
納期が非常に厳しくなったソフトウェア開発を成功に導くための
「デスマーチ化したソフトウェアプロジェクトの推進と問題解決」
~開発期間を半分に短縮された「デスマ」での実践的な開発方法~
必要な開発期間の半分以下に短縮されたソフトウェア開発での具体的対策,
耐性ある現実的な開発手法,効果的な手法などについて解説する特別セミナー!!
- 講師
東海大学大学院組込み技術研究科 准教授 工学博士 山浦 恒央先生
(日立ソフトエンジニアリング(株)にて29年間の実務経験を経て現職)
- 日時
- 会場
- 受講料
- (消費税等込み)1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
ソフトウェア開発に携わっている方なら特になし
習得知識
1)デスマーチプロジェクト(開発期間を半分以下に短縮されたプロジェクト)への具体的対策 2)デスマーチ耐性のある現実的な開発手法
講師の言葉
ソフトウェア開発や設計手法の分野で、「賢人」、「長老」として名高いエドワード・ヨードンが1997年に『Death March』の初版を出版した。松原氏と共訳し、『デスマーチ』として日本で出た1998年当時、何の話題にもなら なかった。 しかし、第2版(原著は2004年、日本語訳は2006年)が出た頃から、日本でも大きなトピックスになり 今では「デスマ」と略語になるまで一般化した。 日本で「デスマーチ」が恒常化した事実は、訳者として非常に 複雑な思いがする。 「Y2K」対策の混乱がなくなった2000年以降、軽薄短小の組込み系製品が爆発的に増えたことにより、組込み 系製品のハードを制御するソフトウェアは、巨大化、複雑化しただけでなく納期が非常に厳しくなった。 デスマーチの定義は、「実際に必要な開発期間の半分以下に短縮されたスケジュールのプロジェクト」であり、 現在では、ほとんど全てのプロジェクトがこれに該当する。 本セミナーでは、デスマーチの発生メカニズム、デスマーチの登場人物を分析する。それをベースに、デスマーチ での具体的な対策法、デスマーチに耐性のある現実的な開発手法、大きな効果のある手法など、デスマーチとの 実践的な戦い方を示す。
プログラム
1.デスマーチ・プロジェクトの定義と分類
(1)定義:結局、全世界のプロジェクトがデスマーチ!? (2)分類:「自滅型」「モーレツ型」「カミカゼ型」「スパイ大作戦型」
2.デスマーチ・プロジェクトが生まれる9つの理由
(1)営業部門や上層部の暴走 (2)未経験者による楽観的見積もり (3)政治抗争の道具 (4)ベンチャー企業の夢物語 (5)開発会社の体育会系体質 (6)国際競争の激化 (7)新技術登場による競争激化 (8)予期せぬ規制緩和 (9)不測の事故
3.デスマーチ・プロジェクト劇の登場人物
(1)オーナー(出資者) (2)顧客 (3)利害関係者 (4)スーパーマン
4.デスマーチ・プロジェクトへの4つの具体的対策
(1)「ダイハード式」:確実に失敗する方法 (2)「人員増員方式」:最も一般的に見えるが…… (3)「野戦病院方式」:合理的なのに適用例は少ない (4)「出荷時期延長」:理想的だが、まずあり得ない
5.(時間だけが潰れる)会議への対策
(1)(時間が一番貴重な資源である)デスマーチでの会議の実際 (2)会議で時間を潰されないために
6.「XP」と「SLIM」:デスマーチ・プロジェクトとの戦い方
(1)XPはデスマーチの救世主になるか? (2)対デスマーチ最強の武器:「SLIMの最短開発期間」
7.デスマーチ耐性のあるソフトウェア開発法
(1)機能レベルの分類:基本機能(必須)、拡張機能、フル機能 (2)品質レベルの分類:基本テスト(正常+基本エラー)、拡張テスト、フル・テスト (3)開発エンジニアのレベル
講師紹介
1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、 2006年より東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科准教授、 2007年より同大学大学院組込み技術研究科准教授、現在に至る。 博士(工学)。大阪大学基礎工学研究科情報数理系後期博士課程単位取得退学。 1984年から1986年、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員。 2001年から2004年、IEEE Software産業諮問委員会委員。 2001年から、法政大学情報科学部非常勤講師(オペレーティング・システム)、 2006年、東京大学大学院情報理工学系研究科非常勤講師(ソフトウェア工学)。 ソフトウエア工学に興味を持ち、ソフトウエア検証技法、ソフトウエア・メトリクス、設計パラダイム、 要求仕様分析などを主な研究テーマとする。 主な著書、訳書は、"Advances in Computers" (Academic Press社、共著)、 「ピープルウエア第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ」 「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、 「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウェア・メトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。 情報処理学会、IEEE会員。