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早期に権利化を図るための

バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬等の生物学的特許の権利化と特許戦略

バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬の特許出願ノウハウおよび
        知的財産戦略について解説する特別セミナー!!

講師

園田・小林特許事務所 横浜オフィス 弁理士 奥野 彰彦先生
京都学園大学 バイオ環境学部 非常勤講師
鳥取大学大学院 工学研究科 非常勤講師

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
(消費税等込み)1名:47,250円 同時複数人数申込みの場合 1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

 特許制度の概要、バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬の概要

習得知識

 1)バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬についての特許出願ノウハウの習得
 2)バイオ医薬・抗体医薬についての効果的な知財戦略立案能力の習得

講師の言葉

 これまでの医薬品業界では、低分子有機化合物のライブラリーを作成して、スクリーニングによって医薬品
候補化合物を探索するという古典的な創薬ストラテジーが採用されてきた。 しかし、日米欧を中心とする先進国の
医薬品マーケットでは、既に新薬として認可を受ける医薬品のうちかなり多くの割合がバイオ医薬・抗体医薬と
なってきており、このようなバイオ医薬・抗体医薬の研究開発においては古典的な創薬ストラテジーとは異なる
手法が用いられるケースが多い。創薬ストラテジーが異なれば、創薬に関する研究成果を保護するための知財
戦略も異なることになる。バイオ医薬・抗体医薬の研究開発では、はじめに化合物ありきの従来のスクリーニング
主体の創薬ストラテジーではなく、はじめにターゲット・メカニズムありきの創薬ストラテジーを採用するケースが
多いため、in vitroのレベルにおいて、ターゲットとする遺伝子・蛋白質・メカニズムを見出した場合には、その
遺伝子・蛋白質・メカニズムに関する抗原に結合する抗体について早期に権利化を図っておくことが重要である。

プログラム

◆第1部
 1.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬とは(市場・定義・種類)

 2.特許制度の簡単なおさらい

   1)特許権が取れる発明とは?

                   a.法上の発明

                   b.産業上利用性

                   c.新規性・進歩性

                   d,バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に特有の留意点

  2)特許権を取るための明細書とは?

                   a.サポート要件・実施可能要件

                   b.クレームの記載要件

                   c.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に特有の留意点

  3)特許権が取れた場合の権利範囲とは?

                   a.発明の技術的範囲

                   b.技術的範囲の解釈方法

                   c.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に特有の留意点

  3.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に関する審査基準

      1)生物関連発明の審査基準

      2)医薬発明の審査基準

      3)用途発明の改訂審査基準

 4.三極プロジェクト

     1)「リーチ・スルー」クレームについての比較研究(三極特許庁)

 5.用途発明についての最近の動き

     1)主要国における用途発明の審査・運用に関する調査研究(知財研)

     2)用途発明の審査・運用の在り方に関する調査研究(知財研)

     3)用途発明―医療関連行為を中心として―(知財研)

 6.進歩性についての最近の動き

     1)進歩性等に関する各国運用等の調査研究報告書(AIPPI)

     2)特許制度の在り方(進歩性、特許法第36条)についての研究報告(弁理士会)

     3)進歩性検討会報告書(特許庁審判部)
◆第2部
 1.強い特許明細書・クレームとは何か?

 2.必要な実験データはどこまで?

     1)サポート要件・実施可能要件を満たす必要あり

     2)ノウハウを隠す必要有り

 テクニック1:釣道具は開示せず、釣果のみ開示する

 テクニック2:ダミー化合物の中に本命化合物を隠す

 テクニック3:実験プロトコル&定性データのみ開示する

 テクニック4:定量データは実験成績報告書で後出しジャンケン

 テクニック5:作用機序を開示すべき場合隠すべき場合

 テクニック6:薬理データを開示すべき場合隠すべき場合

 3.広くて強いクレームとは?

     1)化合物クレーム&剤クレーム&医薬クレームのどれが有利か

     2)構成・作用・効果のどれで差別化するのが有利か

 テクニック1:成分・組成物の構成の違いで差別化

 テクニック2:試験管内の生化学的作用を限定して差別化

 テクニック3:細胞内の生理学的作用を限定して差別化

 テクニック4:組織・臓器・個体での病理学的作用を限定して差別化

 テクニック5:効果のある疾患・病態・患者を限定して差別化

 テクニック6:薬理データがある場合ない場合のクレームの立て方

 4.ユニバーサル・ドラフティングという考え方

     a.日米欧・BRICSに対応可能な理想のユニバーサル・ドラフティング

 5.日米欧に対応可能な特許明細書・クレーム

     1)先進国で新規性・進歩性を満たす

     2)先進国のライバルにアッセイ系を教えない

     3)先進国のライバルに候補化合物を教えない

 6.BRICSに対応可能な特許明細書・クレーム

     1)発展途上国で実施可能要件を満たす

              a.発展途上国のライバルに製造困難な製造方法の書き方
◆第3部
 1.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に関する審判決例

  1)用途発明についての日本の重要判決例

  2)日米欧中におけるバイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬の重要審決例

 2.バイオ医薬・抗体医薬・核酸医薬に関する知財戦略

     1)マイケルポーターの競争戦略(強者の戦略)

     2)ランチェスター戦略(弱者の戦略)

     3)戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-(特許庁)

