
製剤・物性研究者のための
結晶多形の基礎・評価法と医薬品開発への影響
結晶多形の基礎,評価法,物性への影響および非晶質,水和物について解説する特別セミナー!!
- 講師
(独)物質・材料研究機構 生体材料センター ナノドラッググループ
主幹研究員 工学博士 川上 亘作先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:42,000円 同時複数人数お申込みの場合1名:36,750円
- テキスト
受講概要
必要な予備知識
薬剤学および物理化学に関する初歩知識
受講後の修得知識
医薬品の結晶多形に関する専門知識
講師の言葉
医薬品原薬には通常結晶多形が存在し、結晶形は様々な物性に影響を与える。過去には、いちど製品化 された製剤が結晶形の問題で再開発を強いられた例もあり、多形評価には慎重さが求められる一方で、近年の 速い開発サイクルにおいては、多形評価に多大な労力を費やすこともできないのが実情である。 さらに実際の開発研究の中では、初期段階では結晶多形を明瞭に差別化できないことも多く、そのような 状況で開発に対する判断を下すためには、十分な知識が要求される。 本講座では、実際の開発研究に対応するために、製剤・物性研究者が理解しておくべき結晶多形の基礎、 評価法、および物性への影響などについて、解説を行う。さらに、結晶多形のひとつである非晶質、また開発研究の 中で結晶多形と同様に扱われる水和物についても解説を行う。
プログラム
1.医薬品開発における物性評価
1-1目的に応じた物性評価方針 1-2 創薬研究における物性評価 1-3 前製剤研究としての物性評価 1-4 結晶多形評価の重要性
2.結晶多形・結晶転移の基礎
2-1 結晶多形の定義 2-2 温度―エンタルピー図 2-3 モノトロピー転移とエナンチオトロピー転移 2-4 可逆転移と不可逆転移
3.結晶多形が物性に及ぼす影響
3-1 外観への影響 3-2 溶解度への影響 3-3 吸湿性への影響 3-4 その他物性への影響
4.結晶多形の評価法
4-1各種機器分析による評価 4-2 熱力学的安定性の評価 4-3 熱力学的転移温度と熱分析から得られる転移温度の違い 4-4 溶媒媒介転移 4-5 最安定形の決定法 4-6 転移温度の決定法 4-7 結晶多形の評価例
5.結晶多形の高速スクリーニング
5-1 スクリーニング手法 5-2 高速スクリーニングの現状
6.水和物
6-1吸着水・結晶水・層間水の違い 6-2 水分含量の評価法 6-3複雑な水和挙動の評価例
7.非晶質・結晶化
7-1 非晶質の定義 7-2 結晶と非晶質の関係 7-3 非晶質の調製法 7-4 非晶質の物性 7-5 非晶質の評価法 7-6 構造緩和 7-7 構造緩和の非晶質物性への影響 7-8 結晶化速度解析
講師紹介
学歴・職歴 昭和63年4月 ~ 平成4年3月 京都大学工学部化学工学科 平成4年4月 ~ 平成6年3月 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻 平成4年7月 ~ 平成4年9月 ドイツ国ドルトムント大学化学工学科 平成6年4月 ~ 平成17年3月 塩野義製薬(株)創薬第一研究所/製剤研究所/新薬研究所 平成12年3月 工学博士(京都大学) 平成13年8月 ~ 平成14年7月 米国コネチカット大学薬学部 招聘研究員 平成17年3月 ~ 平成18年12月 万有製薬(株)製剤研究所/創薬技術研究所 平成18年12月 ~ (独)物質・材料研究機構 生体材料センター 専門分野 物理薬剤学全般(とくにDDS、可溶化、溶解度、結晶多形、非晶質物性など)、コロイド・界面化学 最近の研究テーマ 経肺・経口投与用DDSナノ粒子設計、経肺投与デバイスの開発、非晶質製剤の調製・評価 受賞歴 平成13年3月 日本薬剤学会第16年会 最優秀発表者賞 平成16年7月 日本薬剤学会奨励賞 著書(いずれも共著) 化学工学シンポジウムシリーズ(化学工学会)1994年 Hydrocolloids (Elsevier) 2000年 界面ハンドブック(エヌ・ティー・エス)2001年 界面と界面活性剤(日本油化学会)2005年 エコマテリアルハンドブック(丸善)2006年 医薬品の安定性・品質・規格試験法と生データの取り扱い(技術情報協会)2007年 所属学会 American Association of Pharmaceutical Scientists、日本薬学会、日本DDS学会 日本化学会(コロイドおよび界面化学部会(事業企画委員、編集委員)、有機結晶部会) 日本薬剤学会(将来ビジョン委員会委員)、日本熱測定学会、化学工学会、粉体工学会