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異常検査データを検出した際に生体機能障害の病態生理・生理学的な解析を行うための

臨床検査値の見方と有害事象の判断の仕方
~臨床検査値が基準値を外れていた場合の考え方~

得られた検査値の変動が真の生理的変動なのか,薬物による有害反応の反映なのかの
                            判断の仕方について解説する特別セミナー!!

講師

昭和大学 医学部 臨床病理学教室 教授 医学博士 福地 邦彦先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
(消費税等込み)1名:42,000円 同時複数人数申込みの場合 1名:36,750円
テキスト

受講概要

予備知識

 研修現場で十分議論するので、日常業務から得られた知識で十分。

習得知識

 薬剤による有害反応を示唆する検査項目のそれぞれが、生体の代謝機構のどこに位置するのかを理解する
ことで、障害を受けた臓器とその程度を推測し、正しい議論の俎上に載せる。

講師の言葉

 臨床治験の現場では多くの検査が行われており、その結果の組み合わせで投与薬剤による生体へ及ぼす
障害の判定を行っている。 この過程で、AST(GOT)の上昇を見たら肝障害、や、多少のBUN高値で腎障害など
異常値と障害臓器を短絡的に特定してしまうと、過度に有害反応との判定をしてしまうこともあり、また、場合に
よっては、真の障害を見逃すこともある。 特に、薬物投与中には、検査値の軽微な変動はしばしば認められる
ことであり、モニターと臨床医との議論の中で、“生理的変動”と片付けられてしまうことも多い。そこで、得られた
検査値の変動が、真の生理的変動なのか、薬物による有害反応を反映しているのかを考察する必要がある。
 この考察のためには、検討している検査データが生体の代謝経路のどの段階に位置するのかを正確に
理解したうえで、臨床データと統合し、臨床医と的確な議論をする必要がある。
 本研修では、異常検査データを検出した際に、生体機能障害の病態生理・生化学的な解析を行うための基礎
知識を習得することを目的とする。

プログラム

1. 臨床の現場では、検査伝票のどこに注目しているのか
 1) 基準値から外れていると直ちに“異常”を考慮しなくてはならない項目は。
 2) 基準値から外れていても他の項目との関連や、患者背景を考慮しなくてはならない項目は何か。
   軽微な変動、境界値の考え方。
 3) パニック値
 4) 偽高値、偽低値の解釈
2. 炎症応答を反映する検査
 1) 生体の応答メカニズム
 2) 検査値変動のメカニズム
   白血球増加、炎症性サイトカイン上昇、CRP高値、赤沈亢進の炎症の時間経過との関連。
3. 肝傷害マーカーと肝機能障害マーカー
 1)肝臓の機能と肝機能低下症状
 2)肝機能マーカーと呼ばれる検査項目には、肝細胞の破壊を示すものと、肝細胞の機能障害を示すものが
  ある。すなわち、肝細胞傷害の指標としては血清中のAST(GOT)、ALT(GPT)、LDHなど、肝機能のひとつで
  ある解毒能の障害マーカーとして血清アンモニア、ビリルビン、そして、肝細胞による蛋白合成能の障害と
  マーカーとして血清アルブミン、プロトロンビン、およびコリンエステラーゼがある。 機能障害と細胞傷害を
  区別して解析することが、肝臓の状態把握に必須である。
4. 腎機能マーカー
 1)腎臓の機能と腎機能低下症状
 2) 腎機能マーカー
   腎機能が障害され、身体に重大な影響を及ぼすのは、アシドーシス、高カリウム血症である。腎機能
  マーカーとしてしばしば用いられるBUNやクレアチニンは、それらの高値が有害なのではない。特に軽度の
  BUN上昇は、しばしば認められる現象であり、その詳細な機序を理解する。
 3) 腎障害を早期から検出するには、何が適切か。
5. 貧血のマーカー
 ヘモグロビン濃度が最も鋭敏な貧血マーカーとなる。次いで、貧血の種類を判定するには、赤血球恒数の
 算出が必須である。貧血の原因を鑑別する手順を理解する。

講師紹介

 昭和56年 昭和大学医学部卒
 臨床検査専門医、臨床検査管理医