 3.欧米系大手製薬企業によるパテントマイニング(特許地雷)戦略

     1)DNAチップ、プロテインチップを用いたハイスループットスクリーニング

     2)粗々のin vitroの実験データにより遺伝子・蛋白の機能解析

     3)解析した機能について地雷発明を埋め込む

     4)多数の遺伝子・蛋白をまとめて一出願

     5)どんどん分割して常に係属させておく

     6)ライバル企業が新製品の開発に着手したら地雷発明の1つを当て込む

     7)ライバル企業の医薬発明の特許出願には改良発明をかぶせ込む

     8)地雷発明・改良発明で挟み撃ちにしてライバル企業の動きを封じる

              a.有利な立場を確保した上で紳士的にライセンス交渉・警告・権利行使

講師紹介

 ◇所有資格
  ・情報処理技術者 旧1種、2種 (情報セキュリティアドミニストレータ、初級システムアドミニストレータ、
  基本情報処理技術者)
  ・バイオインフォマティクス検定2級

 ◇使用可能言語
  日本語(ネイティブレベル)、英語(ビジネスレベル)、中国語(日常会話レベル)

 ◇学歴
  1997年 3月 京都大学農学部農芸化学科卒業(生化学研究室)
  1999年 3月 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修士課程修了(分子細胞生物学研究所
            細胞構造研究分野)

 ◇職歴
  1999年 4月  サントリー株式会社入社
  2001年 4月  深見特許事務所入所
  2003年11月  プライムワークス国際特許事務所入所
  2003年12月  弁理士登録
  2004年12月  特定侵害訴訟代理業務試験合格
  2005年 1月  大野総合法律事務所入所
  2006年 4月 園田小林特許事務所入所
  2008年10月 園田・小林特許事務所 横浜オフィス(正式名称:奥野特許事務所)を設立

 ◇主な知財関連研修受講歴
  2005年 8月 上海専利商標法律事務所にて中華人民共和国の知的財産実務のトレーニングコースを修了
  2006年 2月 産業技術総合研究所(AIST)生命情報科学研究センター(CBRC)にて
            創薬インフォマティクス技術者養成コースを修了
  2007年 3月 財団法人知的財産研究所 IIP知財塾 塾生 第一期生 修了
            (指導教官:中山信弘教授、竹田稔弁護士)
  2008年 8月 GORODISSKY&PARTNERSにてロシア連邦の知的財産実務のトレーニングコースを修了

 ◇公的活動
  ◆ 2009年度  日本弁理士会農林水産知的財産対応委員会 委員
  ◆ 2009年度  京都学園大学 バイオ環境学部 バイオサイエンス学科
            知的財産権特論 非常勤講師
  ◆ 2009年度  国立大学法人鳥取大学 大学院工学研究科 
                          機械宇宙工学特別講義 非常勤講師
  ◆ 2009年度  独立行政法人情報通信研究機構(NICT)研究推進部門知財推進グループ
            研究成果技術移転支援業務担当

  ◇論文等
  ◆ "Overexpression of gnsA, a Multicopy Suppressor of the secG Null Mutation, Increases Acidic
   Phospholipid Contents by Inhibiting Phosphatidylethanolamine Synthesis at Low Temperatures",
   Journalof Bacteriology, Sept. 2004 p.5968-5971
  ◆ 「中小企業のための競争力を高める知財経営」浜銀総合研究所 ベストパートナー 巻頭特集座談会 2006年 
  ◆ 「知的財産権紛争のADR入門編」日本弁理士会 e-ラーニング教材(共著) 2006年
  ◆ 「知的財産権紛争のADR中級編」日本弁理士会 e-ラーニング教材(共著) 2006年
  ◆ 「特許権の価値向上」IIP知財塾 第一期 成果報告会(共同研究) 2006年
  ◆ 「国境を越えた知的財産権の侵害」IIP知財塾 第一期 成果報告会(共同研究) 2006年
  ◆ "Protection of Medical Device Inventions in Japan" Managing Intellectual Property Japan IP Focus 2006
  ◆ 「中華人民共和国における製造方法発明の保護」IIP知財塾 第一期 夏期合宿 (単独研究) 2006年
  ◆ 「農林水産分野における知的財産テキスト入門編」社団法人農林水産先端技術産業振興センター(共著) 2007年
  ◆ 「音響商標の保護」IIP知財塾 第一期 成果報告会(共同研究) 2007年
  ◆ 「知財スキル標準と人材育成」IIP知財塾 第一期 成果報告会(共同研究) 2007年
  ◆ 「昆虫テクノロジーに関する知的財産報告書」農林水産先端技術産業振興センター 2007年
  ◆ 「ビジネス関連特許の審査対応手法に関する一考察」日本弁理士会 パテント誌(共著) 2007年10月号
  ◆ 「農林水産分野における知的財産活用事例調査報告書」全国農業改良普及支援協会 2008年 1月
  ◆ 「知っておきたいソフトウェア特許関連判決 任天堂ゲームボーイアドバンス事件」 日本弁理士会 
    パテント誌(共著)2008年 3月号
  ◆ 「普及組織における知的財産への取組のあり方」 社団法人全国農業改良普及支援協会 2008年3月
  ◆ 「抗体医薬品の特許出願戦略と強い特許明細書の書き方・クレームドラフティング」 技術情報協会通信
    講座テキスト 2008年
  ◆ 「ビジネスモデル特許・バイオインフォマティクス特許の共通点・相違点」 日本知的財産協会 知財管理誌 2008年
  ◆ 「農林水産分野における地域限定型オープンイノベーション戦略の提案」 日本弁理士会 パテント誌 
    2008年 9月号
  ◆  大特集『ワクチン開発最前線と今後の動向』「ワクチンに関する特許出願の留意点」 技術情報協会 
    月刊「PHARMSTAGE」ファームステージ 2009年 1月号