後期課程単位取得退学 昭和56年 大阪大学溶接工学研究所助手 (工学博士) 平成9年 大阪大学接合科学研究所助教授 平成14年 大阪大学接合科学研究所教授 平成25年 大阪大学接合科学研究所長 平成28年 大阪大学 退職 大阪大学名誉教授(現在) 平成28年 (株)ナ・デックス 技術統括フェロー/ナ・デックスレーザR&Dセンター長 (現在) 平成28年~令和4年 大阪大学 接合科学研究所 招聘教授 令和4年4月~9月 広島大学 客員教授 学協会活動 レーザ加工学会 会長(平成22年~平成27年)、査読委員会委員長(平成27年~現在) 監事(平成27年~現在) 溶接学会理事(平成23年~26年度)、高エネルギービーム加工研究委員会委員長(平成23年~27年度)、 委嘱委員(平成27年度~現在) 日本溶接協会 理事(平成25年~26年度)、レーザ加工技術研究委員会 委員長(平成27年~令和4年4月)、 監事(令和4年5月~現在) 軽金属溶接協会理事(平成24年~平成26年度)、レーザ溶接委員会委員長(平成14年~令和4年4月) JIW委員会理事、第IV委員会委員長 (平成20年~令和2年) 第VI委員会委員長(令和4年~現在)、他