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新規鎮痛薬の創製が強く望まれている

慢性疼痛の発症機序と新規鎮痛薬の分子標的

慢性疼痛の発症機序、既存鎮痛薬の現状と問題点および
                   新規鎮痛薬の分子標的、候補、問題点を解説する特別セミナー!!

講師

京都大学大学院 薬学研究科生体機能解析学分野 准教授 薬学博士 薬剤師 中川 貴之先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:42,000円 同時複数人数お申込みの場合1名:36,750円
テキスト

受講概要

必要な予備知識

薬理学・神経科学の一般的知識(医歯薬系大学卒業程度)

受講後の修得知識

1)痛みの発生・伝達機構
2)慢性疼痛の発症機序
3)既存鎮痛薬の作用機序と問題点
4)新規鎮痛薬の分子標的

講師の言葉

  痛みは大きく急性疼痛と慢性疼痛に分類できますが、急性疼痛が生体防御警告系として重要な役割を
果たしているのに対し、慢性疼痛は、組織損傷等が治癒した後も長期間持続するなど、もはや生体警告系としての
役割を果たしておらず、最近では治療すべき「疾患」の一つとして認識されています。
  現在の疼痛治療は、オピオイド系鎮痛薬を中心に、NSAIDsや各種鎮痛補助薬を併用する手法が中心ですが、
慢性疼痛の中には、それらの薬剤抵抗性の難治性慢性疼痛が少なからず存在し、新しい作用機序を持った
新規鎮痛薬の創製が強く望まれています。
  本セミナーでは、まず、痛みの発生・伝達といった基本的な理解から、慢性疼痛の発症機序を概説したいと
思います。また、現在既に臨床適応されている鎮痛薬の分類、作用機構の解説、有効性、現状と問題点などを
説明した後、現在考えられている新規鎮痛薬の分子標的、その鎮痛作用機序、開発中の新規鎮痛薬候補、
問題点などを概説したいと思います。

プログラム

1. 慢性疼痛の発症機序
1.1 痛みとは
1.2 痛みの分類
1.3 痛みの伝達経路
1.4 痛みの発生
1.5 一次感覚神経から脊髄への痛みの伝達
1.6 下行性疼痛抑制系
1.7 痛みの慢性化機構
 (1) 末梢性感作
 (2) 神経発芽
 (3) 脱髄
 (4) 中枢性感作
 (5) Wind-up現象
 (6) 抑制性介在ニューロンの変化
 (7) 脊髄内グリア細胞の活性化
2. 既存鎮痛薬の作用機構
2.1 現在の疼痛治療
2.2 麻薬性(オピオイド系)鎮痛薬
 (1) オピオイドとオピオイド受容体
 (2) オピオイド系鎮痛薬の鎮痛作用機序
 (3) 麻薬拮抗性鎮痛薬
 (5) オピオイド系鎮痛薬使用の現状と問題点
2.3 抗炎症性鎮痛薬
 (1) プロスタグランジン合成系路と受容体
 (2) NSAIDs
 (3) COX阻害薬の鎮痛作用機序
2.4 抗うつ薬
 (1) 抗うつ薬の鎮痛作用機序
 (2) 鎮痛補助薬としての抗うつ薬
2.5 抗てんかん薬
 (1) 抗てんかん薬の鎮痛作用機序
 (2) 鎮痛補助薬としての抗てんかん薬
2.6 抗不整脈薬(局所麻酔薬)
 (1) 抗不整脈薬(局所麻酔薬)の鎮痛作用機序
2.7 NMDA受容体拮抗薬
3. 新規鎮痛薬の分子標的
3.1 難治性慢性疼痛
3.2 電位依存性Ca2+チャネル
 (1) 電位依存性Ca2+チャネルの分類
 (2) N型・R型Ca2+チャネル
3.3 電位依存性Na+チャネル
 (1) 電位依存性Na+チャネルの分類
 (2) TTX感受性Na+チャネルNav1.3
 (3) TTX非感受性Na+チャネルNav1.8・Nav1.9
3.4 TRPチャネル
 (1) TRPチャネルの分類と構造
 (2) TRPV1-4
 (3) TRPM8とTRPA1
3.5 ATP受容体(P2プリン受容体)
 (1) P2プリン受容体の分類と構造
 (2) P2X3受容体とP2X2/3ヘテロ受容体
 (3) ミクログリアのP2X4受容体とP2X7受容体
 (4) 各種P2プリン受容体の作用部位
3.6 グリア細胞
 (1) 慢性疼痛と脊髄内グリア細胞
 (2) グリア細胞とMAPKs
 (3) グリア細胞活性化抑制薬
3.7 グルタミン酸トランスポーター
 (1) グルタミン酸トランスポーターについて
 (2) グリア型グルタミン酸トランスポーターと痛み
3.8 その他の新規鎮痛薬の分子標的

講師紹介

略 歴
平成6年3月 京都大学薬学部卒業
平成8年3月 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
平成8年4月 京都大学大学院薬学研究科博士課程進学
       日本学術振興会特別研究員
平成9年12月 京都大学大学院薬学研究科・助手
平成17年7月 京都大学大学院薬学研究科・助教授
平成19年4月 京都大学大学院薬学研究科・准教授

賞 罰
日本薬学会近畿支部奨励賞

所属学会
日本薬理学会(学術評議員)
日本薬学会
日本神経科学学会
日本疼痛学会
国際麻薬研究会(INRC)
鎮痛薬・オピオイドペプチド研究会
日本アルコール・薬物医学会
日本神経精神薬理学会
Society for Neuroscience
日本緩和医療薬学会
トランスポーター研究会(幹事)