
実際の応用に役立てるための
センサシステムにおける画像処理技術とその応用
-産業分野での実利用システム開発をめざして-
センサと画像技術の基礎および実際の開発研究例までをていねいに解説する特別セミナー!!
- 講師
近畿大学生物理工学部 知能システム工学科 非常勤講師 工学博士 稲荷 隆彦先生
三菱電機(株)にて光・画像によるセンサシステム開発を担当後、
近畿大学生物理工学部 知能システム工学科 教授を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
必要な予備知識
特に条件はないが,できるだけ技術系の高校程度の知識が望ましい。パソコン,プログラムのごく基礎的な 知識,簡単な光学の知識があれば最も望ましい。
受講後の習得知識
1)センサと関連付けた画像技術の基礎 2)光学技術を含む画像センサに必要な周辺の知識 3)画像処理のプログラミングの基本構造 4)画像センサの実用化の要領と課題
講師の言葉
画像を利用したセンサは人の目に代わるセンサです。生産システムや交通などの分野で人の目の役割の 重大さを考えれば,システムの自動化や安全対策のため,画像利用の必要性は明らかです。 この分野は必要性が痛感されながら,長い間困難な課題として地道な研究開発がおこなわれて来ました。 近年の画像検出に用いられるセンサ素子やコンピュータ能力の発達により,画像センサの実用が現実の ものとなり,これからの発展が大いに期待されます。また人の目に代わるほど高機能でなくても,画像をうまく 利用した新しいセンサもいろいろ工夫されています。画像技術はもちろん,センサの開発をこれから始めようと する初心の方から,画像利用を高度に進めようとする技術者の方まで,実際の応用に役立ててもらえることを 目的とします。 講演ではまずセンサと画像技術の基礎を解説し,課題解決の参考となるよう,実際の応用のための研究 開発例までていねいに講義する予定です。
プログラム
Ⅰ.画像利用センサシステムの基礎
1.センサのシステムとしての機能 a. センサはシステムである b. センサを構成する技術 2.二次元イメージング技術 a. 二次元像の検出方法 b. イメージセンサの基礎 c. 三角測量法の原理 3.画像利用の基礎技術 a. 画像センシング分野のスコープ b. 画像処理システムの構造 ・ 画像処理ハードウェアの構成 ・ 画像処理機能の構成 c. 主な基本画像処理 ・ 画像データの変換処理(二値化処理,フィルタリング処理等) ・ 特徴抽出処理(特徴量の例,位置姿勢の特徴等) ・ 判定・認識の処理 d. ロボット等の応用システム ・ 基本的なロボット視覚システム ・ 三次元視覚システムの課題 4.画像処理の基本的なプログラムの構成(c言語をベースとして) a. 基礎として;データ変換(二値化など) b. 少し複雑に:テンプレートマッチング
Ⅱ.画像利用センサの開発研究例
1.位置,距離,形状のセンサ a. 三角測量方式利用距離センサの精度 b. ハイライト像利用三次元視覚システム 2.画像処理による目視検査の自動化 a. テンプレートマッチングと平面状対象への適用 b. テンプレートマッチングの搬送される対象への適用 3.安全,点検監視センサの基礎 a. 自動車・交通用画像処理への試み b. 点検・監視のための適応露光制御の課題 4.表面性状計測から感性計測へ a. レーザ光の散乱分布による表面粗さ計測,欠陥形状の識別 b. パターン投影法による表面粗さ計測 c. パターン投影法による人の光沢感計測 5.新しいセンサ分野にかえて,人の感性の表現のための計測
講師紹介
昭和36年京都大学理学部物理学科卒業,三菱電機中央研究所入社。 中央研究所から生産技術,産業システム各研究所勤務。ロボット,生産自動化の研究開発に従事, 主として光,画像によるセンシングの実用システムの開発を担当した。 平成6年近畿大学生物理工学部知能システム工学科教授に就任, 平成18年まで上記分野の教育,研究に従事した。工学博士 所属学会(現在): 計測自動制御学会,電気学会 現在の研究テーマ: 光学パターンによる表面性状計測,光沢計測 感性計測,色彩,美術分野の人に与える印象の研究目視検査,異常検出の研究 書籍(自著): 基礎センサ工学(コロナ社,2001年) センシング工学(共著,オーム社,1999年) -専門家でなくても基礎から学べる- 初歩の機械制御工学(自費出版,三恵社,2005年) 過去の講演:学会,国際会議多数 一般セミナーでは平成5年以前では,センサ,ロボット,視覚技術,センサ応用全般目視検査自動化など多数