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耐用寿命や部品交換期間の途中での摩耗故障の顕在化が許されない

電子機器の品質保証のためのExcel利用による搭載電子部品の信頼性検証
- 耐用寿命と初期故障率(EFR)のデータ解析 -

試験計画,目標品質に合ったデータ解析,信頼性試験の手順について
                  PC演習を含めて解説する特別セミナー!!

講師

三菱電機コントロールソフトウェア(株) 姫路事業所 技術第2部 技術第1課 シニアエンジニア 
三菱電機(株) 姫路製作所 品質保証部 電子デバイス品質保証課 駐在
松岡 敏成先生 (日本信頼性学会 信頼性試験研究会 副主査 )

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
(消費税等込み)1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

 ・信頼性試験の実務経験がある方が理解しやすい。
 ・ワイブル確率紙を使ったデータ解析経験がある方が理解しやすい。
  いずれも講演中に概要を説明する予定ではあるが,実際にそれらに携わったことのある人の方が理解しやすい。

習得知識

 1)使用用途に適合した電子部品の認定評価計画
 2)OC曲線に基づく最適抜取り試料数の設定
 3)摩耗故障の計数抜取り信頼性試験計画とデータ解析
 4) 〃  の計量抜取り信頼性試験計画とデータ解析
 5)製造工程の故障データの解析手順と初期故障率の推定
 6)スクリーニング条件の最適化手法
 7)工程内故障率の管理水準の設定方法

持参品

 Excelのインストールされたノートパソコン(CD-R読取装置付き)

講師の言葉

 電子機器やその搭載部品である電子部品は非修理系製品であり,システムの使用者が求める耐用寿命や
許される部品交換期間の途中において,摩耗故障が顕在化することは許容されない。 またその期間の途中で
発生する初期故障も,原則としてゼロディフェクト品質が求められ,稼働時間とともに故障が累積することを
最小限に抑えることが求められている。
 これらの信頼度目標を効率よく効果的に検証するために,摩耗故障の寿命分布と初期故障の寿命分布を区別
して試験計画を立て,目標品質に適合する精度のデータ解析を行い,機器の品質保証に役立つように信頼性
試験を進める手順について解説する。
 この信頼性検証の手順では,電子部品メーカと電子機器メーカが持つ情報を融合させることが必要になる。 
 お互いがこの手順を理解し,スムーズに情報交換が進められる関係を築くことがポイントになる。
 そして最終的に,エンドユーザーに対する安全と安心を与えるような高い信頼性をもち,故障による無駄の少ない
エコ製品づくりにも役立つことを期待している。

プログラム

1.セミナ-概要
 1.1 現状の信頼性試験における問題点の整理
 1.2 講座の狙い
 1.3 用語と定義
 1.4 参考文献一覧
2.信頼性の定量化
 2.1 電子部品の寿命分布(摩耗故障,初期故障,偶発故障)
 2.2 信頼性を表す統計量
 2.3 寿命分布のモデル化(ワイブル分布)
 2.4 ワイブル確率紙・ワイブル型累積ハザード紙
 2.5 ワイブル確率紙で表す電子部品の寿命分布
 2.6 試料数と故障の率の関係(OC曲線)
  (演習1)抜取試験で検証できる故障率の計算(BETAINV関数)
3.実使用に対する適合性の認定評価の流れ
 3.1 信頼性決定試験と信頼性適合試験
 3.2 目標信頼度(許容不信頼度)の確認
 3.3 実動作環境の確認
 3.4 故障モードと故障メカニズムの確認
 3.5 加速モデルと最適加速試験項目の選択
 3.6 試験サンプルの決定
 3.7 試料数と試験時間の調整
 3.8 試験条件の共有化と試験結果の確認
 Q&A
4.電子部品のストレス履歴の調査
 4.1 電子部品メーカでの出荷スクリーニング
 4.2 電子機器メーカでの受入スクリーニング
 4.3 電子機器への実装工程
 4.4 システムへの組付け工程
 4.5 市場のストレス分布
  (演習2)市場ストレス分布の平均化(ゴールシーク機能)
5.摩耗故障の寿命分布の検証
 5.1 加速寿命試験    
 5.2 計数抜取信頼性試験 
  (演習3)試験条件における耐用寿命と試験時間の調整(ワイブル分布)
 5.3 計量抜取信頼性試験 
  (演習4)母平均と母分散の算出(TINV関数,CHIINV関数)と
	累積故障の率の推定(工程能力指数とNORMSDIST関数)
 5.4 125℃、1000[hrs]試験の検証範囲
 5.5 目標を満足しない試験結果の再考察
 5.6 期待故障率による信頼度検証の問題点
 Q&A
6.初期故障の寿命分布の検証
 6.1 公的な初期故障率の検証試験規格 
 6.2 電子部品メーカ工程情報に基く初期故障率の検証 
 6.3 市場の初期故障率推定
  (演習5)市場EFRの推定(累積ハザード)
7.強度試験・限界試験結果の解析
 7.1 はんだ耐熱試験結果の解析 
 7.2 静電破壊耐量試験結果の解析事例
 7.3 電気的特性のばらつき評価と抜取検査
  (演習6)正規確率紙を使った特性ばらつき評価
8.まとめ
 8.1 試験結果のレビューと品質管理基準への落し込み
 8.2 信頼性のコスト
 8.3 品質工学適用の信頼性向上への効果
 8.4 信頼性管理の心構え
 Q&A

講師紹介

 <略歴>
 1985年4月 現勤務先入社
 同年 7月 三菱電機姫路製作所 駐在
      ・購入LSIの認定評価,故障解析,流動品質管理を担当
      ・およびその支援ツールとしてのLSIテストプログラム,
       データベースの作成業務も担当.
 1999年  日本信頼性学会入会,現在関西支部役員
 2000年  同学会 信頼性試験研究会参加,現在副主査
 2009年3月 信頼性試験研究会 研究報告
      「電子部品の信頼性試験ガイドライン」執筆