
複数物体の形状や三次元位置を同時に認識することができる
車載カメラにおける立体画像認識技術とその実用化
ステレオカメラによる画像認識技術、リアルタイム処理、補正・校正法などについて
実演を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター 准教授 理学博士 実吉 敬二先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
必要な予備知識
易しいところから説明するので特に必要ありません。
受講後の修得知識
1)車載用ステレオカメラについての基礎知識が身に付き、実用上重要なポイントをつかむことができる。 2)ベーシックではあるが、自分でステレオカメラを設計できるようになる。
講師の言葉
自動車は人間の移動能力を飛躍的に高め、いつでもどこへでも自由に移動できる最高の道具である。 しかしその自由さ故に衝突事故も絶えない。残念ながら人間は過ちを犯す動物であり、どうしても人間の安全運転 には限界があって衝突事故はなかなか減らない。そこで自動車側から衝突を未然に防ごうという研究が盛んに 進められている。車載カメラは交通環境を認識して衝突の危険を察知し、自動車の衝突回避を制御するための 最も重要なセンサーの一つである。 本講演では、その具体的な方法として特にステレオカメラによる方法を解説する。ステレオカメラは複数物体の 形状や三次元位置を同時に得ることができるので衝突回避にとって最も適したセンサーであり、単眼カメラと 比較しながら、その優位性を述べる。ステレオカメラで問題となるリアルタイム処理についても述べ、リアルタイム ステレオカメラの実演も行って、その優れた性能を身近に感じていただく。さらに実用化に向けた技術的課題や その解決方法について述べる。時間の許す限り、ステレオカメラの実用化を阻む様々な問題について取り 上げたい。特にミスマッチングが大幅に減る補正・校正法や感度差の問題などを詳しく述べる。
プログラム
1.自動車の安全と車載カメラに必要な性能
1.1 安全な自動車とは 1.2 政府の進めるプロジェクト 1.3 センサーに求められるもの 1.3.1 障害物だけでは片手落ち 1.3.2 距離について 1.3.3 視野角について 1.3.4 最適な波長 1.3.5 その他必要な条件 1.3.6 様々なセンサーの比較
2.単眼カメラによる画像認識
2.1 よく使われる画像処理 2.1.1 移動平均処理 2.1.2 ソーベルフィルタ 2.1.3 ラプラシアンによるエッジ検出 2.1.4 シャープネスフィルタ 2.1.5 グループ化 2.1.6 ハフ変換 2.2 単眼カメラによる交通環境認識 2.2.1 白線の検出 2.2.2 先行車両の検出 2.3 単眼カメラの限界 2.3.1 オプティカルフロー 2.3.2 動的ステレオ法
3.ステレオカメラによる画像認識
3.1 ステレオカメラの基礎 3.1.1 ステレオカメラの幾何 3.1.2 距離情報の取得 3.1.3 マッチングの方法 3.1.4 原画像からの情報との融合 3.2 ステレオカメラによる交通環境認識 3.1.1 白線の検出 3.1.2 立体物の検出 3.1.3 動きの検出 3.1.4 壁の検出 3.1.5 道路面の検出
4.リアルタイムステレオカメラ
4.1 リアルタイム処理の仕組み 4.2 FPGAによる実装 4.3 リアルタイムステレオカメラの実演 4.4 自律走行車 4.5 開発時代のビデオ
5.実用化への課題
5.1 補正と校正 5.1.1 歪の補正 5.1.2 カメラの校正 5.1.3 補正と校正の一体化 5.2 カメラ間の輝度差 5.2.1 シェーディング 5.2.2 ログ変換とその効果 5.3 オクルージョン 5.4 悪天候の対策 5.5 その他の問題と対策
6.終わりに
講師紹介
略歴 1981年 東京工業大学大学院応用物理学専攻博士課程修了 同年 東京工業大学大学院総合理工学研究科教務技官 1982年 ドイツ・デュイスブルグ大学研究員 1983年 米国ローレンスリバモア研究所研究員 1988年 富士重工業株式会社研究主査 1998年より現職 所属学会・協会 日本ロボット学会、自動車技術会、日本放射線安全管理学会